求人サイトを運営していると様々な問い合わせがあります。求人サイトの使い方に関する質問から求人情報の内容についての確認、企業の担当者から料金やサービス内容についても聞かれるでしょう。
相談に対して迅速に対応することで顧客満足度が向上し、クレームも減ります。ひいてはそれが求人サイトの利用や求人掲載の依頼へとつながりますので、いい加減な対応はできません。
ただ、ひとえにサポート対応といっても色んなやり方があります。大きく分けても「インターネットを使うもの(デジタル)」「インターネットを使わないもの(アナログ)」と2種類の方法があります。
どちらもユーザーサポートには必要ですが、できること・できないことを見極めないと失敗してしまいます。かえってユーザーの不満を集め、クレームの原因にもなります。
そこで今回は「求人サイトで行える基本的なサポート」として、よく行われているサポート方法について説明したいと思います。
お問い合わせフォームを設置する
求人サイトにお問い合わせフォームを設置してユーザーの質問や相談を受け付ける方法です。お問い合わせ後はメールでのやりとりが中心になります。どのサイトでも使用される一般的なサポート方法です。
お問い合わせフォームは無料で使えるものから、有料で高機能なものまで様々あります。JOB-PLACEの求人システムにも必要最低限のお問い合わせフォームが実装されています。
お問い合わせフォームを用意しておくことで、ユーザーはいつでも好きなときに運営者に連絡することができます。運営者も時間を取られないので余裕がある時に対応することができます。
お問い合わせフォームは項目に沿って入力するので、欲しい情報を指定することができます。ユーザーから送信された情報はログとして形に残るので、マーケティングの材料としても役に立ちます。
一方、お問い合わせフォームがあることで営業メールなど意図しない連絡を受ける可能性があります。悪意のある人物から攻撃を受けやすくなるため、セキュリティ対応をしっかりしておく必要があります。
また、返信メールの書き方・送信の仕方も工夫する必要があります。誤字・脱字に気をつけ、失礼な言い回しになっていないか、誤解を受ける内容になっていないか注意する必要があります。
ただし、メールの書き方については”慣れ”の部分も大きいです。最初は簡素で味気ない文章であったとしても、サイト運営をしながら学んでいけば良いでしょう。
お問い合わせフォームは求人サイトのように多くのユーザーが利用するサイトでは必ず必要なサポート方法です。メールに不慣れな方もできるだけ用意するようにしましょう。
よくある質問を設置する
ユーザーから寄せられた質問や繰り返し相談される内容を「よくある質問」としてQ&A形式でまとめます。よくある質問があることで重複した質問を避けることができます。
よくある質問を用意しておくことで、仮に同じような質問があっても「こちらの回答もご覧ください」として紹介することができます。メールを書く時の手間も軽減することができます。
また、よくある質問を質問ごと・ページごとに分けることで、検索エンジンがひとつの情報として扱ってくれるようになります。SEO対策の一環としても有効です。
はじめて求人サイトを公開した時、質問はありませんが、あらかじめ「よくありそうな質問」を用意しておくことで、後から追加しやすくなります。内容については他の求人サイトを見ながら作れば良いでしょう。
なお、JOB-PLACEの求人システムには「FAQ」という質問と回答を登録して公開できる機能があります。FAQカテゴリー別に質問を分けられるので便利です。
マニュアルを作って公開する
求人サイトの操作方法を説明するマニュアルを作って公開します。マニュアルはWebページ(HTML)として公開した方が良いです。いつでも参照できるし、情報をすぐに更新できます。
マニュアルは文章だけの説明ではなく、挿絵として画像(画面キャプチャーなど)もあったほうが良いでしょう。JOB-PLACEの求人システムもマニュアルがありますので、ご参考ください。
マニュアルは家電製品などにも同封されていますが、基本的にほとんど見られることはありません。しかし、見るかどうかわからないから用意しないのは不親切です。
マニュアルを用意しておくことで、ユーザーからお問い合わせが来たときもマニュアルのページを指定して紹介することができます。作成するのに大変かもしれませんが、できるだけ用意するようにしましょう。
ブログを運営する
ブログを運営して情報公開するのも立派なサポート対応のひとつです。ユーザーから問い合わせがあったことをテーマにした記事を書くことで、同様の問い合わせを避けることができます。
当運営ブログもサポートの一貫として情報公開しています。求人ビジネスやサイト運営のノウハウから、集客方法のアドバイス、お役立ち情報の公開など、求人サイトを運営する方をサポートするために記事を書いています。
以前、何度か「本当に初期費用のみですか?」といった問い合わせがあったのですが、その理由を説明する記事を公開したところ、同様の質問はなくなりました。
もしかしたらまたご質問を受ける可能性もありますが、その時は上記の記事をご紹介してこちらの意図を把握してもらおうと思っています。あらかじめ記事があることで、URLをご紹介するだけで済みます。
同じ質問が集中した時はマニュアルやよくある質問を用意するだけでなく、ブログの記事として取り上げるとユーザーの理解力も深まるように思います。
また、質問に無いことでもあらかじめ予測して記事にすることで、ユーザーの誤解や疑問を避けることができます。ぜひブログもサポート対応の一貫としてご検討いただければと思います。
資料請求フォームを用意する
上記でご紹介したマニュアルは主に操作方法を説明する資料になりますが、操作方法ではなく、求人サイトの特徴やサービスの紹介をする資料を作るのも有効です。
特に企業の担当者向けにはオフラインで閲覧できる資料のほうが好まれます。上司への提出や会議の資料などに役立てることができるからです。ネット接続をしていない環境でも閲覧できるので、じっくり検討することができます。
資料はWordやExcel、PowerPointなどで作成し、PDF形式にして配布するのが一般的です。パンフレットや小冊子のように凝ったものでなく、文章が中心でも構いません。
オンラインマニュアルのようにWeb上からリンクをクリックするだけでダウンロードする方法もありますが、できたら資料請求フォームを用意して、フォームに入力した人だけに資料を渡すようにしてください。
手間がかかる資料請求フォームを利用した人は、より前向きにサービスの利用を検討している人だと言えます。フォームに入力した情報は、セールスやマーケティングにも役立てることができます。
当サイトにも資料請求フォームがあります。サイト上ですべて情報公開しているのであまり資料請求はありませんが、それでもまれにあります。資料請求をきっかけにやりとりすることもあるため、有効活用しています。
お問い合わせ用の電話番号を公開する
求人サイトを含め、Webサービスはあまり電話番号を公開しません*。インターネットを中心としたサービスであり、電話でお問い合わせを受けると時間がかかるためです。
※ここでの説明は一般ユーザーに対するお問い合わせであり、企業間取引や通販を行っている場合は公開することが多いです。
しかし、ユーザーの立場で考えると困ったときにすぐ相談できる電話というのは便利です。メールやよくある質問など文章の説明だけだとわかりづらい時があります。直接担当者に聞けるほうが理解も深まります。
もし電話を受け付ける余裕がある場合は、お問い合わせ用の電話番号を公開しましょう。番号はフリーダイヤルがベストですが、難しい場合は固定電話でも構いません。最近では050のIP電話を使うことも増えてきました。
電話を受け付ける時は対応可能な曜日と時間も決めます。だいたいは月~金曜日受け付けで土日祝日休業というパターンが多いです。休業中は留守番電話にすると良いでしょう。
電話はいつかかってくるかわかりません。あなたがひとりで求人ビジネスをはじめる場合は営業活動などで外出していることも多いでしょうから、電話を受け付けると大変です。
そういう時は「電話代行サービス」が便利です。電話番号を貸してくれて、電話の応対もしてくれます。お問い合わせ対応には向きませんが、企業からの問い合わせの場合、名前を聞いてもらうだけでも後から折り返せます。
以下のサービスは当方でも利用しています。料金も安く、困ったときにもすぐに相談に乗ってくれて助かっています。
今は電話代行サービス(秘書サービス)もさまざまありますので、もし電話サポートが必要だと思った際は検討してみてください。
企業に訪問して対応する
主に求人情報を掲載している企業に対するサポート対応になります。求人サイトは多少なりともパソコンやインターネットの知識が必要です。いくらマニュアルを用意していても、求人システムの操作に困る時があるでしょう。
そんなときに直接ノートパソコンやスマートフォンの画面を見せながら説明するとわかりやすいです。サポート対応をしつつ、次の求人掲載の依頼も頂けるかもしれません。
ただし事あるごとに訪問しては大変です。訪問サポート専用の人材を雇える場合は別ですが、通常はサポート回数を決めたり、「2回め以降は有料」などの制限を設けた方が良いでしょう。
このような訪問サポートはたとえ有料でもあるだけでだいぶ安心感が出ます。ネット中心のサービスだからこそ、人が直接対面してサポートするというのは価値があります。
特にあなたが地域限定の求人サイトを運営している場合は有効です。自身の活動範囲内で訪問できますので、交通費も時間もあまりかかりません。地域密着だけに企業も訪問サポートをしてくれた方が喜ぶでしょう。
個人事業主や小規模事業者の方で訪問サポートを行うのは人的リソースから難しい面もありますが、可能な範囲で行うようにしてください。きっと営業面でも良い影響を与えると思います。
まとめ
お客さまとやり取りをしていると、求人サイトの構築や運営に関する意見を出されることはあっても、サポートに関する意見はほぼありません。筆者が「サポートはどうしますか?」と聞いても戸惑う方がほとんどです。
実際に求人サイトを運営して、ユーザーからなにかしら問い合わせを受け付けてからはじめて実感が湧くのかもしれません。しかしそれでは遅いです。あらかじめ準備をしておかないと、問い合わせがあったときに困ります。
今回ご紹介した方法は求人サイトを含め、Webサービスとしてよくあるサポート方法になります。あなたもプロバイダーのサポートやネットショッピングのサポートなどで馴染みがあるかと思います。
基本的で当たり前と感じられる内容ではありますが、これらのサポート対応をしっかり行うことで、後のクレームを減らし、”サポートが必要ないサイト”を作り上げることができます。
サポートする機会が減れば、その分の時間を運営や営業活動に割くことができます。サポート対応するための人材を雇う必要もなくなりますので、経費削減にもなります。
サポート対応は直接利益にならないのでおざなりにする方も多いです。しかし、サポートをしっかり行うことでユーザーの不満を軽減し、満足度を向上させることができます。ひいてはそれがサイトの利益にもつながるのです。
慣れないうちはメールの返信ひとつとっても難しいかと思いますが、画面の向こうには人がいると思い、丁寧に対応してください。その積み重ねが求人サイトへの評価にもつながります。