ノウハウ

求人サイトも古くなる?リニューアルやメンテナンスが必要な理由

求人サイトも古くなる?リニューアルやメンテナンスが必要な理由のイメージ

ホームページはインターネット上のデータにすぎないので、劣化しないと思っていませんか?作成してから全くリニューアルやメンテナンスをせずに運営し続けているサイトは多いです。

確かに「モノ」として考えた場合、データが劣化することはありません。(※データを保存しているサーバーはコンピュータですので、モノとしての劣化や消耗はします)

しかし、インターネット上のデータを「情報・知識」として考えた場合、古くもなるし劣化もします。いつまでも運営当初のままだと情報の価値が下がり、次第に利用者がいなくなるのです。

だからサイトは更新作業を行わなければいけないし、常に新鮮な情報をユーザーに提供するように心がける必要があります。求人システムを使うなら定期的なリニューアルやメンテナンスは欠かせません。

そこで今回は「なぜ求人サイトでリニューアルやメンテナンスが必要なのか?」について説明したいと思います。

目次[非表示]

見慣れたサイトは飽きる

まず根本的な理由としてユーザーはずっと同じサイトのままだと飽きます。求人サイトは情報提供が主になるサービスですが、デザインやシステム(機能)がずっと同じままだと次第に飽きられます。

もちろん、ずっと同じことで”安心感”を与えることはできます。どこになにがあるかすぐに認識できるので、リピーターが訪れても操作に困ることは少ないでしょう。

また、求人サイトはユーザーの入れ替わりが激しいサイト形態でもあります。基本的に働き先が見つかれば利用することはないので、同じユーザーが何度もアクセスすることはないでしょう。

しかし、何年も同じ見た目・コンテンツのサービスを提供していると、「成長がない」とみなされ、利用者は減ります。いくら情報を蓄積しても、見た目や内容が変わらないことには成長を感じ取ってもらえません。

以前利用していた人が再びサイトを訪れた時も、見た目が全く変わらないと「今も運営しているのだろうか?」と不安になります。当時の記憶がなくても潜在意識として残っているのです。

また、見飽きるのは利用者だけではありません。運営者や運営スタッフも同様です。ずっと同じ見た目でずっと同じ機能のサイトをずっと同じように運営していくと飽きます。怠惰して運営がおろそかになる可能性が高まります。

ですので、何年かに1回はリニューアルを行い、見た目(デザイン)から変えていく必要があります。見た目が変わることで変化を感じ取ってもらいやすくなります。また新鮮な気持ちでサイト利用することができるのです。

求人情報は新鮮さが大切

求人情報はその時に企業が必要とする人材を表すものになりますから、情報は常に新鮮でなければいけません。掲載期間を設定し、期間内で募集を受け付けることで、常に新しい情報がサイト上に表示されるようになります。

しかし、いつも同じ求人情報が掲載されている求人サイトもあります。掲載期間も設定されておらず、募集内容も変わらないので、本当に募集しているか心配になります。

同じ情報ばかりだと求職者はその求人サイトから得るものはないと感じ、去ってしまいます。情報の水増しや”カラ求人”などよくない印象も受けるため、同じ求人情報にならないように気をつける必要があります。

もちろん、業務内容が変わらないので募集内容や条件に変化がないといった理由もあるでしょう。コンビニやファミレスなどアルバイトの仕事は募集内容が定着していることも多いので、情報の更新は必要ないかもしれません。

しかし、前回の募集で求人応募がないということは、その求人内容は求職者から支持されなかった証明でもあります。単純にタイミングが合わなかったことも考えられますが、求人情報を登録するたびに内容を見直した方が良いです。

たとえ募集内容や条件が同じでも、タイトルや写真を変えるだけでもだいぶ違った印象を与えることができます。文言や言い方を変えて、どんな反応が出るか試すのも面白いと思います。

新しい求人情報がサイト内で循環していくことで、いつまでも新鮮で勢いのある求人サイトを演出することができます。たとえ少ない求人件数であっても更新されていることで利用者は増えます。

求人サイトの運営者は常に新鮮な求人情報を提供するためにも、再利用・再登録をした企業に対してアドバイスを行い、情報の書き換えを求めるようにしてください。

企業情報は変更が多い

求人情報を掲載する企業の情報は変化が少ないと思っていませんか?会社名、代表者名、設立年などはほとんど変わらないでしょうが、住所、電話番号、従業員数、資本金などは変更が多いのではないでしょうか?

また、事業内容についてもずっと同じことをしている企業というのは少ないはずです。核となる事業は変わってなくても、そこから派生した事業は年々増えていくのではないでしょうか。

そこで企業情報も更新していく必要があります。通常は企業の担当者みずからが更新作業を行うと思いますが、契約の更新をするたびに確認するようにしましょう。

なお、ここでは求人情報を掲載する採用企業についてお話しましたが、求人サイトの運営者(運営企業)も同様です。運営者の情報も変化がないと運営実態が見えなくなり、利用者に不安を感じさせます。

どんな細かいことでも良いので、運営者情報に変化がある時は更新するようにしてください。

お役立ち情報は時代によって変わる

転職の仕方や面接の受け方、労働法・雇用契約の知識など、お役立ち情報を掲載している求人サイトも多いです。しかし、作成当初と現在とで認識が異なる場合があります。

労働法・雇用関連の法律は定期的に見直しがありますし、時代によって転職の仕方も変わります。以前は紙媒体中心だったのがWebに変わり、Webはパソコンからスマートフォンへと変化しています。

いつまでも情報が古いままだと誤解を与えることになります。利用者は「使えない情報を提供している」と認識し、サイトを利用しないばかりか、批判の対象になる可能性があります。

不用意なトラブルを避けるためにも、お役立ち情報は定期的に見直し、情報に変わりがないか確認するようにしましょう。

なお、お役立ち情報とあわせて「よくある質問」や「ヘルプ」などユーザーサポートに関するコンテンツを提供している求人サイトもあります。これらについても情報の追加・更新が必要です。

よくある質問に関しては、運営当初は一覧表示でシンプルな操作性にしているところもありますが、質問が増えると情報を探しづらいです。システム化して検索フォームを設置したり、カテゴリー分けが必要になるでしょう。

求人システムも古くなる

求人サイトを構成している求人システムも古くなります。求人システムで使用されているプログラム言語やデータベースなど関連するソフトウェアも時代とともに古くなります。

システムが古いからと言って直接的な問題はありません。求人システムはサーバー上で動作するアプリケーションですから、サーバーをしっかりメンテナンスしておくことで、システムが古くても稼働します。

たとえプログラムやデータベースのバージョンが古くても稼働さえしていれば基本的には問題ありません。銀行や役所のシステムなどは、安定性を考慮して何年も前のバージョンを使用し続けるのは普通のことです。

しかし、求人システムそのものが問題なくても、操作性(専門用語でユーザーインターフェースといいます)が古くて問題になることがあります。

たとえばスマートフォンやタブレット端末はここ5年ぐらいの間に活発に利用されましたが、以前のシステムだとスマートフォンに対応したシステムにはなっていないわけです。

当然、スマートフォンを利用する人にとっては古いし扱いづらくなります。求人サイトの操作性がその時代に適合できないと、どんな高機能なシステムであっても利用者が増えません。操作性だけでなく、機能面でも同様です。

ソーシャルログインといって、TwitterやFacebookのアカウント情報を会員登録で利用できる仕組みを導入している求人サイトもありますが、これも対応するSNSの問題があります。

外部サービスと連携する場合は、そのサービスが変化し、新しくなった時に対応しなくてはいけません。外部サービスは新しいのに、求人サイトは以前のままだと利用できなくなります。

ユーザーの好みは時代とともに変化しますから、求人システムもそれに対応した作りにしないと利用してもらえなくなります。逆にいえば求人システムには「変化に対応できる柔軟性」が求められます。

当方のJOB-PLACEはCMSといって、機能追加やカスタマイズを考慮した求人システムです。一般的な求人サイトを作るために数多くの機能を実装し、運営者みずから変更できるような作りにしています。

しかし、それでも完璧ではありません。時代の流れとともに必要となる機能は異なりますから、今実装されている機能や仕様だけで十分ではありません。定期的なアップデートが必要になるでしょう。

求人システムを導入して求人サイトを構築したいとお考えの方も、「求人システムはいづれ古くなる」ということを考慮した上で、どのシステムを利用するかお選びいただければと思います。

利用者が増えるとデータが圧迫する

こちらも求人システムと関係することですが、求人サイトの利用者が増えると関連するデータも増えるのでシステムやサーバー面で支障が出る可能性があります。

まず考えられるのが「アクセスログ」です。ユーザーのアクセスごとにログ(履歴)として記録していくデータです。サーバーにはもちろん、求人システムに実装されている場合もあります。

もちろん、JOB-PLACEの求人システムでもログは取得します。システムログといって、システムを利用する上で発生するログや、求人情報の登録や会員登録を行うことで発生する、データベース上のログもあります。

これらは利用者が増えるごとに肥大化していきます。肥大化すると動作が遅くなるばかりか、求人サイトにアクセスできなくなったり、最悪の場合、データの消失が発生する可能性もあります。

求人サイトは一度に大量のアクセスがあるようなサイトでもないし、求人の数も爆発的に増えるわけではないので、よほどの大規模求人サイト以外は気にすることではないかもしれません。

しかし、サーバーのリソース(資源)は限りあるものですので、無視することはできません。定期的にサーバーやデータベースを確認し、データが圧迫しないかメンテナンスする必要があるでしょう。

メンテナンスで不正を見抜く

求人サイトのような多くのユーザーが利用するサイト形態では、時として悪意を持つ人物が利用することもあります。悪意を持つユーザーは不正に求人サイトを利用しようと考えます。

メールアドレスさえあれば会員登録できる求人サイトがほとんどですから、いくつも会員登録をしてアカウントを作成し、企業から情報を得ようと求人応募する人物がいるかもしれません。

あるいは会員情報を盗もうと不正アクセスを試みたり、求人サイトに対して大量のアクセスをして負荷をかけるDDOS攻撃を仕掛けられる可能性もあります。

こういった不正利用者は求人サイトが大きくなればなるほど増えていくので厄介です。対策が面倒だからとそのままにしておくと会員や企業に迷惑がかかり、運営者は管理責任を問われます。

そこで不正利用を見抜くためにも、定期的にメンテナンスを行い、利用状況やアクセスログ(サーバーログ)に異常がないか確認する必要があります。

サーバーの確認は専門知識が必要なので、システムエンジニアに任せた方がいいですが、利用状況の確認は求人サイトやシステム上から確認できますので、技術者ではなくてもある程度把握することはできます。

不正アクセスを行う人は対象サイトを収集して自動プログラムから行います。ですので、場合によってはログインフォームのURLを変更したり、ログイン方法を変更するリニューアルが必要になるかもしれません。

求人サイトの利用者が増えると悪意ある人物も増える」と認識し、常に警戒してサイト運営を行うようにしましょう。そうすることでユーザーにとって安心できるサイトになり、信頼を獲得することができます。

まとめ

求人サイトの目的は企業の求人情報を公開し、求職者に求人応募してもらうことです。それができればデザインが古かったり、システムが少々使いづらくてもそれほど問題にはなりません。

しかし、求人サイトは人気があるWebサービスなので常に新しく生まれています。Webサービスは後発でもアイディア次第で先発に勝てるビジネスですから、いつまでも変わらないままではユーザーを奪われてしまいます。

これはサイトの規模に関係なく、すべての求人サイトにいえることです。どんな求人サイトでもなにもしないと時代の流れや変化に対応できずに衰退していくだけです。

2017年9月28日に、アルバイト求人サイト大手のジョブセンスがサイトを一新し、「マッハバイト」として生まれ変わりました。デザインは今までの青から赤に変わり、サイト名も全く違う名称になっています。

今まで「ジョブセンス」として認識があった方にとって突然のできごとであり、求人業界でも大変な驚きがありましたが、サイトを一新することに対して運営元の株式会社リブセンスは以下のようにコメントしています。

この度のリブランディングでは、企業が求職者(応募者)とリアルタイムでやり取りできるチャットツールを導入することで、応募から採用までのステップを効率化するとともに、贈呈に約2週間を要していたお祝い金を「マッハボーナス」として最短で採用翌日に贈呈できるようにしました。求職者が迅速にアルバイトを開始し、早期に経済的なメリットを享受できるようサポートすることで、マッハバイトはこれまでのアルバイト市場にない新たな価値を提供していきます。

「ジョブセンス」が「マッハバイト」へ名称変更 | 株式会社リブセンス

ニュースリリースには「新しい『あたりまえ』にご期待ください」とあるので、今までの常識を打ち破り、新しいサイトへと生まれ変わることで、サイトとして成長していきたい意欲を感じさせます。

マッハバイトだけでなく、転職系求人サイト大手の「エン転職」も12月18日にサイトリニューアルすると案内メールが来ていました。リニューアルでサービス停止するので、そのお知らせだそうです。

大手の求人サイトであっても積極的にリニューアルを行い、メンテナンスを実施していくことで、ユーザーにとって新たな価値を提供しようとしているわけです。

大手だけでなく、当方のお客さまでもリニューアルのご相談は大変多いです。現状に満足せず、常にユーザーのことを考えてサイトを進化させたい方ばかりですので、こちらも求人サイト構築に意欲を持って提案できます。

もしあなたがすでに求人サイトを運営されている場合(あるいは顧客が運営している場合)、現状を分析し、リニューアルやメンテナンスの必要性がないか検討してみてください。

あらためて自身の求人サイトに向き合うことで、何が必要で何が不要か見えるようになります。そうすることで、今後の方向性や収益アップの可能性を見出すことができるようになります。

関連記事

求人サイト運営で気をつけたい10のことのイメージ

求人サイト運営で気をつけたい10のこと

求人サイトを運営していく上で、気をつけなければいけないことがいくつかあります。特に初めてサイト運営をする方...