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人材派遣会社のマネージャーに聞きました!求人サイトの構築と運営について

人材派遣会社のマネージャーに聞きました!求人サイトの構築と運営についてのイメージ

当サイトは人材派遣業を営むお客さまからお問い合わせをいただくことが多く、人材派遣に適した求人サイトを作りたいというご相談をよくいただいております。

過去に人材派遣業向けの求人サイトを納品したことはありますが、人材派遣に対する知識があるわけでありません。当ブログでご紹介している記事も人材派遣に関する話題は少ないと思います。

このままでは人材派遣業を営むお客さまからお問い合わせがあっても、適切な提案ができず、お断りする機会が増えてしまいます。JOB-PLACE自体も変化がなく、魅力がない製品になるかもしれません。

そこで実際に人材派遣会社で働いている人を取材し、どのように求人サイトを構築しているのか?どんな求人サービスを行っているのか?についてお尋ねすることにしました。

ただし、自分たちのクライアントに取材するのでは意味がありません。どうしても肯定的な意見が多くなるし、客観性を損ねます。サービス内容もこのブログで書いているようなことが多くなるため、目新しさもなくなるでしょう。

そこで「すでに求人サイトを構築し、求人サービスを行った経験のある人材派遣業者の方」を探し、取材することにしました。この条件であれば、当方が関わっていないため、客観的な記事にすることができるからです。

というわけで、今回は「人材派遣会社のマネージャーに聞きました!求人サイトの構築と運営について」をテーマに、人材派遣会社ではどんな求人サイトを作り、どのような考えでサービス展開しているのか?についてご紹介したいと思います。

人材派遣業を営んでいる方で、「求人サイトを作りたいけどどんなサイトを作れば良いかわからない・迷っている」という方は、ぜひご参考ください。

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インタビュー対象

インタビュー対象は、メディア関連の人材派遣会社でマネージャーをしているK・Nさん(30代男性)です。某ソーシャルサイトでアポイントを取り、匿名を条件にご協力いただきました。

普段は70名の登録者に対してマネジメントをしているとのこと。人材派遣の知識が豊富にあるだけでなく、求人サイトの運営に携わったこともあり、JOB-PLACEのサービス内容にも理解を示していただけました。

遠方でのやりとりなため、取材方法はこちらから質問文を送信し、それに回答していただくという形をとりました。その質問・回答文を以下にまとめ、インタビュー型式でご紹介したいと思います。

求人サイトを作ったのは取引先に貢献するため

──求人サイトを作ろうと思った理由・きっかけを教えてください

3年ほど前から弊社の取引先であるメディア関連会社(テレビ局、ラジオ局、イベント会社など)の担当者から「人がいなくて困っている。誰か派遣してほしい」という声が増えてきました。

あるイベント会社では仕事を受注したにもかかわらず、人手不足で現場が回らず、イベントが大失敗してしまったという事例があります。そういった事情を踏まえ、取引先に貢献できるサイトを作ろうと思いました。

──どのような求人サイトを作りましたか?

WordPressを使った自社オリジナルのサイトになります。実際のサイト制作は外注に依頼しました。委託先の業者とヒアリングを重ねながら、サイトを作りました。

ただし、リクナビとかdodaのような求人ポータルサイトというよりも、「求人機能がある会社のサイト」という表現が適切だと思います。

※注釈:求人サイトという表現はどちらかというと求人ポータルのことを指すことが多いため、以下では“自社サイト”として質問しています。

──自社サイトで用意している求人機能を教えてください

主にサイト上にある申し込みフォームが人材獲得の機能を果たしています。フォームから派遣スタッフとして働いてくれる登録者を募る形です。

弊社の特徴として、派遣先がテレビ局やラジオ局、イベント会社などメディア関連の企業に絞っているため、申し込みフォームには「自分の興味があるジャンル」「自分が得意としていること」「過去に制作したコンテンツ」などを記載してもらいます。

派遣先から「このような人材を求めている」という連絡を受けたら、そのリクエストに該当する人材を見つけ、こちらから提案してマッチングを図るという流れになっています。

サイトの制作費は割高であり、時間もかかった

──自社サイトを作った際の金額、期間を教えてください

サイトの制作費は60万円でした。文字の修正など簡単な変更は自社で行い、ガジェット(画像やバナーなど)の変更や新しい機能の追加が必要な時は、外注先に依頼して作業してもらいます。

外注先で負担の大きい変更については、その都度見積書を発行してもらい、別途費用が発生する契約になっています。

──制作費についてどのような感想をお持ちですか?

サイト上からの求人・申し込みが少ないことを考えると、金額は割高だったのかなと思っています。

依頼した会社が求人サイトの制作に特化した会社ではなかったので、こちらの要望と仕上がりが食い違うことがありました。そのため、納品までかなり労力がかかってしまいました。

弊社がお世話になったWeb制作会社の担当者は、納品前と後では対応にかなり差があると感じました。こちらの成果を気にしている様子はなく、「作って終わり」というスタンスが見え隠れしたのは不満な点です。

依頼する前は見積もりや仕様について頻繁に連絡があったのに、納品後のリクエストに対して返信が遅くなるなど、少し手のひらを返されてしまった感があります。

サイトからの申し込みは少ない

──集客はどのようにしていますか?

主にSNSを利用しています。弊社の派遣を経験した実績のある人材に、FacebookやTwitterで現場の体験談を拡散してもらっています。投稿と一緒に「興味のある人はご連絡ください」として、弊社の問い合わせ先をリンクしてもらっています。

──派遣社員が集客に携わるのは珍しいのでは?

登録者がメディアに出演するという案件が多いので、セルフプロモーションも兼ねて登録者自身が投稿・拡散しています。弊社スタッフはその投稿を自社のSNSで拡散するという後方支援の立場を取っています。

このようなやり方で多くの人が登録してくれるだろうと期待していたのですが、期待通りの結果を得ることはできませんでした。

──サイト上からの申し込みはありますか?

サイトからの申し込みは正直言ってかなり少ないです。むしろ登録者のSNSを見てから申し込みされる方が多いです。オウンドメディアとして、自社サイトの力不足を感じています。

SNSでは表現できない「深くて濃いPR記事の作成」が弊社の課題です。しかしながら、人材不足であり、自社スタッフがWeb上でのPR活動まで手が回りません。また、それに特化した人材を雇う予算がなく、手詰まりの状況でもあります。

──効果がないので止まっているという状態ですか?

Webに力を入れたのに全くと言って良いほど効果がなかったので、そこに改めて人材を配置するのは社長としても避けたいようです。現在のサイトは作りっぱなしで放置している状態であり、生かさず殺さずの状況です。

予算があればもっとWebを活用したい

──仮に必要な人材や予算があれば、やってみたいと思われることはありますか?

はい。社長は新しい求人サービスの構築には否定的なのですが、「もし予算がつくなら、こうしたい」というのを私なりに考えています。現状のサイトでは「応募するならご自由にどうぞ」という受け身のスタンスに終始しています。

そこから二歩も三歩も進んで「弊社に登録するとこういう未来が描けます!」といった感じを見せられればと思っています。実際に弊社に登録して活躍している派遣スタッフを動画で紹介するなど考えています。

──実際に御社で活躍している派遣スタッフは、サイトから登録された方ですか?

いいえ、Webとは関係なく求人雑誌を見て応募してくれた方です。彼女いわく「ページの最初に書かれていた“子育てしながら働ける”という文言に惹かれ応募したそうです」

こういった方もいるのですから、Webでも同じようにPRすれば効果的ではないか?と考えています。

コミュニケーションが取れる制作会社が必要

──サイト制作を依頼した業者に不満とありますが、どのようなサポートをお求めでしたか?

もちろん、無償で永久的にサポートが続くとは思っていません。こちらからのリクエスト内容によっては、追加料金が発生することは当然だと考えています。

ただ、事前に納品後のサポートについてもっとコミュニケーションが取れていたらよかったな、と思っています。納品後のサポート回数や期間が明確で、有償・無償のラインがハッキリしていたら問題なかったでしょう。

しかし、そういう取り決めをせずに「○○の修正をしてほしい」と連絡したら「それは別料金がかかります」と言われ、その時に初めて有償であることを知りました。事前にもっと納品後のサポートについて聞いておけば良かったです。

一方的に「納品後も細やかなケアをしてもらえる」と思っていたので、弊社にも不手際があったなと反省しています。

──業者とのコミュニケーションはどのような方法をお求めですか?

電話よりメールを好みます。電話はどうしても時間を取られてしまうので、返信に融通のきくメールの方が助かります。

ただし、対面で話し合った方が行き違いも少なくなると思うので、「基本はメール。具体的な話をするなら直接会ってから」という希望をもっています。

──これまでのお話をお伺いしていると、コミュニケーションをかなり重視されているように感じます

そうですね。コミュニケーションをかなり重要視しています。たとえば制作物に関しては、よっぽど粗悪なものでない限り、許容できます。極端な言い方をすると、ある程度の技術をお持ちであれば、サイトは作れるかと思います。

それよりも制作までの過程や納品後の対応が重要です。いかに気持ちよく仕事ができるかが大事だと考えているからです。長い関係性を大切にしたいので、サービスを受ける立場・提供する立場に関わらず、密なコミュニケーションが取れたらいいなと思います。

しかし、コミュニケーションを重視している制作会社は少ないです。以前、Web制作会社に相談した時も「それぐらいは自分でやってください」と冷たく突き放されたことがありました。

こちらの相談内容が不明確だったのかもしれませんが、それではあんまりだと凹んだ記憶があります。

デザインや機能は最低限で、サポートを厚くしてほしい

──当方では常日頃から求人サイトの構築は最低限の予算で行い、それ以外の集客やサポートに充てるべきだと啓発しているのですが、どのように思われますか?

私もそのように感じています。特に部長・社長クラスの方は「サイトを作ればどうにかなる」と思っている節があります。サイトを作ることがゴールになっているようですが、目的はあくまでも求人の登録があることです。

サイトの機能を厳選し、シンプルなものにして、できるだけ低予算でスタートし、アイディアをひねり出して人を集めることが大事だと思っています。そして、集客に関するノウハウまで伴走してくれるWeb制作会社があったらとても嬉しいです。

私はサイトの運営担当として、業者から納品された後に、「これからどうしたらいいのか…」と、途方にくれ経験があります。その時に他社の失敗例・成功例を教えてくれるだけでも救われたかもしれません。

担当者の悩みに寄り添ってくれるWeb制作会社さんがいたら、私はそちらを選びます。もちろんサポートするにしても限界があるとは承知の上です。難しいことであるとも思っていますが、だからこそ価値があるのではないでしょうか。

「人が集まって登録数が伸びる」ことがサイトを作る上でのゴールなので、そのゴールに向かってサポートしてくれる人がいたら、とてもありがたいです。

──当サイトはサポートの一環として運営ブログを公開しているのですが、いかが思いますか?

ブログもツイッター経由で拝読しております。そこで働く人の姿が見えるようで、とても良いイメージを持ちました。ブログ更新は思った以上に負担はかかりますが、読者に有益な情報なので、ぜひ続けていただきたいと思います。

人材派遣業界の今後について

──人材派遣業界ではITやWebは頻繁に活用していますか?

ITを使える人と使えない人の「差」が激しくなっているように感じます。テクノロジーに慣れている人は自ら新しいサービスを試していますが、若者でも慣れていなかったり興味のない人はまったく活用できていません。

人材派遣業界が特にどうこうというわけではなく、どの業界でも使える人と使えない人の「差」が激しくなっているように感じます。パソコンが苦手な人は確実に増えている実感があります。

たとえば、スマートフォンのフリック操作で物事が完結するため、ブラインドタッチができなかったり、長文が書けない人が増えているように感じています。そういった面でサイトを運営・保守する人材が少ないというのもあるかもしれません。

──派遣業界の今後についてはどのようにお考えでしょうか?

大切にすべきは採用人数より定着率だと思っています。無事に採用できてもすぐに離職されては意味がないし、余計にコストがかかるだけです。企業側が求める人材を具体的に伝え、条件が合えば誰でもいいというスタンスは止めるべきだと思っています。

また、求人を取り巻く環境はすでに変化しています。労働人口の減少や働き方の多様化という外部要因から、派遣で働くというモチベーションの変化まで、人々の考え方は変化しているため、派遣会社もそれに対応する必要があると思っています。

人材不足が叫ばれる今、人材を「囲む」のではなく、「流動」させることがポイントだと感じています。色んな方に派遣という形で働いてもらうためにも、SNSや求人サイトを上手く活用する必要があるのではないでしょうか。

今回のインタビューを経て

──今回のインタビューを経て、求人サイトを作りたいと思われている方に伝えたいことはありますか?

一言でいうなら「人材派遣会社の担当者の気持ちに寄り添える制作会社を探してほしい」ということです。

私の立場では、たくさんの人が派遣スタッフとして登録してくれることが至上命題になります。派遣する人材がいなければ仕事になりません。

そのため、サイトの機能やデザインよりも、人が集まるかどうかが重要であり、その点についてもっと一緒に話し合っていける制作会社・担当者が必要だと思っています。

もちろん制作会社では複数の案件を抱えており、弊社はあくまでクライアントの一つにすぎないのかもしれません。しかし、それでもこちらからの連絡にきちんと返信をいただくだけでも救われていたと思います。

弊社としましても、事前の打ち合わせ不足が原因だと反省しておりますし、もしサイトをリニューアルできる状況になったのなら、まずは担当者にしっかりと弊社の悩み・問題点を伝えることから始めようと思っています。

人材の登録があった時に、一緒に喜んでくれるような制作会社があれば、私は間違いなくそこに発注します。デザインや機能は最低限にする代わりに、サポート体制を厚くしてもらえることを望みます。

このインタビューを読まれている方も、「自分の会社では何が一番必要なのか?」を見極め、求人サイトの構築を依頼する業者なりツールなりを選定していただければと思います。

──ご協力いただきありがとうございました。Web制作会社への提言などもぜひ参考にさせていただき、今後の求人サイト構築サービスに役立て行きたいと思います。

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