求人サイト構築や求人ビジネスをお考えの方は、始めに「どんな求人サイトがあるのか?」を調べると思います。検索エンジンで検索し、自分の好みに合った求人サイトをいくつか探すことでしょう。
その時、あることに気づくのではないでしょうか?それは「求人サイトのデザインはシンプルだ」ということです。当サイトのようにトップページに目立つ画像もなければ写真や動画を多用することもありません。
最近のWebデザインのトレンドは画像やイラストを大きく使い、アニメーションを多用するサイトが増えています。ですので、動きの少ない求人サイトのデザインは面白味に欠けると感じる方も多いのではないでしょうか?
しかし、求人サイトのデザインにも通常のWebデザインと同じように”基本”があります。既存の求人サイトはその基本に則ったデザインをしており、他のサイト形態と求められる要素が異なるだけなのです。
なにより、求人サイトの目的は「求人情報を見せる」ことです。求職者が正しく求人情報を把握できるデザインにするのが第一であり、エンターテイメント系サイトのように派手な演出は必要ありません。
面白みに欠けるかもしれませんが、基本を重視するのは何事においても大事です。特にはじめて求人サイトを運営する場合、基本に忠実なデザインである方が閲覧率も高まるでしょう。
そこで今回は「求職者に伝わる求人サイトのデザイン」というテーマで、求人サイトデザインの基本や考え方についてご紹介したいと思います。求人サイトのデザインについてお悩みの方はぜひご参考ください。
ターゲットを明確にする
求人サイトに限らず、どんなデザインを作成するときも、まず最初に「ターゲットを明確にする」ことが大事です。ターゲットを明確にすることで、デザインが作りやすくなります。
男性向けなのか女性向けなのか、若者向け(10代・20代)なのか、中高年向け(40代・50代)なのか、アルバイト情報を多く扱うのか、転職情報が中心なのかでも異なります。
「18歳~65歳を対象にし、アルバイトも正社員も派遣も区別なく扱い、男女問わず誰でも利用できるような求人サイトにしたい」という場合もあると思います。
それはそれで間違いではありません。幅広い層を対象とするのも求人サイトでは有りだと思います。俗に言う「総合求人サイト」ではそういったターゲットにする場合もあるでしょう。
ただ、「その中でも特に重視したいターゲット」を意識することで、よりデザインが作りやすくなりますし、求人サイトの主旨や目的が伝わりやすくなります。
ですので、可能な限りターゲット決めて、そのターゲットに訴えかけるようなデザインにするといいでしょう。
レイアウトは2カラムが基本
求人サイトのデザインでよく採用されるレイアウトパターンがあります。それは2カラムと呼ばれるレイアウトです。(上記画像を参照)
人の目線は左上から右下に流れます。ですので、左側に文章が中心の情報コンテンツを配置し、右側にリンクやナビゲーション、バナーなどを配置すると読みやすくなり、サイト操作が楽になります。
特にはじめて求人サイトを構築する場合、情報量が少ないので2カラムレイアウトが適切です。求人数や企業数が増えた時に3カラム(左右に操作メニューが有る配置)などにすると良いでしょう。
なお、レイアウトを考える時はレスポンシブデザインにするか否かも重要になります。PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などで閲覧した時に、見やすい配置に変換できるレイアウトが求められます。
当サイトもレスポンシブデザインですが、レイアウトは1カラムと呼ばれる、左右にメニューが付かないパターンです。しかし、この運営ブログやよくある質問は情報量も多く、操作性の関係から2カラムにしています。
ですので、求人サイトのレイアウトを考える時は「どのくらいの情報量になるか?」を意識してレイアウトを決めると良いでしょう。
配色の基本は青
求人サイトはテーマで言うと「ビジネス」に該当します。ビジネス系サイトでよく利用される配色は青系になります。当サイトもBtoBを対象としたビジネス系サイトですので、青系にしています。
青は信頼や清潔感を与える色です。また、「静寂」や「落ち着き」と言った印象を与える色でもあり、文字が中心の読み物系サイトではよく使用されています。
青と言っても明るさやコントラストによって受ける印象は異なります。濃い青の場合は「堅実」や「格式(フォーマル)」な印象を抱くでしょうし、水色のような薄い青は「爽やか」や「涼しい」印象を抱くでしょう。
求人サイトがどの層をターゲットにするかで異なります。ターゲットによって適切な配色をすることで、求人サイトの主旨や目的を適切に伝えられるようになります。
メインカラーが青系の求人サイト
それではメインカラーを青系にしている求人サイトをいくつかご紹介します。色をご紹介するために、2017年9月7日時点での各サイトのサイトキャプチャーを引用としてご紹介します。
ご覧のように同じ青でも対象とするターゲットにより異なります。転職系の求人サイトは濃い青を使うことが多く、アルバイトや派遣型の求人サイトは薄い青(水色)を使う傾向があります。
青は清潔感・信頼性・安心を与える色であり、ビジネス向けのサイトでよく使用されています。求人サイトもビジネス用途で使われるため、デザインに青を使うのは無難な選択と言えるでしょう。
業種や地域によって色を変える
もちろん、定番だからといって青にこだわる必要はありません。求人サイトでターゲットとする業種や地域によって適切な配色というものがあります。
例えば、美容系の求人サイトの場合、女性をターゲットにすることが多いので、赤やピンク系の色にしています。
キレイビズの場合「かわいい」ではなく「綺麗」をテーマにしているため、大人の女性を意識しており、ビビッドな赤やオレンジというよりは、ベージュ系の配色を多く取り入れています。
また、地域限定の求人サイトを作る場合、その地域のイメージを想像できるような配色にすると効果的です。筆者が住む大阪は「赤」や「黄色」をイメージする人も多いのではないでしょうか?
「各都道府県のカラーイメージと連想イメージ」というサイトでは地域別に連想される色をまとめていますので、こちらを参考にするのも良いでしょう。
イラストや写真は多用しない
Webデザインを作成する時にイラストや写真を使うと見栄えが良くなります。素材のクオリティが高ければ高いほどそのサイトのイメージを強調付け、ユーザーの印象に残ります。
しかし、求人サイトではあまりイラストや写真を多用するべきではありません。なぜなら求人情報(企業イメージ)に悪影響を与える可能性があるからです。
例えば女性の写真を多く使うと、「ビジネスウーマンを対象とした求人サイトだな」と印象づけることはできますが、そのサイトで掲載されている企業は女性が多いと錯覚する恐れがあります。
あるいはポップでかわいいイラストを多用すると女性や若者向けには良いかもしれませんが、「幼さ」や「柔らかさ」が出てしまい、転職系のサイトには向かないかもしれません。
会員登録の募集や特集ページで写真を使用したり、ボタンやアイコンなどでイラストを使うなど、あくまでワンポイントの使用に留め、あまり多用しないことをオススメします。
文章が読みやすい文字サイズ・間隔を意識する
求人サイトは求人情報にある募集要項(仕事内容や応募条件)を読ませ、求職者に企業の希望を正しく伝え、求人応募につなげなければいけません。そのためには文字の大きさ(サイズ)や間隔(行間)を意識する必要があります。
文字が大きすぎても読みづらいし、小さすぎると目が疲れます。行間や文字間隔に対しても同様です。適切な文字サイズ・間隔を意識し、ユーザーに負担を掛けないようにするのが調節するのが大事にあります。
まれにタイトル部分などの文字を大きくして目立たせたいと要望されることがあります。もちろん、タイトルと本文を区別するようなサイズにする必要はありますが、過度に大きくするのは禁物です。
Webサイトはパソコン、スマートフォン、タブレット端末等、閲覧する人の環境で大きく見え方が異なります。自身のモニタでちょうど良くても、他の人にとっては大きすぎたり、小さすぎたりする場合があります。
ですので、自分の環境に合わせるのではなく、一般的でオーソドックスなサイズにした方が無難です。デザイン作成する方は、可能な限り複数端末で確認し、違いを意識しましょう。
詰め込みすぎに注意する
デザインを作成するとどうしても隙間(空白)が気になります。しかし、文字サイズの項目でも述べたとおり、ユーザーの環境によって見え方が異なりますので、詰め込みすぎるのは危険です。
画像やブロックを配置する時は上下左右の余白を意識し、文章を書く時は2、3行で改行するようにしましょう。(レスポンシブデザインの場合は改行位置を調節できないため、その限りではありません)
また、求人情報の募集要項は表示項目が多く、文章も長くなりがちです。上と下の項目で字続きになっていないか、誤解されないよう構成になっていないかなど、意識する必要があります。
基本的には求人情報を登録する企業におまかせすると思いますが、新しく求人情報が登録された際は、可能な範囲で確認するようにし、読んで違和感を感じない文章構成になっていないかチェックしましょう。
求人情報の文章構成を意識するだけでも、求職者に対する反応率が変わってくると思います。
デザインに意味をもたせる
求人サイトのデザインを作成する時は、デザインに意味を持たせるようにしてください。単純に「かっこいいから・かわいいから」ではサイトの実像が見えなくなり、何をするサイトかわからなくなってしまいます。
派手でインパクトのあるデザインは見栄えがするし、クライアント企業に注目してもらえるかもしれません。しかし、求職者(ユーザー)にとっては、目が疲れたり、情報を探しにくかったりするような、負担を強いる可能性があります。
求職者に避けられるようなデザインを作るのは本末転倒です。デザインを作成する時は「誰のためのデザインなのか?」を考え、どうしてそのデザインにするべきか?をデザイナーと話し合ってから決めましょう。
求職者が好むデザインを作成することができれば、サイトの集客は増加し、会員登録や求人応募も増えていきます。結果的に、運営者やクライアント企業の利益にもつながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。できるだけ専門的な話を避けてご紹介しましたので、Webデザイナーでない方でも参考にしていただけたのではないでしょうか。
Webに限らずデザインは人それぞれ好みがあります。しかし、今回ご紹介した基本を抑えていただければ、大きく外れることはないでしょう。
ぜひ求人サイトのデザインを作成する時は「ユーザーの目線に立ったやさしいデザイン」を心がけていただければ幸いです。