今やどこの企業でも自社サイトを持っている時代です。Web制作会社に依頼して見栄えが良い情報量が豊富なサイトもあれば、無料サービスを使って会社概要だけ紹介しているサイトもあります。
あるいはブログを運営して自社の商品やサービスを紹介したり、TwitterやFacebookなどのSNSを活用して顧客とのつながりを重視する企業もあるでしょう。
どこも自社サイトや自社関連のWebアカウントを持っていて当然の時代ではありますが、「ネットは苦手」という理由であまりネットを活用されていない企業も多くあります。
IT/Webにあまり馴染みのない業界(例えば製造業や農業など)の企業がネットを使っていないというのは分かるのですが、中にはIT企業やWeb制作会社でも活用していないところがあります。
実は当サイトの運営元であるRd-II自体が「Webを活用していないWeb制作会社」なのです。サイトは開業時の2005年から変わっていませんし、TwitterやFacebookのアカウントはあるものの、情報発信していません。
なぜWeb制作を行っているのに自ら情報発信していないのかというと、単純に「手が足りないから」です。通常の業務であるお客さまのWeb制作依頼やシステム開発を優先しているので、サイト更新まで手が回らないのです。
Web制作会社なのに自社サイトが簡素だったり、古かったりするサイトも、おそらく当方と同じ理由だと思います。少人数で業務しているので、日々の制作作業に追われ、自社サイトの更新は後回しになっているのでしょう。
Web制作業の場合はどちらかというと新規よりもリピーターのお客さまが多いので、自社サイトからの集客を意識した作り方をしていなくても仕事の依頼があります。
※ちなみに自社サイトからの集客を意識したWeb制作会社で、いちばん有名なのは東京都台東区にある株式会社LIG社だと思います。ブログで積極的に情報配信を行い、サイトからの依頼につなげています。
しかし、集客うんぬんだけではなく、自社サイトが古い・見栄えが悪い、または存在しないことに対する問題があります。それは企業の実態がわからないことです。
企業の実態がわからないとは?
上記では「自社サイトを集客に利用していない」と書きましたが、当サイトも含め、自社サイト以外でWebサービスを行っているサイトがあるので、サイト上からお問い合わせが定期的にあります。
お問い合わせフォームには企業の担当者だと思われる方から「○○社の○○です。御社のサービスに興味があって問い合わせました」と連絡が来るのですが、会社名があるとまずその名前で検索します。
会社名を検索し、お客さまの自社サイトを見て、このお客さまはどういう事業に当方の製品を使用したいのか?どんなサイトを作りたいのか?を想像して返信します。
もちろん、お客さま自らが「こういう用途に利用したい」と希望を伝えてくれる場合がほとんどですが、お客さまのことを少しでも知っておくことで、より具体的な回答が出来るので、事前に調べるようにしています。
おそらく筆者以外の多くのビジネスマンは同様のことをしていると思います。飛び込み営業で来たセールスマンや、イベントやセミナーで知り合った方の会社名で検索し、どんな事業を行っているか確認しているでしょう。
その時に、自社サイトがしっかりしていると相手に対して親近感が生まれます。ビジネスの話をしている場合、そのビジネスに対する説明が自社サイトに掲載されていれば信憑性も生まれるでしょう。
しかし、自社サイトが会社概要だけであったり、まともに更新していないサイトの場合はどうでしょうか。「本当にこの会社は存在するのか?」と疑惑の念を持ってしまうかもしれません。
事実、当方の事業用サイトも古いままなので「Web制作の素人」と思われたことがあります。打ち合わせをした方には直接説明したり、制作実績を見せることで理解してもらえますが、新規のお客さまはそうではありません。
サイトが動いている実態がないと「怪しい会社だ」と思われ、せっかく知り合っても(あるいは問い合わせが来ても)ビジネスにつながらなくなってしまうのです。
求人情報があることで企業の実態を知ってもらう
これはBtoBの企業間取引のことだけではありません。BtoCの企業対消費者間取引でも同様です。
ユーザーが企業検索をした時に、その企業のサイトが全く更新されていないと、企業の実態に疑惑の念を感じてしまうかもしれません。例えWebに関係ない業界でもそれは変わらないでしょう。
今やネットの時代です。10代・20代は誰でもスマートフォンでネットにアクセスしています。自社サイトが全く更新されていない企業は、「古臭い・遅れている」という印象を抱かせてしまうかもしれません。
ですので、自社サイトがユーザーに与える印象というのは、企業が考えているより大きいのです。自社サイトの印象が悪いとせっかくのビジネスチャンスも逃してしまいます。
そこで求人サイトの出番です。求人サイトで求人情報を出すことで、ユーザーに「ネットを活用している企業」だと思ってもらえます。少なくとも「ネットを全く活用していない古い企業」だと思われることはないでしょう。
検索エンジンで会社名を検索した時に、自社サイトと併せて求人サイトに掲載した求人情報がヒットする時があります。それを見ることで自社サイトが古くても信憑性を与えることができます。
しかも求人情報の場合、掲載期限があります。一般的には2週間や4週間でその求人情報は掲載されなくなります。ということは、求人情報を掲載している企業は「更新している企業」だと思ってもらえます。
たとえ年中求人を行っている企業であっても、求人サイトで求人情報を出していることで、存在を認識してもらえます。企業の存在を知ってもらうには最適な媒体ではないでしょうか?
求人情報がサイト更新代わりになる
ただ求人サイトで求人情報を出しているだけでは、いずれ掲載期限が来て非公開になります。ユーザーが求人情報を閲覧するタイミングによっては検索エンジンの検索結果にも表示されないかもしれません。
また、求人サイトによって求人情報を検索エンジンにヒットさせなくしているところもあり、求人情報を掲載している・ネットを活用しているということを知られないこともあります。
そこで自社サイトやSNSに求人サイトで求人情報を掲載している、と言うことを伝えるのはいかがでしょうか?求人情報へのURLとともに「スタッフ募集中です」とひと言掲載するだけなら更新の手間もかからないと思います。
以下、使用例をご紹介します。
例1)お知らせページに掲載する場合
タイトル:Webデザイナーを募集しています
本文 :(サイト名)でWebデザイナー募集の求人情報を掲載しています。Web制作に興味のある方はぜひご応募ください。
htttp://~求人情報のURL~/
例2)Twitterでつぶやく場合
弊社ではWebデザイナーを募集しています。Web制作に興味のある方はぜひご応募ください。htttp://~求人情報のURL~/
このようなわずかな情報でもユーザーには「更新している」という印象を与えることができます。ですので、求人サイトの情報も積極的に自社サイトで活用しましょう。
求人サイトの運営者ができること
今回は求人サイトの運営者というよりも、求人サイトを利用する企業側の視点に立って、求人サイトのメリットや使い方をご紹介しました。
求人募集はどの企業でも必ず必要になります。自社サイトで「採用情報」「スタッフ募集」などのコンテンツを作って募集しているところもありますが、定期更新が必要になるので、どうしても”作ったきり”になってしまいます。
※お恥ずかしながら当方の事業用サイトでもスタッフ募集はずっと更新していません・・。
逆に自社サイトでコンテンツを用意するのではなく、求人サイトで求人募集しているところもありますが、自社サイトではそのことを公開していない企業も多いです。
しかし、上記でお伝えしたとおり、求人サイトで募集していることをひと言伝えれば、それが自社サイトの更新につながります。新しいコンテンツを作らなくてもただリンクを貼るだけでも良いのです。
この、”求人サイトに掲載している情報は自社コンテンツの代わりになる”ということをアピールしている求人サイトはほぼありません。実にもったいないです。
実は企業が自社サイトで求人サイトへのリンクを張ることで、SEO対策にもつながります。求人サイトで公開している求人情報はその企業が掲載した情報ですから、リンクとしても関連性があります。(違法リンクではない)
当然、求人サイトとしても関連があるリンクを集めることで、SEO的な評価を受けることが出来るので、上位表示が期待できます。業界を絞った専用求人サイトであれば、なおさらその効果は高いでしょう。
ですので、求人サイトの運営者は積極的に企業に対して「求人サイトの求人情報を更新コンテンツとして使ってください」とアピールした方が良いでしょうし、アピールしやすいサイト作りが必要だといえます。
ただし、ひとつ注意事項を挙げると、単に掲載企業のリンクを集めるのは良くないです。そればかりか、被リンクスパムのような評価を受けてしまう可能性があります。
※被リンクスパムとは、リンク集や機械的に作成したサイトからSEO目的でリンクを受けることです。リンクファームとも言います。
あくまで「求人サイトで掲載してる情報は、特定の企業が出している求人情報である」という関係性・関連性が大事です。双方間でつながりが感じられれば、URLが異なっていてもリンクスパムにはなりません。
このようにサイト設計に注意しつつも、求人サイトが企業サイトの補助になるようなコンテンツ提案ができれば、利用促進につながり、ユーザーの企業に対する認識も高まります。
そして企業のイメージが高まればあなたの求人サイトはもっと重宝されるようになり、求人情報のリピート掲載につながるかもしれません。
ぜひ求人サイトと企業サイトのつながりを意識したサイト運営をしていただければと思います。