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敬老の日に考えるシニア向け求人サービスの可能性

敬老の日に考えるシニア向け求人サービスの可能性のイメージ

本日、9月18日は敬老の日です。長年、社会のために尽くしてきた高齢者を敬い、長寿を祝うことを趣旨とした祝日です。家族に高齢者がいる方は、日頃の感謝をお伝えください。

ところで、敬老の日ということを通して、日本社会の課題である「少子高齢化をどうするのか?」ということを改めて考えなくてはいけない日だと思います。

筆者もこの運営ブログを書いていくに辺り、人手不足や少子高齢化の話題を度々出しており、関心が高いテーマです。しかし、普段はなかなかシニア世代のことについて考えることがありません。

そこで、今回は敬老の日を通して「シニア世代(65歳以上)の働き方」を考えるとともに、シニア世代向けの求人サービスなどを考えていきたいと思います。

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シニア世代も働きたいと思っている

シニアと言えば「縁側に座ってお茶を飲みながらゆっくり過ごす」と言った定年退職後の姿を想像するのは昔のことです。今はシニア世代でも活動的な方が多く、働きたいと思っている方も増えています。

内閣府が発表した「平成29年版高齢社会白書」にある「高齢者の就業」という資料によると、「働けるうちはいつまでも働きたい」と考える高齢者が約4割いたそうです。

参考1:平成29年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) - 内閣府

参考2:高齢者の就業(PDF形式)

70歳くらいまでもしくはそれ以上との回答と合計すれば、約8割が高齢期にも高い就業意欲を持っている様子がうかがえる

このような記述があることから、シニア世代の多くで就労意欲があると読み取ることができます。高齢者の雇用情勢も回復傾向にあると書かれており、働けるなら働きたいと考える方が増えても不思議ではありません。

筆者の父親も70歳とシニア世代ですが、今でも働いています。定年退職した会社で再雇用を受け、アルバイト契約で働いています。上記の調査結果のように、体が動くうちは働き続けると言っています。

適度に働くことは収入につながるばかりか健康にも良いです。頭を動かすことで認知症予防になり、体を動かすことで生活習慣病予防にもなります。健康体な人が増えることで、社会保障費を抑制することにもなります。

働きたいシニア世代が多いのなら、そこにビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?そして働くためには仕事を探す必要があるわけですから、求人に関連したサービスの必要性も生じることでしょう。

ただし、いくらシニア世代が働きたいと思っていても、雇用してくれる企業がなくては働けません。若年層と比べてどうしても体力的に落ちますから、就職活動で不利です。

果たしてシニア世代を雇用したいと考えている企業はどのくらいあるのでしょうか?

シニア世代を雇用する企業が増えている

上記でご紹介した資料「高齢者の就業」によると、定年退職を迎えた方の継続雇用は7割近くあるそうです。雇用形態こそ正社員以外(契約社員やパートなど)が多いものの、継続雇用している企業は多い印象です。

また、同一資料に「高齢者の雇用情勢は改善傾向」とあるように、就業者も増えているようです。これは昨今の有効求人倍率の上昇と、人手不足が影響しているのもあるでしょう。

シニアを雇用する流れは大企業を中心に増えています。現在、クルー体験会を行っているマクドナルドも、シニアクルーと言って、シニア世代を積極的に採用しています。

参考:マックのクルー体験会 | アルバイト情報 | 日本マクドナルド株式会社

大手コンビニチェーン店であるローソンも、60歳以上のアルバイト店員がこの4年間で約70%増え、シニア世代に支えているというニュースがありました。

参考:コンビニ:シニア店員が支える…ローソン、4年で70%増 - 毎日新聞

このように人手不足を理由にシニア世代まで雇用を拡大している企業が増えているのです。この流れは大手だけではなく、中小・零細企業にも波及していくでしょう。

シニア世代の就職活動とは

シニア世代の就職活動と言えば真っ先にハローワークでの求職支援が考えられます。ハローワークにはシニアコーナーというものがあり、シニア向けに就職活動をサポートしています。

参考:シニアコーナーのご案内 | 大阪ハローワーク

仕事の斡旋だけでなく、履歴書の書き方や職務経歴書の作成についても支援してくれるそうです。しばらく就職活動をしてこなかった人にとっては助かるサービスとなります。

ただ、窓口は限られていますし、相談人数が多いとなかなか相談できないかもしれません。やはり利便性の面から自宅にいながら就職活動ができる求人サイトは便利です。

では、シニア向けの求人サイト・求人サービスというものはどれくらい存在するのでしょうか?

シニア向けの求人サイトをご紹介

シニア世代を対象とした求人サイトももちろん存在します。数が多いわけではないものの、しっかりと作り込んでいるシニア世代専用求人サイトがあります。いくつかご紹介します。

3サイトともデザイン幅を大きめにとり、文字を大きくし、見やすくしているのが特長です。配色も落ち着いた色を使いつつ、コントラストは強めであるため、視力が弱くなった方も視認しやすいのではないでしょうか。

「OVERAGE」と「シニアジョブ」はレスポンシブデザインで作成しているのも良いですね。シニア向けのスマートフォンも増えてきましたので、それに対応した形になっています。

その他、シニア向け専用サイトではないものの、特集ページのような形でシニア向け専用コンテンツを用意している求人サイトもあります。

このように既存の求人サイトでもシニアを意識したコンテンツやサービスを提供しています。Webの世界でもこの流れは今後ますます増えていくと予測されます。

シニア世代はIT機器に弱い?

シニア向け求人サイトが既にいくつかあることはわかりました。ただ、客観的に考えるとやはり「シニア世代が求人サイトを使いこなすのは難しい」とも思います。

電車内でスマートフォンやタブレットを操作しているシニア世代を見かけることが増えましたし、対応した製品も続々発売されています。しかし、操作が難しいという声もよく聞きます。

筆者の父親はもとより、高齢者が多い親戚を見ても、IT機器を使いこなせている人はいません。携帯電話もガラケーを使っている方がほとんどです。自宅でインターネットをしている人も少ないです。

これは筆者の身近だけではなく、世間的な実態としても当てはまるのではないでしょうか?シニアの方は若年者と比べてどうしてもIT機器の操作に疎くなりがちだと思います。

ましてや求人サイトのように、会員登録をして履歴書を作成したり、求人情報を検索して求人応募するような操作まで行える人はかなり少ないのではないでしょうか?

使える方がいるのは確かですが、相対的に見ると他の世代と比べて少ないのも事実です。ですので一概に「シニア向け求人サイトを作れば良い」とは言えません。

ただ、こちらについては時間が解決するように思います。以下の記事によると、シニア世代のスマートフォン所有率は年々増えているようです。

参考:2017年シニアのスマートフォン利用に関する調査 - MMD研究所

スマートフォンでネットショッピングやSNSを利用している方も多く、今後も増えていくことが予測されます。これらを使えるなら、求人サイトの利用も問題ないでしょう。

製品やサービスを提供する側も一概に「シニア世代だからITは苦手」だと思わずに、シニア世代も前向きに勉強されていると認識した上で、サービス展開したほうが良いかもしれません。

それではシニア向けの求人サイト・サービスを作りたい場合、どうすれば良いのでしょうか?

シニア世代向け求人サービスを作るには

筆者はいつも求人サイトを構築する場合を想定したアイディアを紹介しているのですが、求人サイトに限定するとアイディアが限られてしまうかもしれません。

そこで今回は求人サイトよりも広義である、「求人に利用できそうなWebサービス」について考え、良いと思ったアイディアをご紹介したいと思います。

■シニア向け転職エージェント

求人サイトを使いこなせなくても、転職エージェントのような専門家に相談して就職活動を行うことができます。(ハローワークがそもそも転職エージェントのようなものですからね)

そこでシニア向け転職エージェントを作るのはどうでしょうか?シニアを積極採用している企業と仲介し、定年後のセカンドキャリアをサポートします。

シニア求職者も細かい履歴書作成や職務経歴のデータ入力をする必要が無いので、IT機器が苦手でも大丈夫です。エージェントタイプの求人サイトであれば、利用しやすいように思います。

■動画で就職支援

動画は文字の情報よりも視覚的に判断できるので分かりやすいです。最近は求人サイトでも動画で職場を紹介し、求人情報をアピールする企業が増えてきました。

求人サイトで求人情報や募集要項をアピールする代わりに、企業名と企業の画像だけ表示して、スマートフォンからタッチするだけで再生するような動画サイトがあれば、操作もかんたんで分かりやすいと思います。

求人サイトにこだわらずに、単純に就職方法を説明する動画でも良いと思います。「シニア世代を雇用する企業が増えている」の項目でご紹介したマクドナルドのように、シニアの方が感想を語っている動画でも良いでしょう。

シニアの方も同じシニア世代の方が動画で語るほうが聞き入れやすいと思います。それを見て「自分もまだまだ働ける!」となるかもしれません。

■アプリと連携してAI形式で就労先を紹介

スマホアプリには行動や生活習慣を記録するアプリがあります。そのようなアプリを作り、AIが行動分析をして就労先をプッシュ通知するというのはどうでしょうか?

AIで行動分析と言っても難しい話ではありません。何時に起きて何時に寝るとか、1日にどのくらい歩いているのかや、どのくらいメールやメッセージを送っているか調べられれば十分だと思います。

行動量が多い方は肉体労働が可能だとして工場の作業員を勧めたり、朝4時起きの方にコンビニの早朝アルバイトを勧めたり、メールを多く送信している方にはライティングの仕事を勧めることもできるでしょう。

まだ技術的にここまでできるアプリやAIは無いと思いますが、将来的にこのような物ができれば面白いと思います。シニア世代に限らず、求人サイトにプラスアルファしたサービスが提供できます。

■シニアのベビシッターサービス

ベビシッターを仲介するサービスがありますが、それのシニア版です。子供を他人に預けるのに不安という方も、お爺さん・お婆さんなら預けやすいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

シニア世代なら子育ても終了していますし、経験豊富です。乳幼児であれば体力もそれほど必要ないので子守をしやすいと思います。不意のトラブルが起きた場合も、対処してくれるのではないでしょうか。

あるいは保育士のような形も面白いかもしれません。老人ホームと保育園を併設した介護サービスが話題になりましたが、健康なシニアが労働者として働くことで、保育士の人手不足を補うことができます。

このようにシニアならではの知識・経験を活かした職種であれば、年齢を気にすることなく、人材サービスに反映できます。

■シニアを対象とした短時間労働のビジネスマッチング

仕事を依頼することができるビジネスマッチングサイトは多くありますが、それをシニア限定にしたサービスです。短時間労働のみにすることで、体力面に不安があるシニアでも活躍することができます。

筆者の叔父も70を超えるシニアですが、フリーランスのような形で水道工事をしているそうです。組合から依頼されて現場に出向き、水道管を直したりするそうです。

工事は1時間とか2時間とか短時間労働になることが多く、自分のペースで働けるとも言っていました。フリーランスなので体調が悪い時は休むこともできます。

手に職を持っているシニアの方も多いですから、引退された後でも働いていただけるなら、ぜひその技術を活かしていただ期待と思いますし、需要があると思います。

まとめ

今の日本は年金や将来の社会福祉に対する不安が日々ささやかれています。年金を貰える年齢が70歳以上に引き上げられたり、少子高齢化で将来世代の負担も大きくなり、まともな社会福祉を受けられないかもしれません。

そのような不安がある中でシニア世代の就労を考えるのは大変重要なことではないでしょうか?もし、シニア世代の就労状況が改善されれば私たち現役世代にもメリットがあるのです。

人は必ず老いるわけですから、自身が老いた時に働ける環境があることで、前向きにチャレンジできるようになります。もし、リストラや病気などのトラブルがあっても働ける場があることで頑張れるようになります。

まだまだ日本の求人は若年層を中心とした募集が多いのが現状です。しかし、中高年・シニア世代と、年配者も活躍できる場が増えることで、新たな雇用改革につながるように思います。

敬老の日を通して、自身がシニアになった時にどんなサービスがあれば良いか?どんなシニアになりたいか?を考えるだけでも、有意義であると思います。現役世代の方はぜひ考えていただければと思います。

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