8月はお盆休みで夏季休業の企業が多い中、お盆休みを返上して、大学生向けのインターンシップ(就業体験)を実施した企業が増えていると話題になっています。
参考:お盆休み返上で大学3年生対象のインターンシップ | NHKニュース
経団連の方針により、8月から採用面接が始まるようになったため、会社のお盆休みを返上してでもインターンシップを実施し、会社への理解を深めてもらうというのが狙いのようです。
客観的に見ると「お盆に休めない人事担当の人は大変だな…」と感じたのですが、そこまでしないと良い人材が獲得できないという危機感の現れでもあると思います。
このニュースを見る限り、今後もインターンシップを導入する企業が増えてくると思います。とすれば、企業と人材を結ぶ役割を持つ求人サイトの需要も増えるのではないでしょうか?
というわけで今回はインターンシップに関する考察とともに、求人サイトでどうインターンシップを活用するか?についても説明したいと思います。
インターンシップの特長
インターンシップは大企業だけの制度かと思いがちですが、そんなことはありません。会社の規模は関係なく、どんな業種・業界でも「就業体験をする」というのはより良い人材を獲得する上でも大事なことです。
就業体験をしてもらうことで面接や書類上では見えない、社会人としての資質を見極めることができます。特にコミュニケーション面は働いてみないとわからない部分もあるでしょう。
実際に就業体験をしてもらい、「どんな会社なのか?どんな仕事をしているのか?」を肌で感じてもらうことで、求人情報では伝わらない”実態”を見てもらえます。
たとえ給与や募集条件が他より低かったとしても、就業体験を通して仕事の魅力ややりがいを感じとってもらえれば、正式な応募や入社につながるのではないでしょうか。
また、インターンシップを実施するのは何も企業側のメリットだけではありません。冒頭のニュース記事にもある通り、学生が就職活動を行う上でもメリットがあります。
記事内の就職活動に詳しい専門家によると
インターンシップは学生にとって就職活動に向けたウォーミングアップの意味がある。いろいろな業界や自分自身の興味を知らずに就職活動に突入しても、ここなら頑張れるという就職先を見つけるのは難しいので、その手前で学んでおきたいという欲求が高まっている
とのこと。確かにその欲求は高まっていると思います。入社した後に「実はブラック企業だった」「自分に合わなかった」となっては長続きしません。いくら志望していた会社でも、実際のところ働いてみないとわからないのです。
ですので、複数社の就業体験を受けて、仕事内容や社内の雰囲気が自分に合うか試してみるのも大事だと思います。学生にとって新卒というのは最大の武器になるので、可能な限り後悔しない選択をしてほしいものです。
インターンシップ専用の求人サイトとは?
インターンシップは企業にとっても学生にとってもメリットがある制度だというのがわかりました。インターンシップ自体は以前からありますが、インターンシップ専用の求人サイトはあるのでしょうか?
検索エンジンで「インターン(インターンシップ) 求人サイト」で検索すると、いくつかヒットしました。その中で筆者が見て良さそうだと感じる求人サイトをご紹介したいと思います。
キャリアバイト
日本最大級のインターンシップ募集を目的とした求人サイトです。大学生を対象に、就職活動に役立つ・成長できるインターン情報が満載です。ほとんどの求人情報は有給のインターンシップなのも魅力ですね。
サイト構成は一般的な求人サイトのように、地域や職種などの条件で検索し、求人情報を探す形になっています。その後の求人応募も一般的な求人サイトと同じような流れです。
企業インタビューやコラムも充実しており、インターンを希望する人にとって参考になると思います。また、スカウトや相談会・セミナーなどもあり、まさに「インターンに特化した求人サイト」です。
インターンバイト
学生の成長を応援する有給インターンに特化した求人サイトです。「インターン応援金」といって、採用されたら報酬を貰えるのが特長です。求人サイトのお祝い金のような仕組みですね。
インターンバイトも一般の求人サイトのような構成で、地域や職種の検索があり、検討中リストや「最近見た求人」などがあります。デザインも機能もJOB-PLACEとよく似ていると感じました。
コラムではインターンに役立つ情報を定期的に後悔しています。「お得情報」や「基礎知識」、「アドバイス」などがあります。こちらも当サイトの運営ブログのような構成ですね。
JEEKインターン
インターンシップを通じて「成長したい・社会経験を積みたい」と思っている学生を対象に、IT業界やコンサル業界などのインターン求人情報を多数扱っています。
JEEKインターンは他のサイトと比べて、”求人サイトっぽさ”は低いかもしれません。情報コンテンツに力を入れており、「インターンの経験をどう就活で活かすか?」というような記事が多くあります。
また、インターンバイトのように採用時のお祝い金(こちらは勉強支度金)が貰えます。3000円分のAmazonギフト券が貰えるとのことで、書籍購入などに利用できそうですね。
ゼロワンインターン
長期インターンに特化したインターンシップ情報サイトです。長期(3ヶ月以上)を目安としており、インターンシップを頑張るとインターン先の社長から推薦状を書いてもらえるのが特長のようです。
サイト構成もシンプルでわかりやすく、今回ご紹介したインターンシップ求人サイトでは唯一のレスポンシブデザインでした。文字数は多めですが、見やすくまとめられていると思います。
キャリアインターン
長期インターン、短期インターン、1Dayインターンなど、様々な期間に対応したインターンシップ求人サイトです。人材派遣でおなじみのパソナが運営しています。
人材派遣サービスのサイトと比べて、イラストをふんだんに使っており、やわらかく、親しみやすい印象を受けます。インターンシップを充実させるためのノウハウ集も便利だと思います。
インターンシップ向けの求人サイトを構築するには?
上記で有名なインターンシップ系求人サイトを5サイト紹介しましたが、どれも一般的な求人サイトと遜色ない構成になっています。誤解を恐れずにいうと、「扱う求人情報の募集条件が違うだけ」のようにも感じます。
ですので、インターンシップ向けの求人サイトを構築したい場合、特に変わった機能や要素は必要ありません。当方のJOB-PLACEでもインターンシップ向けのサイトを作ることは可能です。
ただ、インターンに関する認識や知識はまだまだ浸透していないと思いますので、「インターンはこういうものだよ」「当サイトはこういうインターンを推奨しているよ」といった情報コンテンツは欠かせように思います。
スカウト機能、お祝い金、イベント情報(セミナー)などのコンテンツを採用している求人サイトもありました。これらも一般的な求人サイトと同じような使い方が出来ると思います。
まとめ
既にインターンシップ向けの求人サイトはいくつもあるものの、客観的に見るとまだまだ発展途上のように感じます。一般的な求人サイトと同等であると感想を述べましたが、言い換えるなら「独自性に欠けている」とも言えます。
インターンシップ=就業体験なのですから、ネット上で体験できることもあると思います。特にIT/Web系の企業ならネットで何かを作ってもらったり、試してもらうことも出来るのではないか?と感じました。
また、ほとんどが学生(大学生)向けですが、学生ではない、社会人や主婦の方がインターンを受けても良いと思います。転職活動の一環としてインターンを受けるのです。
国でそのような職業体験を斡旋していることはありますが、民間企業では少ないのではないでしょうか。(筆者が見つけられないだけで、そういった求人サイトもあるのかもしれませんが…)
インターン=将来的な正社員を探しているという見方もできますが、アルバイトでインターンとして就業体験しても良いと思います。飲食店や小売店などは実施しやすいと思うのです。
キャバクラやラウンジなど夜の仕事では「体験入店」という制度があります。試しに入店してみて、やっていけそうなら正式に働くと言った制度ですが、夜の仕事以外でこの制度を導入しているところはあまり見ません。
筆者が働くWeb業界もそうですが、「働いてみないとわからない」ことはままあります。いくら技術や経験があっても、職場の雰囲気に溶け込めるか、やり方を遂行できるかは実際に入社しないと不透明です。
ですので、正規雇用の前に”お試しで働く”ことができるインターンシップは大変良い制度のように感じます。もっと幅広い業界・業種・雇用形態で増えてほしいと思います。
これからインターンシップ系求人サイトはどう変わっていくかも注視しつつ、お客さまからご希望された時に提案できるようにしたいと思います。そしてJOB-PLACEのサービスにも反映できるようになればと思います。