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求人サイトの営業活動で電話が向かない理由

求人サイトの営業活動で電話が向かない理由のイメージ

当方が運営する各サイト上にはお問い合わせ用の電話番号を公開しているからか、週に何回か求人サイトや人材ビジネスを行っている会社から営業電話があります。

電話の内容は「弊社のサイトで求人広告を掲載しませんか?」「Web制作の外注先をお探しではありませんか?」「デザイナーやプログラマを必要ではありませんか?」などですが、どれも的はずれなのですぐに電話を切ります。

そもそも電話番号を公開している理由は、お客さまに対してサービス内容を説明したり、疑問点や質問に回答するためのものです。サイト上にも「電話営業は受け付けない」旨を記載しているのですが、それは見られていないようです。

毎回似たような営業電話を受けると、「どうしてこの人達は説明文を見ないのだろう?ちゃんと調べずに電話をしてくるのだろう?」という気持ちが募り、対応も悪くなってしまいます。話も聞かずに即切りします。

ですので、かなり迷惑をしているのですが、一向に減る気配がありません。ネットで検索すると似たような感想を持っている方もいらっしゃるので、求人サイトの電話営業はよくあるのだと思います。

ところで、筆者は職業柄、Web担当の方と打ち合わせをする事も多いのですが、お客さまから集客方法や営業方法の相談を受けたとき、電話営業だけはしない方が良いと伝えます。

というのもWebサイトの営業活動に電話は一番向いていないと思うからです。その理由を「求人サイトの営業活動で電話が向かない理由」として詳しく説明したいと思います。

目次[非表示]

自分も相手も時間を消費する

電話はとても時間を消費します。電話をかけても相手が忙しくてすぐに出られない場合もあるし、電話に出て話し始めてもサービスの主旨が伝わるまで時間がかかります

筆者のように詳しい人間なら「求人サイトの広告掲載で~」と営業電話があってもすぐに返答できますし、内容によっては1分以内に電話を切ります。しかし、電話を受け取った人物では分からない時があります。

そういう時は経営者や採用担当者に電話を代わってもらうように促すのですが、電話を代わってもまた同じことを説明します。そして興味がなければ電話を切ることになりますが、この一連の流れが非常に時間の無駄です。

メールなら自分が都合の良い時間帯に送れるし、受信者も都合の良い時に閲覧できます。しかし、電話ならかける時間帯を考慮しなければいけませんし、相手がその時、時間があるとは限りません

仮に相手が興味のあることだったとしても、時間がない時に急な電話を受けると余裕がなくなります。まともに話を聞かずに切られることも多くなるのではないでしょうか。

そうなるとただ時間を消費しただけです。自分(発信者)も相手(受信者)も無駄に時間を消費するだけで、何も得るものがないのです。

通話料金やコストがかかる

電話は通話料金がかかります。固定電話だと8.5円(税込9.18円)/3分、携帯電話なら20円/30秒が必要になります。

※電話会社やプラン、区域により異なります。

携帯電話の場合、定額プラン(かけ放題)がありますので、いくら電話をしても料金は一定かもしれません。固定電話でも割引プランなどがあるので、通話料金を減額する方法はあります。

ですので、「通話料金は必要経費」だと考え、バンバン電話をかける会社も多いと思います。昔に比べたら通話料金も安いですから、それほど痛くはないのかもしれません。

しかし、多くの営業マンが見逃している事があります。それは「受信者も通話料金がかかる場合がある」ということです。受信者が転送電話サービスを使用していると、受信者にも料金が発生します。

参考:NTT|ボイスワープ[転送電話]利用料金

発信者から転送元までの通話/通信料金は、発信者のご負担となります。
転送元から転送先までの通話/通信料金は、ご契約者のご負担となります。

転送電話サービスはかかってきた電話をあらかじめ設定しておいた電話番号に転送するサービスですが、個人よりも法人が仕事で使う場合が多いと思います。

転送電話サービスと似たようなサービスに、「電話代行サービス」というものがあります。「秘書代行サービス」ともよばれ、電話の取次を代行してくれます。

特に小規模事業者の場合は外出している事も多いでしょうから、転送電話サービスや電話代行サービスを利用していることもあるでしょう。当方も利用しています。

ですから、電話を受けると受信者でもコストがかかる場合があるのです。お客様対応で通話料金がかかるのは良いとしても、必要ない電話でお金を消費するのは辛いです。

このように、自分(発信者)も相手(受信者)もコストがかかり、そのコストに見合うだけのリターンが得られるとは限らないので、電話はリスクが高いのです。

相手が見込み客か分からない

電話の発信先は基本的に「知らないお客さん」です。相手がどんな会社か調べて電話をしている場合もあるでしょうが、調べても社名や業種ぐらいではないでしょうか。

今は人手不足ですから、人材を欲している会社は多いと思います。ただのセールスよりも求人サイトの広告掲載なら興味を持ってもらえる可能性はあるでしょう。

しかし、それでも需要があるか否かは電話するまで分かりません。電話をして採用担当者と話し、相手がこちらのサービスに興味を持ってもらえて、はじめて交渉になるのです。

そういうケースはどのくらいあると思いますか?筆者は昔、テレアポをしていた会社に勤めていたことがありますが、朝から晩まで電話をして3~4件取るのがやっとだった記憶があります。

完璧なセールストークを作り、どんなベテランのアポインターが電話をしても1日に10件も20件もアポイントは取れないのです。また約束であり売上ではないわけですから、アポをとっても売れるかどうかは別の話です。

このように、電話営業は欲しいかどうかわからない人に提案して売るわけですから、売れる可能性は限りなく低いのです。

資本に余裕のある大会社なら多くのテレホンアポインターを雇い、人海戦術でアポイントを取って、売上につなげようとするかもしれません。

しかし、求人広告の掲載費は高いとは言え、1件数万円が相場です。それも大手求人サイトの場合であって、新規求人サイトの場合は多くを望めないでしょう。

1日アポインターを雇ってアポを取った中から何件か売上になったとしても、アポインターや担当者の人件費、コスト を勘案すると、赤字になるのではないでしょうか。

ですので、見込み客かどうか分からない相手には売りづらく、コストがかさむ原因になるのです。

認識の違いが起こりやすい

電話だと相手の受け取り方によって、「言った言わない」問題が起こりやすくなります。顔を見て話すわけではありませんから、表情から感情を読み取ることも出来ません。

自分が発した言葉に対して相手に知識がなければ間違って受け取られる場合もあり、それが契約の際に問題になる時もあります。特に料金や期間・日程に関しては聞き間違いや認識の違いが起こりやすいです。

メールだと文字で表しますから、このような言った・言わない問題が起きづらいです。文章も後から何度も見返すことができますし、転送して他の人に意見をもらうこともできます。

たとえ文章の受け取り方によって誤解を与えるようなことはあっても、金額や日付などの数字を間違うことは少ないでしょう。(書き間違いはあるでしょうが…)

その他、電話機の音量が小さくて聞こえづらかったり雑音が入ったりすることもあります。相手の話し方の問題(早口や方言など)で聞き取りづらい場合もあります。

このように環境によっても認識の違いに影響を及ぼす可能性があり、それがひいてはトラブルになる可能性があるのです。

不信感を抱かせやすい

現代では携帯電話の普及から誰でも自分の電話を持っている時代ですが、電話でコミュニケーションを取る相手は主に知り合いです。全く知らない人からの電話は身構えてしまいますし、良いイメージを持っていません。

それは企業にかかってくる電話も同じです。企業の場合、仕事関係の電話だというのは分かりますから、知り合いではない方から電話があってもそれほど嫌ではないかもしれません。

ですが、個人よりも多くの営業電話がかかってくるので負担です。なにより、当方のようにお客さまの対応で電話番号を公開しているのに、営業電話がかかってくると嫌な気分になります。(機会損失になりますから)

仮に求人サイトのサービスに興味があったとしても、忙しい時に突然電話がかかってくるとそれだけで不信感は募ります。ろくに話を聞かずに切ってしまうことが多くなるります。

不信感が募るとどんな良いサービスであっても利用したくなくなります。利用しないだけでなく拒否したくなります。当方の場合、迷惑電話拒否サービスを利用しているので、それに登録します。

中にはブログやSNSで「こんな企業から迷惑電話があった!」と投稿する人がいるかもしれません。実際に検索するとそのような投稿や、迷惑電話収集用のデータベースが公開されています。

もし、あなたの会社が「迷惑会社」として世間に認知されれば求人サイトの運営に限らず、ビジネスを円滑に行うのは難しくなるでしょう。電話営業の場合、不信感を抱かせやすい手段だと言えます。

それでも電話営業しなければいけない場合

これまで電話営業が求人サイトの営業活動に向かない理由を説明しました。これらの理由を見ていただくと、いかに電話営業は求人サイトや求人ビジネスにとって良くない手法であるかご理解いただけるのではないでしょうか。

ただ、そうは言っても会社の方針や社長・上司の考え方で電話営業をしなければいけない立場の人もいると思います。「電話営業するのは嫌だけど仕事だから仕方なくやっている」という方も多いのではないでしょうか。

仕事でやらざるを得ない方に「電話営業をするな!」とは言えません。ですので、電話営業をする場合は以下の点に注意していただきたいと思います。

相手の事を調べる

おそらくなんらかのリストを入手して電話をしているのだと思います。ただ、当方にかかってくる営業電話の場合、サイトを見て電話をしてくる方も多いです。(アクセス解析の傾向から)

しかし、電話で話すとこちらのことをまるで調べてない方ばかりです。こちらでWebシステムを販売しているのに、同じようなWebシステムの営業されたこともありました。

ですので、会社名や業種だけでなく、最低限、電話先の相手がどんな仕事をやっているかぐらいは調べてほしいです。そうすれば電話した後の誤解も減るのではないでしょうか。

かける時間帯を工夫する

業種によって忙しい時間帯とそうでない時間帯があります。例えばIT業界の場合、午前中は忙しいです。届いたメールやお問い合わせに返信したり、その日の予定を決めたりします。

飲食業界の場合はお昼の11時半~13時半ぐらいまで忙しいでしょうし、診療所や薬局などの医療業界は、昼間は休憩で休みの場合もあるでしょう。その他、業界毎に都合の良い時間帯・悪い時間帯があると思います。

電話をかける時はそれを考慮してかけてください。おそらく営業マニュアルなどを見て時間帯には注意していると思いますが、仕事欲しさに夕方以降に電話してくる人もまれにいます。

忙しい時に電話があると本当に迷惑です。その電話を受け取ることで他のお客さまの対応に遅れたり、機会損失になる可能性もあります。ですので、可能な限り配慮するようにしてください。

しつこく話さない

営業マニュアルによるのか、興味がない返答をしていても食い下がって話を続ける人がいます。求人サイトの場合、「今は必要なくても今後必要になるかもしれないから、話だけでも~」という方が多いように感じます。

しかし、しつこく食い下がるのは逆効果です。相手に悪い印象しか与えません。また、興味が無い人にいくら売り込んでも無駄です。その時間を他の電話に使った方がよほど効率が良いです。

ですので、電話口で相手が興味なさそうな素振りを見せたら引き下がる勇気を持つようにしてください。

簡潔に目的だけ話す

しつこく話してくるのと同様に話が長い人も多いです。求人サイトの営業電話を例に出すと、以下のような感じです。

「お忙しいところ失礼します。私、○○株式会社の○○と申します。弊社では企業と人材のマッチングを行っており、Webデザイナーやエンジニアを求めるIT企業様のお役に立つ提案を行っております。お忙しいところ恐れいりますが、採用担当者の方はいらっしゃいますでしょうか?」

文字に起こすだけでも100文字以上あり、長ったらしいです。しかし、実際にこのようなセールストークで電話をかけてくる人も多いのです。これでは聞いているだけで嫌になります。

営業マニュアルや法律の面で自社の名前や目的を名乗らなければいけないのでしょうが、それでももう少し簡潔に話す努力をしてほしいと思います。

誤解を与えない

営業電話でまれにお客さまを装った、誤解を与えるようなセールストークをしてくる人がいます。いわゆるグレーゾーンを攻めるという感じでしょうか。

筆者もWebシステムに関することを聞かれたので答えていると「実は私たちはWeb制作会社をご紹介する求人サイトを運営しています」と言われたことが何度もあります。

こちらはお客さまだと思って期待して説明しているのに、それに反して自身の営業活動をするというのはマナー違反です。嫌な気持ちがするし、時間を無駄にした感覚になります。

例えそのサイトやサービスに興味があったとしても、人の心を偽るような対応をされると興味が持てなくなるし、嫌悪感で一杯になります。電話を切ったあとも嫌な気持ちになります。

ですので、いくら話をしたいからといって、誤解を与えるようなセールストークはしないでほしいです。

まとめ:ネットサービスだからネット集客をしてください

ネットに馴染みのない企業や業界を開拓し、その業界に特化した求人サイトを作った場合は電話営業が必要になるかもしれません。メールよりも電話のほうが意思疎通しやすいでしょう。

あるいは電話の方が確実に相手に情報を伝えられますから、「こんな求人サイトを作っている」ということだけでも伝わるのは大きいです。求人ですから今は必要なくても後から必要になるケースもあるでしょう。

しかし、筆者としては求人サイトというネットサービスを行うのですから、インターネット上で営業活動をしてほしいと思っています。

会社の事業方針や経営者の考え方、得手不得手もあると思いますが、ネットで営業活動を行うことで、少なくともネットに強くなります。それが後に求人サイトの運営でプラスに働きます。

なにより求人サイトはネット上で企業と求職者をマッチングし、人材募集に関する業務の効率化を図るのに、リアル営業である電話営業を行うというのは本末転倒に感じます。

時間や費用などのコスト面から見ても、ネットを中心に営業活動するほうが安上がりです。自ら売り込まなくても集客してサイトに誘導するような流れに持っていけば、成約率は高くなるのです。

既に電話営業に関するノウハウや販売ルートをお持ちの方は、求人サイトを作って電話営業をするのもひとつの手段であるといえますが、新規でこれから始めようとされている方は、可能な限りネット集客に力を入れてください。

当運営ブログでもネット集客に関する記事を随時追加していきますので、是非参考にしていただければと思います。

※なお、求人サイトの営業活動にリアル営業が全く駄目だということではありません。やり方によって効果がある場合もありますので、その件についてはまた記事にしたいと思います。

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