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中高年の転職活動は求人サイトの利用が鍵になるかも?

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今や中高年(40代~50代)の方もインターネットを親しむ時代になりました。パソコンを使わなくてもスマートフォンやタブレットでWebサイトを閲覧したり、アプリを楽しんでおられます。

中高年の転職活動と言えばこれまではハローワークを利用するのが一般的でした。あるいは前職からのツテや知り合いの紹介など、リアルを中心とした転職活動をしてきたと思います。

しかし、今後ますますデジタル化が進むと予測されますので、これまでと同じようにリアルを中心とした転職活動では厳しくなるかもしれません。

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製造業の人手不足とデジタルツールの活用

現在の人材不足に対して政府は以下のような課題解決を提言しています。

参考:製造業、課題は人手不足=デジタルツール活用が鍵-ものづくり白書:時事ドットコム

記事にはこのように記載があります。

製造業が直面している主要課題として、人手不足と付加価値の創出・最大化を挙げ、課題解決には「IoT(モノのインターネット)などのデジタルツールの積極活用が鍵を握る」と提言した。

これまであまりデジタル化していなかった製造業でも積極的にデジタルツールを活用して、人員不足を補おうという記事なのですが、このニュースを見て筆者は「中高年の方もデジタルツールを使えなくてはいけない時代が来るのではないか?」と思いました。

熟練工の技術とデジタル技術を融合させるとありますが、熟練工とエンジニアがペアになって通訳のごとくデジタルツールに反映させていくのは効率が悪いです。余計にコストがかかります。

経営者としては、熟練工の方がパソコンを使いこなせなくても、それなりのデータ入力やチェックぐらいは出来るようになって欲しいのではないでしょうか?そうすればデジタルツールを使う人員を新たに雇う必要はありません。

上記の記事はあくまで製造業の話ですが、これは全業種・業界にも通じる話だと思います。デジタルツールが苦手な中高年の方よりも、多少なりとも使える人のほうが転職では圧倒的に有利ではないでしょうか?

求人サイトの利用でITのスキルを判断できる

そこで求人サイトの出番です。求人サイトで会員登録をし、履歴書を作成して求人応募をし、企業とやり取りをするという一連の行為は、それなりにITスキルを要します。

パソコンであれスマートフォンであれ求人サイトで転職活動が行えるということは、最低限デジタルツールに慣れ親しんでいると思います。入社後もデジタルツールを活用していけるのではないでしょうか?

求人サイトで応募したからといって、仕事でデジタルツールを活用できるのかはまた別の話かもしれません。かなり短絡的な発想かもしれませんが、それほど乱暴な意見でもないと思います。

少なくともハローワークや知り合いの紹介で入社された方よりも、求人サイトを使って自主的に応募された方のほうが、デジタルツールを使えると言っても過言ではないかと思います。

と仮定するならば、これまで求人サイトを利用してこなかった中高年が多い業界でも、今後は求人サイトの利用が増えていくことが予測されます。

それに比例して、中高年の方も求人サイトを使って転職活動するでしょうし、そうなると求人サイトも中高年を意識した作りにしなければいけなくなるかもしれません。

中高年を意識した求人サイトとは

中高年を意識した求人サイトとはなんでしょうか?まず思い浮かぶのは「文字が大きく、文章量が少ない(分かりやすい)」ということはないでしょうか。

一般の求人サイトでは募集要項や応募手順など、どうしても情報量を多く詰め込みがちです。文章量が多い分、文字は小さくなり、見づらいです。

スマートフォンですと指でスワイプ(スクロール)して読み進めなければいけませんし、画面も小さいですから目が疲れます。中高年の方は老眼も多いと思うので、閲覧が大変になります。

また配色にも注意が必要です。色の明るさ・暗さも歳を重ねる毎に認識がぶれてきますので、若者向けのビビットで明るい配色のデザインをしていると、中高年の方に敬遠されてしまいます。

そういうデザインや見せ方の求人サイトが多いと、いくらデジタルツールに慣れている中高年の方でも求人サイトを利用して転職活動を行うのは容易ではありません。

ですので、今後は求人サイトを運営する側としても「中高年の方が操作しても見やすく使いやすい設計になっているか?」を意識する必要があるのではないでしょうか。

既存の求人サイトで中高年を対象としたサイトは少ない

そこで既存の求人サイトはどうなっているか?と思ってリサーチしてみたのですが、思ったより中高年を対象とした求人サイトは少ないです。

多くは大手求人サイトで「中高年という条件で絞り込んだ求人情報」として公開している程度でした。

以下は中高年を対象とした専門サイトです。

Web制作の観点から言えば、正直なところ中高年向きのデザインや配色にはなっていないかと思います。文字も小さめですし、配色も明るく、デザインも若者向けに感じます。

筆者の探し方が悪いだけで、もっと中高年の利用者に特化した求人サイト・転職サイトはあるかもしれません。ですが、ちょっと探した程度では見つからないことから、多くはないと言っても過言ではないでしょう。

中高年の方にも優しい求人サイトを

筆者はこれまでどちらかというと20~30代の若年層を意識したサイト制作をしてきました。JOB-PLACEの求人システム自体もそうなっていると思います。

若年層だとパソコンやインターネットを使いこなすのが当たり前のように感じられるかもしれませんが、中高年以上の方はまだまだ苦手な方が多いのも事実です。

しかし、インターネットが世の中に出てきてから20年以上が経ち、Windows95からのITバブルやスマートフォンの普及も相まって、デジタルツールを使う年代も増えてきました。

しかも日本は少子高齢化社会です。高齢者の数がどんどん増えていきますし、必然的にネットを使う年代も上がってくると思いますし、そうした状況下で求人サイトも変えていかなくてはいけないのかもしれません。

中高年のユーザーに優しい求人サイトがひとつでも多く産まれることで、中高年の転職活動がネット主体になるかもしれません。そうなると労働市場も活性化しますから、人材不足解消への一助になるかもしれません。

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