求人サイトの構築には相応の制作費が必要になります。JOB-PLACEは業界最安級の料金プランであると自負しておりますが、それでも約30万円は必要になるので、起業したばかりの方には高額だと思います。
そこで求人サイト構築に使える助成金や補助金は無いかと思い、専門家に話を聞きながら調べました。これだけ人材不足や働き方改革が促進されているので、仕事の仲介を行う求人サイトは補助の対象になるのではないか?そう思っていました。
しかし、結論から言うと求人サイトを構築する運営者が直接受け取れるような専門の助成金・補助金はありませんでした。
ただし、起業家の方や小規模事業者の方を支援するための助成金・補助金や、ホームページ作成に使えそうな助成金・補助金はありました。
もしかしたら求人サイト構築にも使えるかもしれないと思いましたので、それぞれご紹介したいと思います。
起業家向けの助成金・補助金
求人サイトは雇用・労働を仲介する場所としてサービス提供しているWebサイトになりますが、求人サイト構築に関する直接的な助成金・補助金は見つかりませんでした。
しかし、起業家や創業者向きの制度はいくつかありました。起業家の方が新しい事業の一環として求人サイトを作るということで、助成金・補助金を受け取れるかもしれません。いくつかご紹介します。
小規模事業者の事業の持続的発展を後押しするため、小規模事業者が商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って取り組む販路開拓等の経費の一部を補助します。
小規模事業者を対象とした補助金の制度です。これから起業される方や個人・零細企業などの小規模事業者が、新たな販路開拓として求人サイトをはじようと思った場合、使えるかもしれません。
新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的に、新たに創業する者に対して創業等に要する経費の一部を補助します。
求人サイトを作り、求職者が雇用されることで国内の経済活性化につながるかと思いますので、この制度も使えるかもしれません。
中高年齢者( 40 歳以上)の方が、起業によって自らの就業機会の創出を図るとともに、 事業運営のために必要となる従業員(中高年齢者等)の雇入れを行う際に要した、 雇用創出措置(募集・採用や教育訓練の実施)にかかる費用の一部を助成します。
中高年の方が起業した時に貰える助成金です。「自らの就業機会の創出を図る」とあるとおり、雇用の促進につながる求人サイト構築は認められるかもしれません。
ホームページ作成に関する助成金・補助金
ホームページ制作に関する助成金・補助金もあります。ホームページ制作=求人サイト構築ですから、これらの制度も使えるかもしれません。
・MINATOあらかると|中小企業支援情報|中小企業向け補助金制度|ホームページ作成・変更費用を補助します
区内中小企業や商工団体等が新たにホームページを作成する場合、または既に開設しているホームページを変更する場合、制作費用等の一部を区が補助します。
東京都港区の制度です。補助金の対象に「コンテンツ制作費用」とありますので、求人サイト構築も当てはまるかと思います。補助金額は中小企業で上限5万円、商工団体等で上限50万円とのことです。
市内の中小企業者が販路開拓を行うために、市に登録されている業者に委託しホームページの新規作成を行った場合に、次の内容で、委託に要した経費の一部を補助します。
大阪府の吹田市の制度です。ホームページの新規作成を行うための外部委託費が補助対象になるようです。上限は5万円です。
他にもホームページ作成関係の助成金・補助金を交付している地方自治体があると思います。ぜひあなたのお住いの地域で実施していないか確認してみてください。
採用企業が使える助成金・補助金は多い
人材を雇用する企業側(採用企業)の制度は多くありました。いくつかご紹介します。
東京都では、都内企業の働き方改革の気運を高めていくため、「TOKYO働き方改革宣言企業」制度を創設します。働き方・休み方の改善に向けて、「働き方改革宣言」を行う企業等を募集し、様々な支援を行います。ぜひご活用ください。
東京都内で事業を営む企業に対して、働き方や休み方の改善に関わる経費を助成するための制度のようです。奨励額は最大60万円になると記載があります。
求人サイトで採用企業に対してアピールする場合、「働き方や休み方を改善する制度があり、奨励金がもらえます。御社の制度を見直し、求職者にアピールしませんか?」といった提案ができるかもしれません。
また、求職者に対しては、「ゆとりある働き方を推進している企業」「休日休暇がきちんと取れる企業が掲載しています」としてアピールできるかもしれません。
働き方改革以外の雇用関係の助成金について、上記のページから探せるようです。いくつか求人サイトに関係ありそうな(使えそうな)助成金をピックアップしてみます。
高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
高年齢者や障害者向けの求人サイトを作る時、企業に助成金が使えますよっとアピールできると思います。
職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者について、ハローワークや職業紹介事業者(※)等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成するものであり、それらの求職者の適性や業務遂行可能性を見極め、求職者および求人者の相互理解を促進すること等を通じて、その早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。
求人サイトは経験者を優遇しているイメージがありますが、経験者優遇になるとどうしても求職者の幅が狭まり、登録数やアクセス数も延びません。
ですので、未経験者を積極的に採用する企業を集めることができれば、大きなアピールに繋がります。
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下「有期契約労働者等」という)の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。
非正規雇用が問題となっていますが、非正規雇用ではなく正規雇用にするための助成金もあります。この助成金があることでアルバイト募集から正社員募集に変えられるかもしれませんので、採用企業に雇用形態の改善をアピールできると思います。
その他、雇用関係の助成金は多くありますので、厚生労働省で公開している情報を参考に、採用企業にアピールしてみるのも良いと思います。
まとめ:求人サイト構築に使える制度は色々あります
国が行っている助成金・補助金はあまり馴染みがなく、公に周知されていないので、正直言って「探さないとわからない」状態ではあります。税金になりますから、それは当然かもしれません。
しかし、れっきとした制度として交付しているものです。国を良くするため、人々の暮らしを良くするために、企業のお手伝いをしようと国が用意した制度です。
であるならば、求職者と企業の雇用関係を仲介し、働く場を提供する求人サイトというのは、働き方改革に伴う事業だと思いますし、国の募集意図にも合うのではないかと思います。
求人サイトではありませんが、ポータルサイトの制作依頼で助成金を受け取りたいからと、お客さまに相談されたことが何回かあります。
ポータルサイトの開発は特に多くの制作費が必要になります。助成金を受け取れればお客さまも楽になり、当方としても価格を意識した提案をしなくても良くなるので、純粋にサイトの質を高められます。
ですので、可能な範囲での協力をさせていただき、「どういったポータルサイトを作るのか?」と言った資料を作成して提出しましたが、助成金交付までは難しかったようです。
今やネット時代ですから、新事業を行うとなりましたら、「まずはホームページを作る」となるのは当然だと思います。それだけに競合も多く、コンペ形式の助成金・補助金の場合、受給を勝ち取るのも大変だと思います。
ですが、求人サイトなら目的も明確ですので、申請資料も作りやすいかと思いますし、国や自自体の審査員の方にも認識してもらいやすいように感じます。
なお、助成金・補助金の姿勢については最寄りの助成金相談センターや社労士などにご相談いただければと思います。ネットでも助成金申請をサポートするサービスはあります。
ぜひ「求人サイトを作りたいけど予算が心配・・・」と思われる方は、助成金や補助金を活用されてはいかがでしょうか?もし当方で出来ることがありましたら、可能な範囲で協力されていただきますので、ご相談ください。