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求人サイトの目的と作る理由を考える

求人サイトの目的と作る理由を考えるのイメージ

当方はWeb制作業を10年以上行っており、既存のお客さまから新規のお客さままで、色んなサイトの制作相談を受けます。

その中でも求人サイトの制作は定期的に相談されるサイト形態であり、そのことが当サービスをはじめた理由でもあるのですが、相談されるほとんどの方はあらかじめ「どんな求人サイトを作りたいのか?」といった理由が明確です。

「求人ビジネスを始めて収益を上げたい」
「自身が働く業界で人材不足なので役に立ちたい」
「自分のアイディアを試したい」

など、様々な理由こそあれ、だいたいの方は求人サイトを作る目的が決まっています。

しかし、そうでない方もいます。求人サイトは世の中にたくさんあるので、求人サイトを見たお客さまから「求人サイトって儲かるの?」と聞かれることがあります。また、会員制サイト納品したお客さまからは「求人機能を付けるのはどうかな?他のサイトにもあるし」と相談されることもあり、あまり目的がハッキリ定まっていない場合があります。

そういう場合、これまでは「どうして求人サイトが良いのですか?」とか「求人サイトでどうしたいのですか?」とヒヤリングして詳しくご希望を聞いていたのですが、お客さま自身が求人サイトに対してそこまで思い入れを持たれているわけではないので、「難しそうだから止める」と流れてしまうことがありました。

このブログをご覧になられている方の中にも「たまたま」検索して当サイトがヒットし、「求人ビジネスってどんな感じかな~」といった軽い気持ちでご覧になっている方がいらっしゃるかと思います。

そのような方のために、「どんな求人サイトを作れば良いのか?」と言った、求人サイトを作る場合のよくある目的と理由をご紹介し、求人サイトを作るきっかけにしていただければと思います。

目次[非表示]

利益を上げるために求人サイトを作る

おそらくもっとも多くの人が思いつく理由だと思います。求人サイトを作り、企業に求人広告を掲載してもらい、利用料として料金を請求する。古くから求人ビジネスの仕組みは確立されているため、多くの方が「利益を上げるために求人サイトを作りたい!」と思うことでしょう。

求人サイトのビジネスモデルについては以下の記事で詳しく解説しています。

求人サイトで効果的なビジネスモデルとは
求人ビジネスが起業家やベンチャー企業に選ばれ、ビジネスの手法として多く取り入れられているということは、前回の記事で解説しました。 ...
求人サイトで効果的なビジネスモデルとはのサムネイル

会社の利益を上げるために求人サイトを作るとしても、ただ無策で闇雲に作っていては利益に繋がりません。「どんな方法で利益を上げるのか?」が重要になります。

「求人サイトで効果的なビジネスモデルとは」の記事でも説明したように、利益を上げる仕組みそのものを工夫するのも大事ですが、ただ仕組みだけあっても人はお金を払おうとはしません。払うだけの根拠が必要になります。

例えばあなたがパソコンを買いに家電ショップに出かけたとしてください。色んなメーカーから出ている様々な機種があり、どの製品を買えば良いか分かりません。

その時に店員から「この製品は今キャンペーン中でお安くなっています」とか「ローンならまとまったお金がなくてもすぐに購入できますよ」といってセールスされたらいかがでしょう?お金の話ばかりでうんざりして退店したくなると思います。

しかし別の店員から「お仕事でご使用になられるなら、軽くて持ち運びしやすいこの製品はいかがでしょうか?」とか「動画編集やイラスト制作がしたい場合、処理能力が高くて動作が軽快なこの製品の方が作業に集中できますよ」と提案されたらどうでしょう?ちょっと相談してみようかな?、と思いますよね。

求人サイトで収益を上げる場合も同じです。ビジネスモデルや収益そのものよりも、「何がお客さまの役に立って売上に繋がるのか?」が重要になります。

逆に言えばそこを探すことが出来れば利益が上がる求人サイトを作るのも難しくはないでしょう、

メインサービスを盛り上げるために求人サイトを作る

既にメインとなるサービス・事業があって、その事業を拡大する目的で求人サイトを作る場合があります。特にWebサービスを行っている場合、求人サイトや求人機能というのは導入しやすいです。

例えば会員制サイトですと、既に一定の会員数が居るわけですから、会員向けのサービスとして求人サイトを作っても利用してもらえます。

地域情報・ポータルサイトの場合も、その地域やお店を紹介するわけですから、求人に関する情報を集めやすいと思います。

イベントや説明会などを開催している企業でも、その参加者を集う一環として求人機能を導入するのも面白いと思います。

求人サイトをただ仕事を紹介する場所としてでではなく、コミュニケーションツールとして役立てることで、出会いのきっかけが生まれ、メイン事業を盛り上げることに繋がります。

仕事を獲得するために求人サイトを作る

メインサービスを盛り上げることと同様に、求人サイトを作ることで仕事を獲得する手段にも繋がります。

というのも、求人サイトは色んな企業が集まるわけですから、求人サイトの運営会社が行っているメイン事業について興味を持つ企業も出てくると思います。

求人サイトでのやりとりがきっかけで運営者への信頼が生まれ、人材募集以外に別の仕事を頼みたくなるかもしれません。

あるいは求人サイトに掲載することを”サービス(特典)”として提案することもビジネスの交渉手段として有効だと思います。

後述しますが、今は人手不足が問題視されている社会で、どこも人手不足で困っています。それを解消するお手伝いをするというのは、企業にとってはこれ以上ないメリットになり、また自社の事業を知ってもらうきっかけにもなります。

関係が密になりやすくなるため、仕事の発注に繋がりやすい言えます。

人材獲得のコストを下げるために求人サイトを作る

飲食店やサービス業など、複数店舗がある企業にも求人サイトは有効です。お店で働く人材を募集する目的で求人サイトを運営します。

複数店舗をもち、全国にチェーン展開をしているような企業でも、求人に関しては代理店に委託していることが多いです。もしくは採用管理まではするけど、応募までの道筋は単純なフォームや電話応募などと簡素です。

しかし、自社の求人になるわけですから求人情報のフォーマットは自由に決められるし、求める人材の特色を出しやすいです。また、自社の求人情報であれば求人情報を集めるコストもかかりません。

求人サイトを作ることでお店や事業の紹介にもなるし、広告代理店に委託するよりもコストを下げられます。

なおかつ、自社で運営することで「お店のファン」が集いやすいです。不特定多数の求人情報から選んでいただくよりも、より好意的な人材を集めることができ、それが離職率低下に繋がることになります。

飲食やサービス業は特に人材不足が叫ばれている業界ですが、今後は既存の求人サイトに任せるのではなく、自社で求人サイトを運営するような方向性にシフトしていければ良いのではないかと考えています。

アイディアを実現するために求人サイトを作る

求人サイトは大きいところから小さいところまでかなり多くのサイトが存在します。求人サイトに限らず、求人や人材募集というのは広く利用されるビジネスであり、また需要も多いです。

しかし、これだけ求人に関する媒体があるのに、人手不足は解消しているでしょうか?みんなが働きたい職に就けているでしょうか?残念ながらそうはなっていないのが現状です。

筆者が考えるに「似たような求人サイトが多すぎて企業と求職者のマッチングが上手く行っていない」のが原因だと思います。大手の求人サイトに似たサービス・似た料金形態を採用する求人サイトが多いため、新鮮さがありません。大手と似たサイトであればそちらを利用するに決まっています。

同様に感じている方で、特に人手不足が深刻な業界で働いている人(働いたことがある人)ほど、「自分ならこういう求人サイトを作る!」と言ったアイディアをお持ちの場合が多いです。

アイディアがあれば「どんな求人サイトを作ればいいか?」という求人サイトのテーマや目的を見つけられるし、また現状の問題点を改善しやすいです。

利益や売上のことよりも「アイディアを試したい!」という発想はサイト運営も楽しくなるので、長続きしやすいし、また成功しやすいようにも思います。

社会貢献をするために求人サイトを作る

今や人材不足が申告で働き手がいない業種は多く存在します。50%が人手不足だと回答しています。

参考:日本商工会議所 「人手不足への対応に関する集計結果」(pdf)

特にその割合が多いのが

・介護・看護
・運輸業
・建設業

となり、「人手が不足している」と回答している企業が6割を超えています。

ただ働き手がいないのが問題ではありません。人手が足りないことで様々な問題が起こり、ニュースや事件となって連日世間を賑わしています。

今の日本社会は少子高齢化でお年寄りや介護を必要とする人の数が増えています。介護・看護をする人がいなければ怪我や病気の対処が遅れ、不測の事態を防げなくなります。

介護・看護は人と接する仕事ですから、人手不足で一人あたりの労働力が増えればストレスも増えるでしょうし、対人トラブルの原因にもなります。

運輸業でも同様です。ヤマト運輸が人手不足から労働環境が悪化して運送事業に支障が出ているというのが大きくニュースになっています。

参考:ヤマト運輸、荷物の抑制検討へ 人手不足で労働環境悪化

ドライバーの過剰労働が問題となり、運転中の事故が頻繁に起きています。

これらの業界だけでなく、人手不足ということは言い換えるなら既存の就業者に負担がかかるわけですから、事件・事故の要因にもなりやすいのです。

そういう社会問題を解決するにはやはり「働き方改革」や「労働環境を変える」しかありません。

政府が働き方改革を促進しているように、企業や労働者それぞれが対策出来ることもありますが、企業と労働者を繋ぐ求人サイトの役割も大きいと思います。

ですので、人手不足を解消する一助になるためにも求人サイトの在り方・運営の仕方というのは重要であり、それが社会貢献にも繋がると思います。

自分が働ける場所を作るために求人サイトを作る

最後はユニークな理由ではありますが、実はもっとも重要なポイントでもあります。どんな商品やサービスでもそうですが、「自分が使いたい!利用したい!」と思わないものを他人に勧めるべきではありません。

自分が会社や事業を辞めた時、その求人サイトで仕事を探そうと思えるか?または、そう思えるような求人情報があるか?企業が参加しているか?が重要になります。

売上を上げるためにどんな企業や募集条件でも掲載している求人サイトもありますが、それではユーザーから信頼を勝ち取ることは出来ません。求人サイトの運営者自らが心からオススメできる求人情報・企業ではないと、求職者には響きません。

求職者の心に響かないような求人情報ばかりある求人サイトはどうでしょうか?誰も利用してくれなくなり、閉鎖するしかなくなります。ですので、「自分が利用したくなる求人サイトを作る」というのは立派な運営動機になります。

文字通り、「自分ならこんな求人サイトで求人を探してみたい」と思うサイトを作って良いと思いますし、「自分が働きたい・興味があると思う企業(業界)だけを集めた求人サイトを作る」のも良いと思います。

どちらも自分視点で興味を持つことで、運営に対するモチベーションが生まれます。そればかりか、求人広告を掲載してくれる企業にアプローチする時にも熱意が生まれやすいです。

そんな熱意を持った運営者が作る求人サイトがあれば、企業も広告を掲載しやすくなるし、求職者も自身と同じ立場に立った運営者だと評価してくれるようになるので、利用促進に繋がります。

ぜひ「自分が利用したい求人サイト」を作ってみてください。

どんな理由でも明確な目的を持って求人サイトを作る

以上、7つの求人サイトを作る目的・テーマについてお話しました。これ以外にも細かい部分で運営者ごとの理由があると思います。

個人的なこと、客観的なこと、大中小さまざま理由があると思いますが、どんな理由であっても明確な目的があることで、求人サイトを運営するにあたって前向きな気持ちになります。

前向きな気持ちがあれば、求人サイトを作る上での専門的なこと(Web知識や法律のことなど)や集客に対する行動も率先して行えるようになります。

ぜひ、「どんな求人サイトを作れば良いかわからない」と感じられた方も、今回の記事を参考に、求人サイトを作る目的やテーマを見つけていただければと思います。

そしてそれらが見つかった折には、改めて「どんな求人サイトにすればいいか?」というご相談をしていただければと思いま

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