求人サイトの運営でお金も時間もかからず成果(売上)を上がる方法があります。それは「お客様自らが求人掲載の依頼をしてくれる」ことです。
求人サイトにある企業向け登録フォーム(お申込みフォーム)から直接登録をしていただき、求人情報の掲載まで全て企業側でしていただければ、運営者は手間も時間もかからず成果を上げることができます。
※ただし、全て企業にお任せすると誤った情報や誤字・脱字が含まれる可能性があるので、定期的に登録内容をチェックする必要はあります。
「そりゃ、企業の担当者が直接登録してくれるなら楽だよ。でも、うちは大手の求人サイトではない。全くの無名サイトなのに、自ら登録してくれるわけないじゃないか」そういった声が聞こえてきそうですね。
確かに大手の求人サイトと比べて作ったばかりのサイトは知名度も実績もないので、簡単には登録や掲載依頼をしてくれないと思います。この辺は他の記事でも説明している集客方法を実践しながらになるでしょう。
しかし、「求人広告の掲載依頼が来やすいサイト・来づらいサイト」というのがあります。掲載依頼の来やすいサイトにしていれば、集客がそのまま成果(売上)につながります。
当方の求人サイト構築サービスでは、できるだけ求人広告の掲載依頼が来やすい設計にしてお渡ししていますが、あらかじめ運営者であるあなたにも把握していただきたいと思います。
そこで今回は「求人広告の掲載依頼が来やすい求人サイトの条件」というテーマで説明していきたいと思います。
求人掲載の方法が分かりやすい
企業が求人サイトを見た時に「どうやって求人情報を掲載すればいいか?」という、求人掲載(求人広告)に関する方法やサービス内容がひと目見て分かる必要があります。
求人掲載の方法が分からないとそのサイトを利用して良いのかどうか迷います。よくあるのは「求人掲載をご希望の方はお問い合わせください」とお問い合わせフォームに誘導する行為です。
お問い合わせフォームがあるページに詳しいサービス内容が書かれていれば別ですが、そうでない場合は何をどうお問い合わせすれば良いかが分かりません。
また、「求人掲載をご希望の方はお電話ください」としているところもありますが、電話だと手間です。また自ら電話をすると売り込まれる恐れがあり、心配にもなります。
ですので、あらかじめ求人掲載の方法が分かりやすいページを作成して、そのページを見た方が気軽にお問い合わせできるような作り方をしましょう。
よくあるパターンとしては、「求人掲載のお申し込みはこちら」「採用ご担当者様へ」「求人広告の掲載について」などのリンクで誘導すると分かりやすいでしょう。
また、説明ページではサービス内容の他に料金表を公開するようにしてください。目安でも良いので具体的な料金が公開されていることで、利用検討しやすくなります。
中には「料金はお問い合わせください」としている求人サイトもありますが、これではいくら必要になるかわからないので不安です。よほど有名な求人サイトでもない限り、事前に料金表は公開しましょう。
会員数が多い
登録している求職者数(以下、会員数)の多さは求人サイトとして最大の武器になります。当方が実施した企業に対するアンケート調査でも、会員数が多い求人サイトで求人掲載を検討すると答えた企業が多かったです。
ですので、会員数が多い求人サイトはトップページやサービス紹介用のページなどで会員数の多さをアピールしましょう。できれば男女別・年代別に分かれていれば分かりやすいと思います。
ただし、会員数が多いと言っても大手求人サイトのように1万~10万人以上の会員数でなければいけないということではありません。
特にあなたの求人サイトが業界・業種別に特化した専用の求人サイトの場合、会員数が数百人単位でも十分アピールになります。
あるいは具体的な数を出さなくても「女性の会員が多いエステ専用の求人サイトです!」というように、抽象的な言葉であっても企業の担当者に意識してもらえる場合があります。
ですので、小規模の求人サイトであっても積極的に会員数をアピールしても良いと思います。
※ただし、過大表現や嘘・偽りは禁物です。詐欺行為に繋がりますので、あくまで事実に基づいた表現に徹してください。
掲載料金が安い
会員数とともに掲載料金も気になるポイントです。例え会員数が少なくても掲載料金が安い(または無料)求人サイトであれば、利用してもらえる可能性が高まります。
求人サイトによって様々なビジネスモデルを採用していますが、大手の求人サイトは比較的料金が高めです。アルバイト系の求人サイトでは1回の掲載料金が数万円、転職系の求人サイトでは数十万円することもあります。
また、広告代理店を使う場合は手数料も発生するので、その分が上乗せになります。以下、求人広告代理店を行っている会社の料金表が公開されています。
会員数も実績もある大手サイトだからこのような高単価が実現できると思いますが、中小・零細企業にとってはなかなか気軽に出せる金額ではないかもしれません。
ですので、新規求人サイトや小規模求人サイトの場合は、大手求人サイトよりも掲載料金を安くして、自社サイトの利点をアピールした方が良いと思います。
過度に低くする必要はないと思いますが、掲載料金を決める時は競合他社の料金を調べて、同じか少し低いぐらいにすると企業も検討してくれるようになるでしょう。
なお、料金に関する求人サイトのビジネスモデルについては、以下の記事にて詳しく説明しています。こちらもご参考ください。
掲載料金は後々も重要になってきますので、しっかり検討して最適な料金設定をしていただければと思います。
特定の業種に絞ったサイトである
テレビCMで宣伝しているような大手求人サイトのように、全国・全業種(業界)を対象とした求人サイトではなく、特定地域や業種(または職種)に絞ったニッチな求人サイトの方が掲載依頼してもらいやすいです。
なぜなら全国・全業種を対象とした求人サイトの場合、自社の求人情報に対するアピールが少なくなるからです。有名な大企業でもない限り、「○○社のスタッフ募集」とした求人情報があっても、求職者はアクセスしません。
また、大手求人サイトは掲載料金も高めです。地域によって料金を変えている求人サイトもあり、不公平感も募ります。このようなデメリットは企業も認識しているので、業界や地域に特化した求人サイトが利用されるようになってきました。
業種特化型であれば少なくとも「その業界について知っている」求職者が集まります。業界に関する専門用語を使っても理解してもらいやすいので、企業の採用担当者としても楽です。
地域特化型であれば求人情報を掲載している企業の所在地付近に住んでいる求職者が集まるでしょう。地域の決まりや習わしなども認識しているでしょうし、何より交通費がかかりません。企業にとってもコスト削減になります。
このように特定の業種に絞った求人サイトは企業にとってもメリットが大きいため、会員数やアクセス数が少ない新規求人サイトでも、掲載依頼してもらえるようになります。
あなたの求人サイトが業種特化型であれば、ぜひそのことをアピールして他の求人サイトと差別化を図ってみてください。
求人サイトが使いやすい
今や使ったことがない人がいないと思うぐらい、求人サイトは転職活動や職探しで一般的な求人媒体となりました。
しかし、だからと言って老若男女問わず、誰でも求人サイトが使えるとは限りません。求人サイトを上手く使いこなせない人もまだまだ多いのです。
そもそもWebサイト自体が「難しい」ものです。ブログのようにただクリック(タップ)しながら読み進められるものならまだしも、求人サイトのように、画面構成が複雑で情報量が多いものは難しいのです。
筆者はWeb制作に関わって15年、Webサイトを見るようになってから20年以上経ちますが、使い方がよく分からないサイトがあります。どこをクリックすればいいか、どうやって登録すれば分からないサイトに出くわす時があります。
仕事でWeb制作業を行っている筆者ですらそういう感情を抱くサイトがあるわけですから、一般のユーザーにとって分かりやすく使いやすいサイトというのは必須条件だと思います。
こういったサイト内の使い勝手を意識することを専門用語でUI(ユーザーインターフェース)またはUX(ユーザーエクスペリエンス)と言います。
UIは「人と物が接触する部分」を意味し、サイトであれば文字や画像、フォームボタンなどのユーザーが目に触れる外観・物体のことを指します。
文字サイズが適切でテキストを認識してもらえるか?ボタンを正しく認識してクリックしてもらえるか?などのUIを意識して、デザインやページ作りの調節を行います。
一方、UXは「人が物やサービスを通じて得られる体験」を指します。お問い合わせがしやすいか?会員登録までの流れがスムーズか?など、ユーザーの動作に対して得られる感情(満足・不満足など)になります。
UIとUXを意識することでユーザーにとって「使いやすいサイト」になりますし、それがサイトの利用促進や目的達成(購入や申込みなど)につながります。
求人サイトがユーザーにとって使いやすいサイトになっているかどうか、自分自身ではわからないと思います。そういう時は友人知人に頼んでテストしてもらいましょう。
JOB-PLACEも外部業者に依頼して何度も動作テストを重ねました。それでも完璧ではないと思いますし、最終的にはご依頼いただくお客さまとの調節になると思います。
ですので、絶えず「求人サイトの使い勝手」を意識して運営していくことで、日々改善を図ることができますし、企業からの求人掲載依頼にもつながります。
常に新しい求人情報が掲載されている
いつまでも古い求人情報が掲載されているような求人サイトは、企業も求職者からも敬遠してしまいます。ですので、掲載期限を決めて可能な限り古い求人情報が表示されないようにしましょう。
求人情報が古いということは人気がないサイトの証拠であり、サイト運営者が積極的に営業活動(更新作業)をしていない証拠でもあります。そのようなサイトを誰が利用したいと思うでしょうか。
また、人に対する印象ばかりか検索エンジンにも敬遠されてしまいます。更新がないサイトと認識され、マイナス評価を受けたり、検索結果の順位が下る可能性もあります。
「そんなことを言っても新規求人サイトの場合は求人情報も少ないし、採用が決まらないと変わらないじゃないか!」と思われるかもしれません。確かにその通りですが、工夫次第で新しく見せることも可能です。
例えば特集ページを作成して、特集毎に求人情報を分類してはいかがでしょうか。職種別・地域別・季節別・給与別・福利厚生別など、様々な条件で分けることができます。
特集ページだけでなく、「企業インタビュー」や「企業のお仕事紹介」などでアピールしてもいいでしょうし、それがコンテンツとしてサイト内の情報にもつながります。
人材が見つからずにずっと掲載しているような求人情報であっても、募集要項の内容(タイトルや仕事概要の説明文など)を定期的に変更することで、更新している印象を与えることが出来るでしょう。
そうした定期的な更新作業を行うことで、企業に対しても「ここは自社の求人の為に頑張ってくれている」と印象づけることができます。しばらく人材が見つからなくても大目に見てもらえるのではないでしょうか。
運営者の存在が見える
Eコマース(ネットショッピング)と同じで、運営者が誰かわからない求人サイトでは企業も不安で求人掲載の依頼ができません。
当サイトもそうですが、有料でなにかWebサービスを行う場合は、「特定商取引法に基づく表記」に関するページや、販売者を紹介するページ(運営者情報、会社概要など)は必要です。
しかし、それだけでは不十分です。ただデータとして運営者情報が公開されているだけでは、本当にその運営者は存在するのか?きちんと対応してくれるのか?不安に感じてしまいます。
特にあなたが個人事業主や起業したばかりであるなら尚更です。「本当にここで依頼しても良いのだろうか・・・」と不安に感じ、せっかくアクセスしてもお問い合わせすら無く去ってしまいます。
当方で運営するR-STUDIOというWebシステム販売サイトでも、サイトを見た後に事業用サイト(Rd-II)にアクセスし、事業者のプロフィールを確認するユーザーが多いです。
ですので、可能な限り求人サイトとは別に事業用のサイトがあった方が良いです。無料のホームページ作成サービスで作ったサイトでもWordPressの設置でも構いません。内容も会社概要が中心の簡素なもので良いです。
独自ドメインがあって、事業者専用のサイトが別にあることで、運営者の存在が確認できるようになります。企業の担当者としても、「ここが求人サイトを運営しています」と上司に伝えやすくなります。
仮に事業用サイトを作っていないとします。その場合は、求人サイト内で情報発信を行うようにしてください。ブログや記事投稿機能を使って、「どんな人が運営しているか」という様子を見せるのです。
専門的な話や詳しい情報でなくても構いません。写真や動画もあれば良いですが無くても構わないでしょう。とにかく定期的に更新して動いている、運営者が実在しているという印象を与えることが大事です。
そうすることで無機質な求人サイトというものに人のぬくもりを感じさせることができます。それを感じることができれば、企業も「ここの求人サイトで話を聞いてみよう」と思ってくれるようになります。
まとめ
求人サイトは情報がすべてです。新規求人サイトでもユーザー(求職者や企業)が必要とする情報を正しく公開していることで、構わず利用してくれるようになります。
ただ、会員数も求人数も少ない新規求人サイトがいきなりWeb上から求人掲載依頼を受けるのは至難の業です。サービス内容に関するお問い合わせすら受けるのは難しいかもしれません。
しかし、何もWeb上からの求人掲載依頼が全てではありません。自身で営業活動を行う場合でも今回説明したような条件やポイントは重要になるのです。
営業活動で顧客となる企業があなたのビジネスに興味を持ったとしても、求人サイトにアクセスして使いづらかったり、情報が古かったり、運営者がよく分からない場合は、掲載を見送ることでしょう。
ですので、営業活動の成果を確実にするためにも、今回ご紹介したような点をしっかり行うことが重要です。営業活動と並行してサイト更新をするのは大変かと思いますが、可能な限り意識して行動していただければと思います。
以上、求人広告の掲載依頼が来やすい求人サイトの条件について説明しました。どれも当たり前のことかもしれませんが、大変重要な点であり、運営者が見逃しやすい部分でもあります。
既に求人サイトを運営している方は、ぜひ今回説明した内容を見直していただければと思います。その上で、改めて企業が求人掲載しやすい求人サイトになっているか検証してみてください。