求人サイトのデザインを作成する時に「どんな配色にするか?」で悩むことがあります。配色によって求人サイトの印象は大きく変わるため、デザインを作成する上で大切な要素のひとつです。
そこで今回は既存の求人サイトを参考に、色・イメージ・印象別にまとめ、その色はどんな求人サイトに合うかをご紹介したいと思います。求人サイトのデザインを作成される方はご参考ください。
※カラーコードや具体的な色の説明ではなく、あくまで「求人サイトで配色をするときにその色はどんな印象を与えるか」について説明しています。
青色|ビジネス|信頼
青(ブルー)は信頼感や爽快感、清潔感をあたえる色です。水や空をイメージされる方も多いのではないでしょうか。寒色系の中でも中心的存在の色で、ビジネス系のサイトでよく使用されています。
求人サイトもビジネスに該当するサイトなので、青を中心としたデザインは無難で安定感があります。JOB-PLACEのデフォルトデザインも青にしており、どんなジャンルのサイトにも使用できるようにしています。
10代~30代の男性を想定したデザインに向いています。転職サイトの場合は原色に近い青で、アルバイトや派遣サイトは水色寄りの淡い色にすることが多いです。清潔感がある色なので医療系サイトにも向きます。
■エン転職
■マイベストジョブ
■歯科求人サイトDenty
紺色|フォーマル|落ち着き
同じ青系でも濃い紺色(ネイビー)にすることで、フォーマルで落ち着いた印象をあたえることができます。紺は高級感があるため、大企業や高額商品の紹介サイトにも使用されることがあります。
30代~50代の男性を想定したデザインに向いています。転職系サイト、特に職業紹介を目的とする転職エージェント系サイトではよく使用されています。高級感がある色なので、年収アップを想像させるのに役立ちます。
一方、アルバイトや派遣サイトには向かないかもしれません。これらのサイトを作りたい場合は、青系にするか、ヘッダー・フッターなど一部で使用すると良いでしょう。
■DODA
■Spring
■paiza
赤色|チャレンジ|情熱
赤(レッド)は情熱や熱意、興奮や刺激など力強い印象をあたえる色です。赤は温かいイメージがあり、エネルギーに満ちあふれた、ポジティブな印象を受けます。
20代~40代や若年層を想定したデザインに向いています。飲食店に特化した求人サイトを作る場合も赤系にした方が良いでしょう。また、赤の濃度を薄くすることで、若者や女性向きの配色にもなります。
赤は刺激が強いので募集要項や文章をじっくり見て欲しい箇所で使うと目が疲れます。白やグレーを使いながら赤の面積を少なくし、目が疲れないように工夫しましょう。
■リクナビNEXT
■ラクジョブ
■マッハバイト(旧ジョブセンス)
橙色|フレンドリー|楽しい
橙色(オレンジ)は楽しさやにぎやかさを感じる色です。同じ暖色系である赤と比べて目に与える印象が柔らかく、親しみやすさを感じる色になります。
橙色は若年層を対象としたデザインに向いています。仕事に対して楽しい雰囲気を感じ取ってもらいたい時に使用すると効果的です。アルバイト系サイトに向いていると思います。
業界特化型の求人サイトで使用する場合、飲食・ペット・保育・エンタメ系の求人サイトで使用すると合います。橙色の同系色で濃く・薄くしていくことで、まとまりがでるようになります。
■フロムエー
■Find Job!
■ラコット
黄色|ユーモア|明るい
黄色(イエロー)は明るく楽しい気分にさせてくれる色です。たんぽぽやひよこなどからも連想するように、幼くてかわいらしいイメージをあたえます。
若年層を対象としたデザインに向いており、アルバイト系サイトでよく使用されています。イラストやアイコンを組み合わせると親しみが出て愛着を感じてもらえるでしょう。
また、黄色だけだと明るくなりすぎるので、黒や緑を組み合わせるとバランス良く見えるようになります。
■タウンワーク
■@type
緑色|リフレッシュ|自然
緑色(グリーン)は癒やしと穏やかさをあたえる色です。木や森などの自然を感じさせてくれます。目の疲れを取るのにも効果的な色ですので、ゆっくり求人情報を見て欲しいときにも良いです。
20代~50代を対象としたデザインに向いており、地域限定サイトや医療や不動産系の求人サイトで良く使用されています。アルバイト系サイトでは黄緑がよく使用されています。
緑はコミュニティサイトでもよく使用されており、ビジネスのイメージもありますから、求人サイトでも使いやすいです。青だとありきたりに感じる場合は、緑にするのも良いでしょう。
■Green
■バイトル
■ワークポート
桃色|ビューティー|かわいい
桃色(ピンク)は可愛らしさや柔らかさをあたえる色です。桜や春など新生活や心機一転を感じさせる色なので、新卒や就職活動を目的とした求人サイトに向きます。
桃色からは女性を連想するため、総合型の求人サイトではなく、女性の利用が多い業界特化型の求人サイトで良く使用されています。美容・保育・看護などは桃色が使われていることが多いです。
桃色を薄くすることで柔らかく・幼くなりますので、女子高生や女子大生向けのアルバイト系サイトに合います。逆に桃色を濃くすることで、気品や美しさが出ますので、30代以降の転職サイトで合う配色になります。
■リジョブ
■保育のお仕事
■ナースパワー
黒色|クール|高級
黒色(ブラック)は重量感があり、不安や恐怖などマイナスをイメージする色です。しかし、黒を上手く使用することで、高級感や洗礼された印象をあたえることができます。
色を使ったサイトデザインは難しく、求人サイトで使用されている例は少ないです。以下でご紹介しているサイトも黒中心というよりは、黒と他の色を上手に使ってデザインを作成しています。
求人サイト以外では和風サイトや映画やゲームなどのエンタメ系サイトでよく使用されています。画像や動画を印象づけるために影となる黒を使います。
■シリコンスタジオエージェント
■CINRA.JOB(シンラジョブ)
まとめ
色はサイトにアクセスしたときに真っ先に認識しやすく、視覚に残ります。色ごとに人々が連想するイメージがありますので、そのイメージから外れると違和感が残ります。
たとえば転職サイトで30代~50代の転職希望者を対象としているのに、黄色やオレンジを使ったり、淡い色にしていると「若者向き」な印象を持ち、対象年代の人が利用してくれません。
逆に10代・20代の若者を対象としたアルバイト系サイトなのに、紺や濃い色を使ってしまうと、暗い印象を受けてしまいます。元気な人材を求める採用企業にとってもよくありません。
年代だけでなく、業種・業界に特化した求人サイトは色が持つ影響は大きいです。その業界をイメージする配色が行えないと、せっかくアクセスしてもらえても利用してくれません。
今はスマートフォンやモバイル端末から求人サイトにアクセスする人が増えたので、色が持つ重要性はPC向けサイトよりも低いかもしれません。(閲覧できる画面領域が限られるため)
しかし、それでもロゴやタイトルバーなどを特定の色にすることで、「○色の求人サイトだ」と印象づけることができます。その印象に違和感がなければ問題なくサイト利用してくれます。
Webデザインの配色はユーザーそれぞれの環境や設定により見え方が違います。モニタの明るさが違うだけで、同じ青でも強く・きつく感じたり、薄く・柔らかく感じることもあります。
印刷した紙面と違ってすべてのユーザーに同一の色を印象づけるのは困難です。そのため、どうしても基準は自分(または自社)の環境になってしまいます。
しかし、今回ご紹介したように配色ポイントを抑え、既存の求人サイトを参考にすることで、「この求人サイトにはこの色を使えば良い」ということがわかるようになってきます。
他の求人サイトと同じ色にすると目立たず、面白くないと言われる方もいますが、求人サイトは利用者のために存在するものですから、一般認識の高い配色にした方がユーザーには好まれます。
これから求人サイトのデザインを作成する方は、今回の記事を参考に、自分が作りたい求人サイトにはどんな色が合うか探してみてください。求人サイト以外でも同ジャンルのサイトを見るのと参考になります。