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求人サイト構築に関する手段とメリット・デメリットについて

求人サイト構築に関する手段とメリット・デメリットについてのイメージ

求人サイトの構築手段と言っても様々な方法があります。どれを選択するか間違えると、せっかく素晴らしい求人サイトのアイディアがあったとしても、実現することはできません。

このブログをご覧になられている方は求人サイトの構築に興味がある方だと思いますが、まだ「どんな方法で作れば良いのか?」というのは決め兼ねていると思います。

そこで今回は様々ある求人サイトの構築手段をご紹介するとともに、その方法で構築する場合のメリット・デメリットを説明したいと思います。

なお、「自分で開発して作る」というのは省きたいと思います。技術的な説明が多くなるのと、当方はあくまで求人サイト構築サービスを行っているので、サービス提供者としての意見を書きたいと思います。

目次[非表示]

Web制作を依頼して求人サイトを作る

Web制作会社やフリーランスの制作者などに、Web制作を依頼して求人サイトを構築してもらう方法です。

おそらく求人サイトを作りたいと思う方の大半は、「Web制作会社に依頼して作ってもらおう」と考えるのではないでしょうか。

主にネットで検索して求人サイト構築の実績がある業者を探したり、クラウドソーシング(ネット上のお仕事マッチングサイト)で人材を募集して制作を依頼します。

当方もJOB-PLACEを開発するまではこのスタイルでした。お客さまから求人サイトの構築依頼を受けたり、クラウドソーシング上で求人サイトの募集があると応募していました。

Web制作会社(制作者)に関する情報はネットで探すことができますし、Web制作会社のサービスを比較するサイトもあるので、業者探しに困ることはないと思います。

Web制作を依頼して求人サイトを作るメリット

専門知識に長けた制作者に依頼することにより、自分の考える求人サイトのアイディアを実現しやすくなります。技術的なことだけではなく、求人サイトの運営や集客に対してもアドバイスを貰うことができます。

求人サイトは作って終わりではなく、作った後にどう運営していくかが成功の鍵になります。もし何か問題に直面しても、自分ひとりで解決するのは困難です。

しかし、Web制作を依頼した繋がりがあれば相談できます。困ったことや気になることがあっても意見を貰うことができるでしょう。大抵の業者もそれが仕事に繋がるので、きちんと回答してくれます。

また、後から機能追加やデザイン変更をしたい場合も有効です。最初は予算が足りなくて最低限の求人サイトしか構築できなかったとしても、後から追加する事が出来るので、求人サイトの成長に合わせて投資することができます。

Web制作を依頼して求人サイトを作るデメリット

やはり「時間」と「お金」がかかるということでしょうか。Web制作は主に人件費が経費の割合を占めるので、相応の制作費が必要になります。

作りたい求人サイトの規模にもよりますが、Web制作会社の場合は100~200万円以上になることもあり、フリーランスや個人の方でも30~100万円近くは必要になるでしょう。

制作期間も最低1ヶ月は必要になります。依頼者の希望を聞いてサイト設計をし、求人システムの仕様を決めなくてはいけないので、どうしても時間がかかります。

※ただし、当方のように独自の求人システムを持ち、豊富な制作実績やノウハウがある業者であれば、時間はもっと短縮できると思います。

また、制作者毎に能力の上下が激しいという問題もあります。これはWeb制作会社でも同じです。実際に制作するデザイナー、プログラマや担当となるディレクターによって、希望通りになる場合とならない場合があります。

ですので、何かしら実績として公開されているものがない場合、「せっかく依頼したのに作れなかった」といったトラブルに見舞われる可能性があります。

こういう人にWeb制作は向いています

どのような目的で求人サイトを運営したいのか?が一種の判断材料になると思います。

会社の採用情報として使用したり、イベントか何かで短期間だけ運営するサイトなど、限定的な使用方法であれば、業者に依頼しなくても良いかもしれません。

しかし、「求人ビジネスで起業したい!」「求人サイトを作って新しいサービスを提供したい!」と考えるなら、専門知識に長けたWeb制作に依頼した方が良いと思います。

もちろん、多大なコストがかかるので予算との兼ね合いにはなりますが、専門の業者と繋がりが持てれば、ビジネスに集中することができます。困ったときも助けてくれるでしょう。

特に求人サイト構築の場合、Web制作者の中でもノウハウを持っている人(会社)が多いので、業者の対応が気に入らなくてもAの業者からBの業者に変えることが出来ます。(当方でもそのようなご相談を受けることがよくあります)

「誰かに聞ける」というのはWebサイトやサービスを運営する上で大変重要であり、安心できることでもあります。

もしあなたにWebに関する知識がない場合、当方を含めたWeb制作者に依頼することをご検討ください。

求人システムを購入して求人サイトを作る

求人に特化した求人専用のWebシステム(以下、求人システム)は、当方のJOB-PLACEをはじめ、多数の同等製品があります。

求人をするための専用システムだけに、求人情報の掲載や応募者の管理などに優れており、特別なカスタマイズをしなくても円滑に求人サイトを運営することができます。

求人システムを導入する場合、主にサーバーと呼ばれるネットワーク上のコンピュータに、求人システムを構成するファイル一式をアップロードして設置・設定します。

※サーバーに関しては以下の記事をご参考ください。

求人サイトの運営に最適なサーバーの選び方
サーバーとはWebサイトやシステムを動作させる時に必要となる、インターネット上に繋がれたコンピュータとお考えいただければ分かりやすいと思いま...
求人サイトの運営に最適なサーバーの選び方のサムネイル

市販されている求人システムの各社ばらつきがありますが、数十万円~100万円以内というのが相場でしょうか。(具体的な相場については「求人サイト構築」「求人サイトシステム」などで検索してください)

金額にばらつきがあるのは、その求人システムの性能や実装されている機能によるところが大きいでしょう。

当方のように直接求人システムを販売するのではなく、Web制作の一環として独自開発した求人システムを使用し、求人サイト構築をする場合もあると思います。

求人システムを購入して求人サイトを作るメリット

既に出来ている物ですので、購入すればすぐに求人サイトを運営することができます。(サーバーへの設置・設定は必要です)

多売することにより販売コストを下げているので、Web制作に比べて開発コストがかかりません。基本的にはシステム代金のみになります。

求人システムは他機能であることが多く、求人やサイト運営に関するあらゆる機能が実装されています。(もちろん、金額によりバラツキがあります)

今は使わない機能でも、後から使えるようにする事ができるので、求職者や採用企業のニーズに合わせて求人サイトを成長させることができます。

デザインに関しても最低限のデザインが施されているので、デザイン制作費が必要ありません。CMS(コンテンツマネージメントシステム)の場合、デザイン編集も管理画面から行えます。

多くの販売元ではデモサイトを公開しているので、購入する前にどんな求人システムか試すことができるので、Web制作と比べて失敗する可能性が低くなるでしょう。

求人システムを購入して求人サイトを作るデメリット

一番は「自分で設置しなくてはいけない」ことです。求人システムを含むWebシステムの場合、設置(インストール)を行うには専門知識が必要なので、不慣れな方は難しく感じるかもしれません。

自身で設置できない方のために設置代行サービスを行っている会社もありますが、その場合は数万円の設置料金が必要になります。

また、仮に開発元が販売を終了した場合、後のサポートが受けられなくなります。もしその求人システムが特殊な技術で作られていた場合、「他の業者では対応できない」という事がよくあります。

そうなると仮に不具合が起きても放置することになり、求人サイトの運営を継続していくのが困難になるかもしれません。

メリットで「最低限のデザインが施されている」と記載しましたが、あくまで最低限であるため、そのまま利用しては他の購入者と同じコピーになってしまいます。

ですので、求人システムを購入する場合、「自分で変更する(できる)」ことが重要になるでしょう。

こういう人に求人システムの購入は向いています

出来るだけ早く求人サイトを運営したい方には向いています。パッケージ製品は購入すればすぐに使えるので、求人システムを開発する時間がかかりません。

例え自分で設置することができなかったとしても、販売元が設置代行をしているし、設置できる人自体を探すのはそれほど難しくはないでしょう。

サポート面に不安を感じられる方は、どのようなサポートがあるか事前に調べることが大切です。マニュアルやヘルプが用意されているか、不具合時の保証はどうなるか、お問い合わせ窓口があるかなどを確認しましょう。

求人システムの購入はWebデザイナーやWeb制作会社の方にも向いています。プログラミングは出来なくても、設置ぐらいなら出来るという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

基本的にはFTP(またはSSH)でファイル一式をサーバーにアップロードして、パーミッションやサーバー設定を行うだけですので、Web制作の知識がある方ならマニュアルを見ながら設置可能だと思われます。

当方でもWebデザインを中心に行っているWeb制作会社の方から、求人サイト構築の依頼を受けることがあります。デザインファイルを頂いて、それをシステム化し、求人サイトを作るのです。

ですので、ビジネスを迅速に行いたい方には既存の求人システムを購入するのをオススメします。新規開発よりも時間とコストの削減につながります。

求人システムをレンタルして求人サイトを作る

上記は「求人システムを購入する」場合について記載しましたが、購入するのではなく、”レンタルする”という方法もあります。

専門用語でASPサービスと言って、サービス提供元のサーバーにある求人システムを借りて使用します。求人システムの販売と並行してレンタルも行っている会社は多いと思います。(ちなみに当方ではレンタルは行っていません)

料金相場は月額1~5万円ぐらいでしょうか。月額費用が安い代わりに、初期費用がかかる場合があるようです。詳しくは「求人サイト構築」「求人サイトASP」などで検索してみてください。

求人システムをレンタルして求人サイトを作るメリット

サーバーを用意して自分で設置・設定する必要がないので、Web制作の知識が無い人には楽だと思います。レンタルですので、手続きをしたその日から使えます。

費用に関しても、Web制作や求人システムの購入と比べて安めなので、最初からあまりお金をかけられない人にとっては嬉しいかもしれません。

ちなみに月額料金制度だとクレジットカード決済が利用できます。(サービス提供元がクレジットカード決済を行っている場合に限りますが)

また、サポートも充実している場合が多いです。システムに不具合があってもサービス提供元が修正してくれますので、万が一のときは安心です。

求人システムをレンタルして求人サイトを作るデメリット

月額料金は安いかもしれませんが、求人サイトは長く運営するものですから、トータルで考えるとランニングコストが重くのしかかります。

ASPサービスの場合、開発元がサービスを停止したらそこで終了となります。自分の求人サイトを閉鎖しなくてはいけません。既に存在する利用者にとって迷惑がかかります。

また、データ容量や登録数に制限があり、カスタマイズ性にも乏しいです。(というよりカスタマイズできない場合がほとんどです)

後から追加機能が欲しくなっても導入できないでしょうし、レンタルした時のままの状態でずっと運営しなくてはいけません。(途中で新機能が追加される場合はあります)

デザインに関しても、基本的にはテンプレートと呼ばれる雛形から選ぶ形になるので、他の求人サイトと差別化しづらく、コピーサイトのようになる可能性があります。

こういう人に求人システムのレンタルは向いています

「すぐに求人サイトビジネスを始めたい」という方には良いかもしれません。Web制作と比べて契約したその日に使えるので、迅速性があります。

また、仮にその求人システムやサービスが気に入らなくても解約すればそれまでです。最小限の出費で抑えることが出来るでしょう。

当方ではサポートと拡張性の面からASPサービスは行っていませんが、お客さまとしては、安く求人システムを利用できるので、一定の需要はあると思っています。

WordPressを使用して求人サイトを作る

WordPress(ワードプレス)とは、オープンソース(ソースコードが無償で公開されている)で作られたWebシステム・CMS(コンテンツマネジメントシステム)で、ブログやサイト運営に利用されています。

WordPressは厳密に言えば「Webシステム」になりますので、上記の「Webシステムを使用して求人サイトを作る」と被る部分もあるのですが、求人専用のシステムではないので、別途ご紹介したいと思います。

WordPressは専門知識を要しなくて簡単に綺麗なサイトを作ることができ、色んな技術者が開発に関わっているため、新たな追加機能を導入することもできます。

カスタマイズ性に優れており、無償で利用することが出来るため、Web制作者だけでなく、多くの人に利用されています。

プラグインと呼ばれる追加機能を導入することで、ブログやサイト紹介に留まらない運用方法が行えるのが特徴です。

検索すると、求人サイトをWordPressで作りたいという声も多くあるようです。当方でもお客さまから「WordPressを使って求人サイトを作れませんか?」と相談できることがあります。

※しかし、残念ながら当方はWordPressについて詳しくありませんので、ご相談されてもお引き受けすることができず、お断りしています。

WordPressを使用して求人サイトを作るメリット

なんといっても「コストがかからない」ということでしょうか。オープンソースで誰でも無償でダウンロードする事が出来るので、システムそのものに対するコストはかかりません。

また、多くのプラグインが無償(または格安)で提供されているので、追加機能も含めてシステム面はコスト削減になるでしょう。

その他、元々はブログを作成するためのツールでしたので、記事管理やファイル管理の機能が優れています。HTMLの知識がなくても簡単に見栄えのするページを作成することができるので、情報を蓄積しやすいです。

そしてWordPressを紹介している記事・サイトは大変多いです。WordPressを扱える技術者も多いです。カスタマイズをしてくれる業者探しについても困ることはないでしょう。

情報量が多いということはそれだけ不測の事態が起きても対処しやすいともいえます。わざわざ業者に依頼しなくても自分である程度調べることができます。

WordPressを使用して求人サイトを作るデメリット

多くの人が無償でその中身を知ることが出来るというのは、それだけセキュリティリスクを抱えることにもなります。

悪意のある人物がWordPressの隙(セキュリティホール)を突いてデータを破壊したり、ハッキングしたりする行為が頻繁に発生しています。

IPA 情報処理推進機構が情報セキュリティの情報として以下の記事を公開しています。

参考:WordPress の脆弱性対策について:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

実際に当方が運用しているサーバーに対しても、WordPressを狙った攻撃が毎日行われています。WordPressの管理画面へのURLやセキュリティリスクのあるプログラムを探しています。

このようなセキュリティ問題に対してWordPressの開発者も定期的にアップデートを無償提供しています。しかし、「アップデートを行わない限り危険に晒されている」という状況は変わりません。

また、アップデートをすることで導入済みのプラグインが動かなくなることもあるので、安易にアップデートを実行することもできず、歯痒い思いをしている利用者も多いです。

このようにWordPressを導入するということは常にセキュリティリスクを抱えることになり、相応の手間と知識が必要になります。

また、WordPressの設計も独特です。多くの人が使用することを想定しているため、データ保存として無駄な部分が多いです。その為、プログラム処理が遅いという問題は頻繁に発生しています。

ですので、技術的な観点から見れば、求人サイトのように多くのデータを扱い、速度も重視されてるサイトでは扱いにくいのも事実です。

こういう人にWordPressは向いています

予算が限られており、出来るだけ低コストで求人サイトを運営したいと思う方は、WordPressを使用しても良いかもしれません。

また、自身で調べてプラグインを追加したりテーマをカスタマイズするなど、WordPressの設定をいじることが出来る方にも向いています。

しかし、外注して業者に依頼する場合は注意が必要です。デメリットにも記載したとおり、セキュリティ問題があるので、どの程度の頻度でサポートしてくれるのかしっかり取り決める必要があるでしょう。

「WordPress 求人サイト」で検索すると、WordPressを使った求人サイトの構築に関する需要が多い印象を受けました。需要があるということはそれだけ対応できる業者もいることになります。

将来的なセキュリティやパフォーマンスの問題はあるものの、低コストではじめられるというのは大きな武器です。

まともった予算がない人はまずWordPressで簡単な求人サイトを作り、情報を蓄積した後に、求人専用のシステムを導入するのも有効だと思います。

どの手段を採用すれば良いのか?

やはりポイントとしては予算になるのではないでしょうか。あなたがどれだけ求人サイトの構築にお金をかけられるかで、手段は変わると思います。

当方のサービスとしては、「求人システムの販売&Web制作」といったところでしょうか。

求人システムそのものを販売しているわけではありませんが、独自開発した求人システムをお客さまに提供しますし、設置・設定や、かんたんなデザイン変更も行うので、Web制作の要素もあります。

また、開発時にはWordPressも参考にしているので、WordPressを使用したことがある方には、とっつきやすい製品だと思います。

それぞれの良いところどりをしたサービスだと自負していますが、やはりレンタルと比べると費用はかかります。

ですので、予算を一つの目安にして、何を重視するか?どんな求人サイトを作りたいか?を考えて、求人サイト構築の方法を模索していただければと思います。

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