市販されているマーケティング本やアクセスアップに関するノウハウサイトでは、「いかに多くのユーザーにアクセスしてもらうか?」「どれだけの人に見てもらえるか?」を重視しています。
多くの人に自分のサイトを見てもらう機会を増やすことでアクセス増になり、その後の売上や成果(商品の購入やサービスの申し込み)に繋がる可能性が高まるからです。
ただ、最近のWeb業界では「どれだけ多くのアクセスを集められるか?」よりも「本当に成果をもたらしてくれる人を対象とする」といった、”量より質”を重視する傾向になっています。
たまたまアクセスした1万人よりも、購入意思のある100人にアピールした方が売上や成果に繋がりやすい、と言った考え方です。
これは専門用語でコンバージョンといい、コンバージョン率をどれだけ高められるかが、そのサイトが成功できると言っても過言ではありません。
※コンバージョンとは、Webサイト上で獲得できる最終的な成果のことを指します。
参考:「コンバージョン」とは? 今さら聞けないコマース基本用語
少し話は変わりますが、当方では以前に会員制のポイントサイトを運営していました。(現在は運営していません)
会員はポイントを購入して自分のサイトを宣伝するための広告を作成します。その広告を別の会員が自分のサイトに設置し、広告が表示される度にポイントが消費されるという仕組みです。
広告を設置した会員は自分のサイトで表示する度にポイントを貰えるので、今度は自分のサイトを宣伝するためのポイントとして使用できるわけです。
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・Aさんは広告を作成した
・BさんがAさんの広告を自分のサイトに設置し、それが表示された
・Aさんは10ポイント消費した。Bさんは8ポイント獲得した。(差額の2ポイントは手数料として運営が徴収)
仕組みとしてはアフィリエイトに近いかもしれません。アフィリエイトは自分のサイトで広告主の商品やサービスを紹介することで、その商品が売れたときに報酬が貰えます。
参考:アフィリエイトの仕組み|アフィリエイト初めてのかたへ|アフィリエイトのアクセストレード
この会員制ポイントサイトの収益は主にポイントの販売になるのですが、約5年ほど運営していても月に2~3万円ほどの売上にしかなりませんでした。
ただ、直接的な収益よりもWeb制作を依頼してくれるお客さまに対して「こういうサイトが作れますよ、運営していますよ」と紹介することが出来るので、売上が上がらなくても運営を続けていました。
しかし、このポイントサイトは全くアクセスがないかと言えばそうではありません。月平均で1000万PVありました。会員数は約8000人で、常時100~150人前後の利用者がいました。
Webサイトの運営に詳しい人が数字だけ見れば「それほどアクセスがあるのに売上が少ないのはおかしい!」と思うかもしれませんね。
今思えば「こうしていればよかった」「こういうコンテンツを用意すればよかった」と思うことは多くありますが、それでも飛躍的に売上を伸ばすのは難しかったと思います。
なぜなら「質より量」になるような運営をしていたからです。いかに会員を増やすか、アクセスを増やすかばかりを考え、”本当に人のためになるようなサービスを提供してこなかった”と言えるのかもしれません。
アフィリエイトASP大手のA8.netやバリューコマースがアフィリエイト業界で成功し続けているのは「自社サイトの広告宣伝をしたい!」「広告で収入を得たい!」という明確な目的を持った、質の高いユーザーを集めているからだと思います。
これは求人サイトでも同じです。集客を行うにしても、ただアクセス数を増やしたり、人を集めるだけでは成果(売上)に繋がりにくいです。
「誰でも良いから利用して欲しい」というような集客を続ければ、トラブルやクレームの元になり、最悪サイトの閉鎖や廃業に追い込まれてしまうかもしれません。
ですので、重要なのは「どんな人に利用してもらいたいか?」「どんな人に役立つサイトを提供したいか?」になるのではないでしょうか。
求人サイトの集客を行うときは、ぜひ「量より質」を意識して行動してほしいと思います。そして、当運営ブログでも「量より質」の観点で集客方法を説明していきたいと思います。