A/Bテストとは、AとBの2つのパターンを用意してどちらがより効果があったかを検証するマーケティングの手法です。Webサイトでもよく実施され、Webページの改善やアクセスの分析などに役立てられています。
基本的にはAかBのどちらかに絞って結果を分析するため、単純で分かりやすいです。莫大なお金をかけることもなく、Webやマーケティングの知識がない方でも行うことができます。
もちろん求人サイトでもABテストを実施することができます。より良い求人サイトを作るためにも定期的にABテストを行い、効果を検証していく必要があるでしょう。
そこで今回は求人サイトで行える基本的なABテストをご紹介したいと思います。また、Webに詳しくない初心者でもかんたんに実施できる方法をご紹介します。
メイン画像を変更する
メイン画像(メインビジュアルともいいます)は、トップページの目立つ箇所に設置してある、サイトをアピールするための画像です。当サイトでいうとトップページのパソコン・タブレット・スマートフォンの画像がある部分です。
求人サイトは商品をアピールするわけではないので、メイン画像を用意していないサイトもあります。しかし、サイト説明や会員登録の促進で用意している場合、その画像を変更して効果検証します。
単純に画像(写真)を変更するだけでなく、画像の中に表示している文章も変更してください。タイトルやボタンなどの色、形状、配置などを変更するのも有効です。
2パターン用意してどちらがより効果(会員登録や資料請求など)があるか検証してください。JOB-PLACEの求人システムには「スライドショー」といって、画像を自動で切り替える機能があるので、これを使用するのも有効です。
配色を変更する
色は視覚に与える影響が大きいことから、求人サイトの配色を変更するだけでも大きな違いが出ます。自分は今まで何気なく見ていた色も、人によっては見にくい場合があるのです。
また、文章を読んでくれないユーザーが多いときに、テキストに使用している色を変更するだけでも反応が変わる時があります。色を変える程度だとCSSでかんたんに変えられるので、コストもかからないでしょう。
ただし、配色を変更するといっても求人サイト全体の配色を一新する必要はありません。ボタンやタイトルの装飾など、一部の色を変える程度で構いません。全体を変更すると全く違った印象になり、比較が困難になります。
全体の配色を変える時はサイトをリニューアルするときなど、デザインそのものを変更するときにし、ABテストを行う時は一部分だけ変えるようにしましょう。
ウィジェットの位置を変更する
求人サイトのウィジェットとは「新着求人」や「おすすめ求人」などで使用する機能の集まりのことをいいます。ブログパーツとも呼ばれ、ブログを運営したことがある方には馴染みがあるかもしれません。
このウィジェットの位置を変更するのもABテストとして有効です。たとえばウィジェットを上下に配置するだけでも反応が変わります。当然、上に配置した方が反応率は高くなります。
ただし、ウィジェットによっては上に配置しても下に配置しても反応率が変わらないものがあります。しかし、それがわかれば反応率が変わらないウィジェットを下に配置し、目立たせたいウィジェットを上に配置することができます。
JOB-PLACEのウィジェットはマウス操作でかんたんに配置を変更することができますので、ABテストをすぐに実施することができます。
求人一覧の表示件数を変える
ユーザーが求人情報を検索して表示される「求人一覧(求人検索結果)」のページ。このページでは条件に一致した求人情報が指定件数まで表示されています。
通常は10件や20件で区切られ、指定件数以上になると「1・2・3」のような改ページリンクが表示されます。改ページリンクをクリックすると次にヒットした求人情報が表示される仕組みです。
一覧ページは2ページ目以降にあるデータはクリックされづらくなります。「クリックする」という動作が負担になるためです。そこで1ページに表示する件数を変更し、できるだけ多くの情報を伝えるようにします。
ただし、ひとつのページにあまり多くの情報を掲載すると、縦にスクロールして閲覧していくことになります。また、件数が多いことでひとつひとつの情報が目立ちにくく、乱雑さを感じることもあります。
適切な表示件数を調べるためにも、ABテストを実施してどの件数にすれば反応率が変わるか調べると良いでしょう。
キャッチコピーを変更する
キャッチコピーとなる文章(タイトル)を変更します。当サイトで言うと「レスポンシブ対応・求人サイト構築サービス」がよく使用しているキャッチコピーになります。
求人サイトでもキャッチコピーは大事です。初めてサイトに訪れたユーザーが「そこは何のサイトなのか?」を瞬時に読み解くためにも、キャッチコピーはわかりやすく、意味が通じるものでなければいけません。
また、キャッチコピーで訴求することもできます。たとえば企業向けに求人掲載についての説明ページを作るときも、見出しのキャッチコピーを工夫することで掲載依頼を獲得しやすくなります。
「掲載依頼について」のページまでアクセスはあるのに依頼につながらない場合、キャッチコピーをABテストしてどう反応が変わるか試してください。
よくある質問の回答文を変更する
求人サイトを運営していると同じような問い合わせをされることがあります。そのような時は「よくある質問」のページを作って回答文を掲載し、事前に調べてもらうように誘導します。
しかし、よくある質問があっても必ず見てくれるとは限りません。そもそも回答文がよくわからずに質問してくるケースも多いのです。そこで回答文の内容を変更し、反応が変わるかテストします。
求人サイトを運営した当初は文章も少なく、説明も簡素になりがちです。ですので、より詳しい文章を書き加え、色分けしたり挿絵となる画像を加えて見やすくするなど工夫してください。
また、よくある質問のページをカスタマイズするのも有効です。何度も同じ質問があるということは、質問を探しきれていない可能性があります。どんなキーワードで探せばいいかわからないのもあるでしょう。
よく相談される質問は「特によくある質問」としてまとめてページの上の方に表示したり、カテゴリー分けして質問を探しやすくしてください。これらを行うことで質問される回数も減るでしょう。
フォームを見直す
最後はかんたんな箇所ではないものの、ABテストで効果が出やすい箇所として「フォーム」を取り上げたいと思います。
求人サイトでフォーム入力が必要な箇所は主に「求人応募」「会員登録」「お問い合わせ」になります。特に求人応募フォームは求職者(会員)の履歴書を企業に伝えるために必要です。
ただし、求人応募フォームの入力項目は多くなりがちです。JOB-PLACEの求人システムでも14項目22箇所あり、フリー項目やスキル機能を使うともっと多くなります。
入力箇所が多くなればなるほどユーザーは遠のいてしまいます。ですので、求人サイト構築時は必要最小限にし、増やす時はABテストをしてどのくらい入力があるのか試すと良いでしょう。
求人応募フォーム以外も同様です。必須項目ではない任意の項目は、言わば「あってもなくても良い項目」になります。もしあまり入力がない項目は思い切って削除しても良いかもしれません。
まとめ
今回はできるだけ初心者の方を対象に、「求人サイトでかんたんにできるABテストの方法」としてご紹介しました。ABテストを深く追求していくと、ツールを使用してもっと詳細にテストすることもできます。
しかし、最初はそこまで詳細なテストをする必要はなく、単純に「AパターンとBパターンを比べてどうか」といったテストで良いと思います。慣れた後にツールを導入して比較していくと良いでしょう。
JOB-PLACEの求人システムでは管理画面から求人アクセス情報を調べることができます。日付を指定して期間検索できるので、「このテストをしたら求人情報のアクセスはどう変わったか?」を調べることができます。
ただ、現在は期間検索できるコンテンツは限られています。マーケティングツールとして使用するためにも、他のコンテンツにも登録日/更新日で期間検索できるようなアップデートが必要だと感じました。
求人システムで難しい部分はGoogleアナリティクスを使うのも良いです。GoogleアナリティクスはABテスト(ウェブテスト)が行える機能があります。
Googleアナリティクスのテスト機能を使用してABテストを行い、どのようにセッションやページビューが変化するか、コンバージョンが得られるか分析するのも面白いと思います。
ぜひ定期的にABテストを実施して、求人サイトの改善やマーケティングに役立ててください。