ノウハウ

ベストよりベターを目指した求人サイトの売り方

ベストよりベターを目指した求人サイトの売り方のイメージ

新しく求人サイトを構築した時に悩むのが「どうやって求人情報を集めるか」ですよね。安くはないお金を出して求人サイトを作ったわけですから、できるだけ早く収益化したいものです。

そのためにプロモーション活動をしたり、検索エンジンやSNSなどを駆使して求人を出してくれる企業を探していると思います。お金も時間もずいぶん使い、努力されていることでしょう。

しかし、努力とは裏腹になかなか思うような結果が出ず、どうしたら良いかわからなくなってはいないでしょうか?もしかしたら、「サイトのデザインが悪いのではないか?新しい機能を追加した方が良いのではないか?」などと考えているかもしれません。

もちろん、デザインも機能も大切です。しかし、すでにあなたは十分なお金を出して今の求人サイトを作ったわけです。これ以上、追加投資をしたところで契約を勝ち取れるという保証はありません。

顧客の事を考えるとベストを尽くしたくなるのは当然かもしれません。しかし、現状を把握せずにベストを追求するあまり、過剰サービスになったり、やりすぎて失敗してしまう恐れもあります。

せっかくお客さまのためになると思い、一生懸命頑張っても空回りしては元も子もないですよね。ビジネスでは売り手がどう立ち回ったのかではなく、買い手にどう満足してもらうかが大切です。

そこで今回は「ベストよりベターを目指した売り方」をテーマにし、求人サイトにとって最適な販売戦略について考えていきたいと思います。

目次[非表示]

ベストは敷居が高い

高い壁に立ち尽くす女性

求人サイトを利用するお客さま(採用企業)の目的はただ1つです。それは「自社が求める最良の人材がほしい」ということです。人材の条件は様々あるでしょうが、総じて最良の人材を求めているのは間違いありません。

しかし、最良の人材を提供するためには環境が必要です。会員数やアクセス数が多い求人サイトであれば、最良の人材を見つけやすくなりますが、新しく作った求人サイトだとそれは難しいです。

会員数を増やすために広告を出して集客することもできますが、莫大なコストがかかります。しかも、新規の求人サイトは他と比べて育っていない状態ですから、広告を見てアクセスされても情報が少なく、応募まで繋がりません。

お客さまが一番望むことを提供するのがビジネスの基本ですが、誰でもそれができるとは限りません。お客さまのベストである「最良の人材を提供する」を目指しても、敷居が高くて実現が困難です。

ただ、必ずしもベストプラクティス(最善・最優良)でなくても構いません。ベストではなくベターであっても、お客さまがメリットを感じるなら利用してくれるのです。

ベターでも納得させることはできる

パソコンを見て納得している女性

ベスト(最善)ではないベター(比較的良い)を目指すという考え方があります。ベターだとあくまで自分の能力・環境の範囲内でお客さまに提案することになるため、無理をして失敗することはありません。

ベターだと一見、「妥協・手抜き」のように思うかもしれません。商売なんだから常に最善を目指すべきだと考える人もいるでしょう。しかし、ベター=妥協とか手抜きということはありません。

なにより、お客さまにとって何がベストで何がベターであるかはわかりません。仮にお客さまにとってベストでないことであっても、ベターであるなら選ばれる可能性は十分あります。

たとえば、あなたが外食する時のことを思い出してください。外食する理由は様々あると思いますが、基本的には「美味しいものが食べたい」から外食しますよね。しかし、「絶対に美味しい店じゃないと利用しない」ということもないかと思います。

味はそこそこ美味しい・普通に食べられる程度でも、「料理するのがめんどくさい」とか「人付き合いで使うから」とか「家から近い」などの理由で外食することも多いのではないでしょうか。

一番の目的は「美味しい料理を食べる」であっても、二番・三番の理由があれば利用することもあると思います。大満足とは行かないまでも、納得して利用しているのではないでしょうか。

Webサービスでも同じです。お客さまが一番求めていることを提供できなかったとしても、その他にメリットのある提案をすることができれば、納得して購入してくれます。

売り手としてお客さまの満足を追求したい気持ちはわかりますが、どこに満足するかはお客さま次第です。ベストを求めすぎるあまり行動が制限されるよりも、「ベターでも納得させることはできる」と思うようにしましょう。

ベターを目指すために必要な考え方

ガッツポーズしている男性

それでは求人サイトを収益化するにあたって、ベターを目指すにはどうすればいいのでしょうか?それはズバリ「ウリ(強み)を変える」ということです。

あなたが求人サイトの営業活動をする時、機能や料金を説明していないでしょうか?「スカウト機能がある」「スマホに対応している」「大手の求人サイトより安い」「採用した時だけ料金が発生する(採用課金)」などなど。

会員数やアクセス数で勝負できないため、機能や料金など見た目でわかりやすい部分を提案していることでしょう。しかし、ハッキリ言ってこれはお客さまにとってメリットではありません

よほど画期的な機能を提供しているなら別ですが、求人サイトの機能はどこも似たりよったりです。機能面の特徴を伝えたところで、お客さまにはピンときません。「ああ、そういうことができるのね」と思われる程度です。

料金についても同じです。いくら大手と比べて安いことをアピールしても、大手に比べて条件が悪いのですから、メリットにはなりません。また、無料で利用できる求人サイトもあるぐらいですから、料金の安さは優位性に繋がりにくいのです。

もし、あなたが機能や料金をウリだと考えているなら、今すぐ考えを変えてください。今のままではベストもベターも難しいです。

求人サイトのベターな売り方とは

老夫婦と握手をしているビジネスマン

機能や料金をウリにするのが駄目なら、何をウリにすれば良いの?と思われているでしょう。会員数もアクセス数も多くない、画期的な機能でもない、料金的な優位性があるわけでもない、無いものづくしで営業しても契約なんてもらえない、そう感じますよね。

しかし、他でもないあなただからできることがあります。それは「サポート」です。契約後の運営サポートではなく、お客さま(採用企業)のために、人材を獲得しやすいようなお手伝いをするのです。

具体的には「求人情報を作るお手伝い」をします。どんな人材が欲しいのか?どんな会社で働くのか?どんな条件でどんなメリットがあるのかなどを、文章や画像で説明する作業を代行するのです。

「そんなことで依頼されるの?」と思うかもしれません。求人広告を出したことがある方ならわかると思いますが、求人情報に掲載する文章を用意するのは大変です。自社のことなのに言葉で説明するのは難しく、文章を考えるだけで時間がかかります。

その証拠に巷では人材募集の貼り紙をしているお店はたくさんありますが、どこも「アルバイト募集」とか「時給○○円。詳しくはお電話ください」のようにシンプルです。求人サイトに掲載されているような、魅力的なキャッチコピーや写真はありません。

なぜシンプルなのかと言うと、文章を考えたり画像を用意するのは大変だからです。いざ募集しようと思っても、考える時間がないし、良いアイディアが浮かばないからシンプルになるのです。

店主も「これじゃ、応募なんて来ないよな…」と理解しています。それでも何もしないよりはマシだと思ってやっています。しかし、求職者の立場で考えると「アルバイト募集」だけ見て応募するのは勇気がいります。

そんなお店に「求人情報を作るお手伝いをします」と提案するのです。もちろん、「それで人が見つかるの?」と聞かれるでしょうが、今より良くなる・大変な作業を代行すると提案するのです。

ただ条件を書いただけの求人と、魅力的なキャッチコピーや説明文、写真がある求人を見比べることができる資料を作ると効果的です。パッと見て違いが分かるため、営業しやすくなるでしょう。

営業資料を見たお客さまは「確かに自分で文章を考えるのは大変だ。写真もきれいに撮れるかわからない。パソコンも苦手だし、覚える時間もない。自分で作るのは難しいよな」と思います。

もちろん、求人情報作成以外のサポートでも構いません。電話やメールのサポートではなく、毎回お客さま宅まで伺って、ヒアリングしながら一緒に文章を考えたり、スマホで写真を撮ってきても良いでしょう。

この方法なら、あなたに高度なITスキルがなくても良質な求人情報を作成できます。お客さまも「ここまでサポートしてくれるなら、お金を出してもいいかな」と思ってくれるはずです。

このように、お客さまに寄り添ったサポートができれば、決してお客さまにとってベスト(最良の人材が見つかる)の提案ができなくても、ベター(求人情報を作る煩わしさを開放してくれる)という提案を受け入れてもらえます。

ほとんどの求人サイトは広告費や利用料金を頂くという売り方ですが、サポート費を頂くという売り方は少ないです。ぜひ今までのウリを変えてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ベストが必ずしも良いわけではない・ベターでもお客さまの役に立つことができるということが、お分かりいただけたと思います。

実は当サイトも以前はベストを追い求めていました。どこよりも安く・どこよりも高機能で、どこよりもサポートが良いサービスでないと、売れないと思っていました。

求人サイトの構築をご相談いただいた時も「レスポンシブデザインで高機能ですよ」とか「他社よりも料金が安くてお得ですよ」というように、条件面をアピールして説明していたのです。

しかし、お客さまにとって高機能であったり、料金が安いということはそれほどメリットではないことに気づきました。お客さまが一番求めるものは「求人サイトを作って利益を上げたい」だからです。

お客さまのベストを叶えようとすれば、実績が豊富で、サポートが充実しており、会社の規模もでかいWeb制作会社がベストな選択になってしまいます。後発で小規模の当サイトが他社と同じような提案をしても、叶うはずありません。

そこでベストを求めず、ベターな提案を目指すことにしました。機能や料金の説明は極力控え、お客さまの希望や問題解決にどう役立てるかを提案することにしたのです。

たとえばこの運営ブログがそうです。求人サイト・求人ビジネスに特化した情報を提供し続けることで、他社にはない独自性を生み、お客さまの信頼を得ることに繋がっています。

「本当は実績もあって大きなWeb制作会社の方が安心だけど、ここなら詳しそうだから相談してみるか」といった、ベターな選択に繋がっているのです。

あなたもお客さまの望むベストを提供できないのなら、思い切ってベターな提案・売り方に変更しましょう。ベターな提案でも選んでもらうことができるなら、今よりもっと良い結果を生むことでしょう。

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