求人サイトを運営していく上で、気をつけなければいけないことがいくつかあります。特に初めてサイト運営をする方は、日々の運営や営業・集客活動に手一杯となり、他のことに頭が回らないということもあるでしょう。
しかし、求人サイト運営で必要なルールやマナーを把握していないことで、重大なトラブルを招く可能性があります。ある日突然、「トラブルに巻き込まれた!」という事態を避けるためにも、事前に注意しておきたいものです。
そこで今回は「求人サイト運営で気をつけたい10のこと」をテーマに、つい忘れがちな出来事についてご紹介します。すでに求人サイトを運営している方も、改めて確認してみてください。
サーバーの契約更新を怠らない
求人サイトをレンタルサーバーに設置している場合、契約期限があります。サーバー会社や契約プランにもよりますが、おおむね1年契約をしている方が多いのではないでしょうか。
契約期限をすぎると、サーバーにアクセスできなくなったり、データを削除される可能性があります。そうなるといくら後から契約期間を延長しても、すぐに復帰することはできません。契約更新を怠らず、期限を守るようにしましょう。
ちなみに、多くのサーバー会社では、契約期限の数日~1ヶ月以上前にはメールで期限を案内してくれます。案内が来たら、しっかりスケジュール管理を行い、更新を逃さないようにしましょう。
サーバーのメンテナンス情報を確認する
サーバーはコンピュータ機器ですので、定期的なメンテナンスが必要になります。メンテナンスの内容(サーバーの再起動やHDDの入れ替えなど)によっては、求人サイトが正常に表示されなくなる時間帯があります。
サーバーにトラブルが生じて突然メンテナンスになるケースもありますが、通常は数日前にメンテナンス予定をメール送信してくれます。メンテナンス日を確認したら、求人サイトの「お知らせ」などでユーザーにも伝えるようにしましょう。
事前に伝えておくことで、「しっかり運営している」という印象を与えることができます。仮に「アクセスできなかった!」というクレームが来ても、説明することができます。面倒だと思わずに、求人サイト上でも案内するようにしましょう。
定期的にデータのバックアップをとる
サーバーのトラブルなどで、ファイルやデータが消滅してしまう可能性があります。どんな老舗のサーバー会社であっても、任せきりにするのではなく、自身でもデータのバックアップを取るようにしてください。
まずは、サーバー会社が提供しているバックアップツールを使用し、定期的にバックアップファイルを生成しましょう。生成したファイルを自身のPCに保存し、それをUSBやDVDなど外部メディアに保管するようにすれば、なお安心です。
ちなみにJOB-PLACEの求人システムにはバックアップ機能が実装されています。こちらはデータベースの内容をバックアップする機能になります。バックアップしておくことで、後から復元することも可能になり、トラブル対策になります。
画像や文章を他所からコピーしない
インターネット上にはさまざまな画像が存在します。誰でも自由に閲覧することができ、自身のPC・スマホなどに保存することができます。良い画像を見つけたら、ついダウンロードして保存する方も多いのではないでしょうか。
ただし、これらには制作者の著作権(ライセンス)が発生します。個人で閲覧する程度なら構いませんが、保存して自分のサイトにアップロードするのは違法です。誤ってアップロードしないためにも、扱うファイルには注意しましょう。
意図しない間違いを防ぐために、フリー素材を使用するのがおすすめです。フリー素材は誰でも無料で使用できるため、求人サイトで扱う画像には最適です。(※ただし、規約により利用できる範囲が定められている場合があります)
以下の記事におすすめの無料素材サイトをご紹介しています。求人サイトに掲載する画像に困った際は、こちらをご参考ください。
なお、画像だけでなく、文章の扱いにも注意してください。良さそうな文章を見つけたからといって、そのままコピー・ペーストするのは不適切です。どこが出典なのか引用元をリンクして、明示するようにしましょう。
関係のないサイトやリンク集に登録しない
求人サイトの露出を増やそうと、色んなサイトで宣伝したり、リンク集に登録するのは止めてください。SEO(検索エンジン対策)の観点からいえば、マイナス評価を受ける可能性が高くなります。
また、関係ないサイトで宣伝すると、そこのユーザーには嫌われます。悪い噂が立つ可能性もあります。むやみやたらに宣伝するのではなく、自社サイトやSNSで自分のアカウントを作って宣伝するようにしましょう。
ただし、求人サイトと同じテーマを扱うサイトで宣伝するのは間違いではありません。たとえば飲食関係のサイトで、飲食業界専門の求人サイトを宣伝してもらうのは良いです。同一ジャンルであるため、関係性も生まれます。
宣伝先・登録先で何をテーマにサイト運営しているのかを見極め、迷惑にならない範囲で利用するようにしましょう。
管理画面にアクセスできる人物を限定する
求人システムを導入している場合、管理画面から各データの管理ができると思います。Web上からデータの登録や削除がかんたんにできるので便利ですが、悪意のある人物にログインされてしまうと、大変なことになります。
特にWordPressで求人サイトを構築している方は注意してください。WordPressのセキュリティホールを狙ったハッキング攻撃がよくされています。(当サイトが利用するサーバーにも毎日来ます)
不特定多数にアクセスさせないためにも、管理画面のURLは非公開にし、アクセスできる人物を限定してください。固定IPアドレスを使用している場合、IPアドレス制限を適用するのも有効です。
個人情報の取り扱いに注意する
求人サイトは求職者・企業含め、さまざまな人物の個人情報を扱っています。たとえば、求職者の履歴書コンテンツには名前・住所・電話番号など、個人を特定する情報が記録されています。
ニュースなどで報道される「個人情報の流出」問題も、内部の管理体制が原因であることが多いです。社内の誰もが管理画面やサーバーにアクセスできる状態だと、内部流出が起きやすいといっても過言ではありません。
一度流出すると、そのサイト・会社の信用はガタ落ちします。Web上のデータだと文字が主体のため実感が湧きにくいかもしれませんが、実在する人物の情報であると認識し、慎重に扱いましょう。
なお、会員ページにログインするID(メールアドレス)・パスワードも個人情報です。メールなどでやり取りする際は必要最低限にし、伝達後はパスワード変更をしてもらおうように勧めましょう。
添付ファイルは安易に開かない
求人サイトで運営者のメールアドレスを公開している場合、お問い合わせフォームではなく直接メール送信されることがあります。中には資料確認を目的とした、添付ファイルが送信されてくることもあるでしょう。
しかし、安易に添付ファイルを開かないでください。ウィルスに感染してしまう可能性があります。ウィルスに感染してしまうと、自身のPCに対する被害だけでなく、別でやり取りをしていたユーザーに影響を及ぼす可能性があります。
たとえ知っているユーザー・企業相手であっても、添付ファイルが送信されてきたらウィルスチェックをしましょう。送信元の人物が知らず知らずにウィルスに感染している可能性があるからです。
そして求人サイト運営用のPCには必ずアンチウイルスソフトを導入し、添付ファイルが送信されてきても、安易に開かないように注意しましょう。
求人システムをアップデートする
求人システムはプログラムで作られています。プログラムを実行させるサーバーやソフトウェアは安全性を保つため、定期的にアップデート(更新)されています。それに合わせて求人システムもアップデートする必要があります。
もし、購入した時の古い状態のまま使用していると、セキュリティホールを突かれたり、動作が著しく遅くなってしまう可能性もあります。不具合がある求人システムをそのまま使用していると、ユーザーに迷惑をかけ、サイトの利用も遠ざかってしまうでしょう。
ですので、求人システムのアップデートを行い、常に新鮮な状態を保てるようにしましょう。定期的にアップデートをしている求人サイトは信頼性もアップします。機能を追加しなくても、「お知らせ」などでメンテナンスの案内をしましょう。
なお、求人システムの販売元・作成元により条件が異なるため、依頼する時はアップデート条件をしっかり確認してください。
求人サイトも古くなることを理解する
求人システムだけでなく、求人サイトそのものも古くなります。物理的に古くなる(衰える)という意味ではなく、求人サイトのデザインや機能が時代にそぐわなくなって行くのです。
求人サイトの根本である「求人情報を紹介する」「求人を仲介する」という仕組みはそのままであっても、時代の流れやニーズを意識し、常に変化していかなくてはいけません。求人ビジネスだけでなく、どのビジネスでも同じですよね。
もしあなたの運営している求人サイトが5年以上経過し、「なんだか最近アクセスも増えないし、会員登録や企業からの依頼も減ってきた」と感じているのなら、リニューアルを検討してみてください。
求人サイトをリニューアルすることで、今までの資材を有効活用し、新しいサイトとして生まれ変わることができます。そしてあなた自身の求人サイトに対するモチベーションアップにもなり、新鮮な気持ちで運営業務に取り組むことができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した内容はサイト運営をしたことがある方にとっては、どれも当たり前だと感じるかもしれませんね。しかし、意外と忘れがちで慌てて対処した事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
サイトを長く運営していると、つい忘れがちになったり、疎かにしてしまうこともあります。気づいたときには手遅れになっていることもよくあります。当たり前だと決めつけず、初心を忘れないようにしてください。
あなたが法人であれば、社内でもう一度確認し、共有するようにしましょう。みんなで求人サイト運営に必要な考え方を意識することで、安心・安全な求人サイトを作れるようになるのです。