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なぜ無料?無料求人サイトでも利益が出る仕組み

なぜ無料?無料求人サイトでも利益が出る仕組みのイメージ

一般的に企業が求人サイトで求人情報を掲載するにはお金が必要になります。大手求人サイトをはじめ、ほとんどの求人サイトは利用に対してなんらかの料金が発生します。

しかし、中には無料で求人情報を掲載できるサイトがあります。なぜ無料なのでしょうか?無料で運営が成り立つのでしょうか?実は無料で利用できる理由は大きく分けて2つあります。

  • A)求人掲載は無料だが求職者の応募があった時や採用した時に料金が発生する「成果報酬型のビジネスモデル」を行っている
  • B)求人掲載以外で利益を上げている

Aの方法は現在広く取り入れられているビジネスモデルで、多くの求人サイトで導入されています。以下の記事でも詳しく説明していますので、ご参考ください。

求人サイトで効果的なビジネスモデルとは
求人ビジネスが起業家やベンチャー企業に選ばれ、ビジネスの手法として多く取り入れられているということは、前回の記事で解説しました。 ...
求人サイトで効果的なビジネスモデルとはのサムネイル

今回はBの「求人掲載以外で利益を上げている」について、その手法をご紹介したいと思います。無料求人サイトの構築にご興味がある方はぜひご参考ください。

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広告費で運営している

求人サイト内に広告を表示して、広告主から広告料をもらうことで運営費にしています。求人サイトに限らず、無料で運営しているサイトの収益として一番多い方法ではないでしょうか。

広告の種類にも様々ありますが、求人サイトで使われているのは主に以下の2つです。

  • 求人サイトの空きスペース(上下や左右)にバナー画像を設置して、広告主のサイトに誘導させる「バナー広告」
  • 広告主の会社や商品を紹介する記事を書いてPRする「記事広告」

バナー広告は広告主と直接交渉して掲載する場合もあれば、アフィリエイトサービス(A8.netバリューコマースなど)が提供している、広告素材を設置している場合もあります。

一方、記事広告というのは企業をPRするページを作って掲載料金をもらう方法です。企業から提示された文章や画像をそのまま求人サイトに掲載する場合や、企業への取材から文章作成まで行う場合もあります。

どちらの方法でもある程度(日に数万PV以上)のアクセス数が必要になります。新規求人サイトの場合はアクセス数も利用者も少ないので、なかなか収益を上げるのは難しいでしょう。

ただ、本来は有料である求人サイトを無料にしているわけですから、利用者の増加は期待できます。求人サイトのジャンルによってはアクセスアップを期待できるので、広告収入を得られるかもしれません。

情報収集目的で運営している

求人サイトは情報が集まりやすいサイト形態です。求人応募をする際に必要となる、性別や年齢、住んでいる地域(都道府県)や学歴などの個人情報を取得することができます。

個人だけでなく求人情報を掲載する企業の情報も同じように集めることができます。企業の場合は募集人材からどんな事業を行っているか把握することもできます。

そして、これらの個人情報は本業のビジネスに役立てることができます

例えば運営者が美容機器を開発しているメーカーだとします。そして美容関係の求人サイトを作ったとします。サイトを利用する人は美容に興味がある人になるでしょうし、美容商材を扱う会社になるでしょう。

ということは、求人サイト内で美容機器を紹介してもおかしくはありませんし、求人情報を見に来たユーザーに自社で取り扱っている商品を宣伝することもできます。

取引先との交渉についても、求人サイトの会員データからプレゼンやマーケティング用の資料を作ることが出来るでしょうし、それらが新たな商品開発に役立つかもしれません。

このように求人サイトを運営することで個人情報を集め、本業の製品やサービスの販売につなげることができるのです。

本業のサポート目的で運営している

少子高齢化の影響で今やどの業界でも人材不足です。企業は人材を確保するために相当なコストと時間をかけて求人活動を行っています。そのため、しばしば採用コストが問題になる時があります。

大手求人サイト・エン転職を運営するエン・ジャパンは以下のような記事を公開しています。

参考:採用コストは一人当たりどれくらい?採用費用のコスト削減方法

この記事の中で以下のような説明があります。

中途採用の場合は、「求人広告」にかかった年間費用が約227万円、「人材紹介」にかかった年間費用が約561万円、一人当たりの求人広告費用は約40万円という結果が出ています。

このように中途採用でも多くのコストが必要になっていることが分かります。大企業であれば捻出できる金額であっても、中小・零細企業にとっては経営を圧迫しかねないコストだといえるでしょう。

そこで取引先の採用コストを軽減するために、求人サイトを運営します。本業の商品やサービスを購入したら、求人掲載出来るという仕組みです。いわば”特典”のようなかたちで求人サービスを提供します。

製品・サービスの提供とは別にこのような特典やサポートが付いていたらどうでしょうか?競合する会社と比べた時に、ひと押しが利いて発注につながるかもしれません。

もう少し具体的に説明します。例えばWeb制作会社に自社サイトを作ってもらったとします。サイトは作った後の更新作業が必要になりますが、そのためには多少のサイト運営に関するスキルが必要になります。

更新作業を毎回Web制作会社に依頼してはコストがかさみますし、事務や商品の発送など内部作業もやってほしい場合があるので、内部にスタッフを置きたいと考えるかもしれません。

そこで人材探しまでWeb制作会社が代行してくれたらいかがでしょうか?作ったサイトについて熟知しているわけですから、どんな人材を募集すれば良いか?が明確に分かります。

なお、筆者が実際にお客さまのサイトを作った後に、「Web担当者が見つからない」という話をよく聞くので、例に出しました。他の業界でも似たような対応はできると思います。

このように人材を欲している企業に対して商品・サービスを提供している場合、求人サイトを作って求人掲載までサポートすると、売りやすくなるかもしれません。

将来的に有料化する

少しイレギュラーな方法ではありますが、将来的に有料にするから現在は無料で運営しているという求人サイトも多いと思います。

お試しのような形で無料掲載にして、会員が集まってきた(サイトに価値が高まってきた)頃に有料にします。求人サイトではありませんが、ヤフオクが昔このような方法をしていました。

いくら無料サイトと言っても必ず成功するとは限りません。また、作った求人サイトと同ジャンルに競合サイトが多い場合、いくら料金が安くても対抗するのは難しくなります。

ですので、最初は無料にしてどのくらい利用してもらえるかを見極めます。利用者が多ければ後に有料にすることができるでしょうし、そうでなければ早々サービスを打ち切ることもできます。

ひとつ注意することとしては、後に有料化を考えている場合は、無料で行えるサービスを最初から限定することです。具体的には求人掲載数や応募数を制限することです。

無料の段階から、求人掲載数や応募数の上限をなくし、1社がいくつでも可能な状態にしていると、有料化にした時が大変です。有料のメリットを感じてもらえなくなり、有料化が成功しません。

ですので、「後に有料化を考えているから、最初は無料にする」という場合は、最初から無料・有料を想定したサービス設計が大事だと言えます。

サイト売買を考えている

求人サイトは情報が集まりやすいので資産価値を形成しやすく、売却しやすいサイト形態だといえます。以下の記事にサイト売買に関して詳しく説明していますので、ご参考ください。

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サイトを売却するためには情報量が必要になります。特に会員数は重要で、会員が多ければ多いほどサイトの価値は高まります。(求職者、企業問わず、会員は多い方がいい)

求人サイトで会員を増やすためには多くの求人情報が必要です。そこで無料で掲載できる求人サイトにして求人情報を集めることで、比例して会員数も増えていきます。

会員数はある時期を境に伸びなくなってくるのですが、その時期にサイトを売却すればそれ以上、投資(サイト更新やコンテンツ構築)をする必要が無いので、利益を生むことができます。

当方でも求人サイトではないのですが、ある会員制サイトを無料(一部有料)で運営していたことがありました。競合サイトは有料ですから、無料で運営することで後発でもある程度の会員数を獲得できました。

会員数が1万人に達するかどうかの時に伸びなくなったのでサイトを売却することにしたのですが、開発時に投資した資金よりも数倍の値で売却することができました。

もちろん、最初からサイト売買をする目的で運営していたわけではありませんが、思ったような売上(広告収入)につながらなかったので、今後の更新作業をどうするか悩んでいる時期でした。

ですので、サイトを売却できたのは嬉しい誤算でした。ただ、後から振り返ると最初からサイト売却を想定してサイト構築していた方が良かったなとは思います。その方がより資産価値を形成できていたでしょう。

このように求人サイトは後から売却することが出来ますから、最初は無料で運営して、会員や求人情報を集めるというのはひとつのビジネス戦略だと思います。

まとめ

以上、5つの「無料求人サイトでも利益が出る仕組み」についてご紹介しました。今回は利益を出る方法を中心に説明しましたが、直接的な利益でなくても、間接的な利益を得るために無料で運営している場合もあると思います。

例えば、障がい者や働けない人向けの求人サイトを作ったとします。企業から掲載費をもらわず、広告などもない完全無料の求人サイトだとしましょう。

完全無料の求人サイトだと運営を継続するのが困難になりますが、ボランティアで運営を手助けしてくれる人がいるかもしれません。また、国からの補助金なども望めますので、それを運営費にあてることができます。

利益=お金と言った考え方ではなく、利益=評判・評価・人助けといった価値を持つことも出来るため、このような目的で求人サイトを運営するのも考えられます。

何に利益を感じるかは運営者の考え方や理念次第になりますが、きちんとした目的を持つことで、無料・有料問わず、広くユーザーに利用してもらえる求人サイトにすることができます。

これから無料の求人サイトを作りたいと考えられている方は、まず最初に「何で利益を上げるのか?」を考えてください。ここでご紹介した方法でもいいし、別の方法でも構いません。

ただひとつ注意しておくと、「なんとなく」で無料にするのは危険です。求人サイト自体はたくさんありますので、無料だからと言って必ず利用してくれるとは限りません。

無料であっても目的と信念をもってサイト構築をしていただければと思います。それがあることで、無料に対する説得力が生まれるようになり、利用者も増えていくのではないでしょうか。

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