求人サイトの制作費は他のサイト形態(種類)と比べて高くなりがちです。
どうして高くなるかというと主に3つの要因があります。
1:求人システムが必要だから
求人情報の掲載や求人応募など、最低限必要な求人機能から、スカウトやお祝い金など求人サイトならではの機能まで、複数機能が必要になることが多いので、開発コストがかかってしまいます。
2:複数人が利用するから
ざっと分けても、求職者、企業、運営者(管理人)と、3種類のユーザーが存在します。
複数人が利用するということは、セキュリティ面やサイト上の説明など、考慮する部分が多く、それだけコストがかかってしまう要因になります。
3:確認することが多いから
求人情報として用意する募集要項や応募までの流れの確認、対象とする業種(職種)や地域などの設定、お客さまのビジネスモデルの仕組みに関する確認など、受注者と発注者で確認する内容が多いのです。
その為、どうしても時間がかかってしまいます。打ち合わせやヒヤリングに対する時間分のコストを上乗せするため、制作費も高くなります。
もちろん、市販の求人システムやパッケージ製品を購入すると、1~3に対する人的コストは抑えられるかもしれません。
ただ、市販の求人システムでもそれなりの価格がします。試しに「求人サイト構築システム」「求人サイト作成システム」などで検索してみてください。
各社いろんな製品を販売しておりますが、求人システムの購入だけで数十万円~百万円近くするところがほとんどです。
※ちなみに、当方の別サイト「R-STUDIO」で販売している求人作成システムは、19,800円です。有料の求人システムでは一番安いと思いますが、こちらは求人サイトを運営するためのシステムではないので、ご紹介を省きます。
求人システムの購入だけで数十万円するのに、それからデザインを制作してサーバに設置して運営用の設定をして動作テストをする。この分の費用を計上するとかなりのコストが必要になります。
これでは求人サイトを作るだけで予算がなくなってしまいますよね。
実際に求人サイトを作った後に必要な広告宣伝、営業活動などを行う資金が足りず、「作って終わり」となってしまう求人サイトが多く存在します。
そうなっては元も子もありませんので、今回は「求人サイトの制作費を抑える」という観点で、記事を書いてみたいと思います。
一番やりたいことを決める
「一番やりたいことって言っても求人サイトなんだから求人情報の掲載なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実際にお客さまとやりとりをしていくとそうでないケースが多いです。
最初のお問い合わせでは「求人情報を掲載して応募できるような簡単なサイトを作って欲しい」と言われるのですが、詳しくお話を聞くと「学生を対象とするので駅検索や特徴検索ができたほうが良いな」とか「写真をたくさん掲載して動画も再生出来る方が良いな」とかご要望が増えることがあります。
小さな作業なら随時対応していくことが可能でも、それが積み重なることで制作者としては辛くなります。特にシステム開発の場合は後から要望が増えることで設計が変わる可能性があり、不具合やミスの要因にも繋がります。
そういう”後から作業が増えるかも知れない”ということを考慮して、Web制作者や開発会社は見積もりを行っていますので、結果としてどうしても制作費が高くなりがちです。
ですので、お客さまの中で”一番何がやりたいか”を決めていただき、「最低限この機能は譲れない!」と思われる機能や仕組みを決めることで、求人サイトの制作費を抑えることが出来るようになります。
もっとも重視することを決める
Web制作に関する作業は多岐に分かれます。デザイン、プログラム(コーディング)、サーバ、コンサルティング、マーケティングなど色んな作業が必要になり、それぞれの担当者がいます。(フリーランスで活動している方の場合は、これらを全て1人でこなす人もいます。
発注者としては「デザインが綺麗で高機能なシステムを作り、処理能力の高いサーバに設置して納品後もサポートしてくれる人に頼みたい!」というのが理想ですが、その為には複数人が作業をする必要があり、多くの制作コストが必要になります。
ですので、あらかじめ”もっとも重視することは何か?”を判断し、重視することに対する要望を中心に伝えるようにすると、コスト削減に繋がります。
とはいえ、他の要素が適当で良いという意味ではありません。求人サイトとして見栄えの良いデザインを作ったとしても、求人システムの使い勝手が悪く、動作が重ければリピーターに繋がりません。
逆に求人システムは高機能でも、デザインが簡素で説明も少なく、求人サイトの目的をアピール出来ない構成なら、会員になって求人システムを使ってもらえることはありません。
もっとも重視する事は決めつつも、自身の中で優先順位を付けて、他の要素にも目を向ける必要はあると思います。
予算を伝える
Web制作を他者に依頼する方の多くは「予算を伝えるとボッタクられてしまう」と懸念し、最初に予算を伝えないことがあります。
確かにお客さまの予算によって受注金額を変えたり、大げさに言って相場よりも多額の料金を請求しようとする業者は存在します。
しかし、今はネットで簡単に調べられる時代です。「Webサイト制作料金」「ホームページ作成費用」などで検索しても情報が表示されます。
参考1:制作費の内訳を大公開!Webサイト制作にかかるお金について
ネットがあれば発注者がある程度の相場観を調べることは可能ですので、ボッタクリ業者を避けやすくなります。
また、今はSNSやブログなどで情報が拡散される時代です。明らかなボッタクリ価格を提示して、それをネット上に公開されては炎上の原因になってしまいます。
そうなると会社の評判が落ちて、仕事がなくなってしまうかもしれませんので、業者は安易にボッタクリ価格を提示できません。
ですので最初に「予算はこれだけです。この予算で求人サイトを作ることは可能ですか?」とお問い合わせすることで、予算内に沿った提案をいただけるようになると思います。
なお、当方の求人サイト構築サービスでは、あらかじめ料金表を公開しており、どんな求人システムであるかデモサイトにて公開しておりますので、明朗会計です。
カスタマイズのご依頼など、一部で見積もりが必要なケースもありますが、基本的には料金表に掲載しているとおりですので、ご安心ください。
依頼内容を文章化し、責任範囲を明確にする
Web制作は作業範囲が広いというような話をしましたが、お互いの認識の違いが生まれやすく、「言った・言わない問題」が発生する可能性があります。
発注者側が「これはやってくれるだろう」と思っていたことに対して、受注者側はそう思っておらず、後から指摘することで別料金が必要になると言ったケースは残念ながらよくあります。
こういったトラブルを避けるためにも、発注者側は事前に依頼したいこと・やってほしいことを文章化して業者に伝えるが大事になります。
Web制作用語や細かい仕様を記載する必要はありません。Webシステムの機能に関しても、「企業が求職者に連絡をして、サイト上でやり取りできる機能が欲しい」など、抽象的で構いません。
WordやExcellなどで依頼内容をできるだけ詳しく記載することで、受注者側としても発注内容が明確になり、見積もりを出しやすくなります。
後から「言った言わない問題」が発生した祭もその依頼書を見れば、どちらに否があるかは明確です。ですので大変かと思いますが、出来るだけ依頼内容は文章化するようにしていただければと思います。
なお、ただ依頼内容だけを書くのではなく、サポートや支払いに関する希望も文章化した方が良いです。何か問題が置きた際に誰がどのように対応するかが明確になることで、予期せぬトラブルを避けることができます。
なお、当方では基本的にお客さまから依頼された内容を自身の言葉で文章化した「作業内容書」というものをお渡ししています。
A4用紙にして約10ページほどと文章量は多くなりがちですが、作業内容を明確にすることで後ほど作業が増えそうになっても確認できます。これにより「言った言わない問題」を避け、契約までスムーズに行うことができます。
JOB-PLACEの求人サイト構築サービスではサイト上に作業内容や料金、作業の手順について記載していますが、こちらも可能な範囲で文章化してお伝えするようにしています。
発注者・受注者ともに納得して業務に取り組むためにも、依頼内容を文章化して、双方納得の上、契約を結べればと考えています。
ネットで検索し、相見積もりを取る
求人サイトを含め、Web制作を業者に依頼する場合、可能な限り複数他社に見積もりを取るようにしてください。
複数に見積もりを取ることで大体の相場感というものが見えてきますし、業者の対応で制作料金以外の良し悪しというのが判断できるようになります。
相見積もりを取る時、ただ「求人サイトを作りたい」というのではなく、上記で述べたように、もっとも重視していることや依頼内容を文章化して伝え、可能であれば予算も伝えるようにしてください。
そうすることで業者もより明確にお客さまの希望を把握することができるので、詳細な見積書を提出しやすくなります。
相見積もりの取り方ですが、ネットで検索してお問い合わせフォームから連絡するのをオススメします。電話ですとやはり「言った言わない」がありますし、言葉の取り違いや誤解が発生する場合があります。
また、すぐに打ち合わせを求めたり会おうとする業者には注意してください。直接会うことで売り込みに合い、必要以上のお金を要求される場合があります。
あくまで最初はメールのやり取りにし、基本的なこと(作業の可否や納期など)がクリアになった時に、どうしても打ち合わせをして仕様を決めなければいけないとなった時のみ、お会いした方が良いでしょう。
通常はWeb制作会社自らが「相見積もりを取ってください」とは言わないものですが、当方はサービスに自信があるならお客さまに比較検証してもらうためにも、積極的に相見積もりを勧めるべきだと思っています。
もちろん、依頼する気がないのに見積もりを求めるのは時間も労力も消費するだけで良しとしませんが、あなたが本当に「求人サイトを作って成功したい!」と思うのなら、当方だけでなく、同様のサービスを行っている複数社に相見積もりを取るべきだと思います。
そして相見積もりを取って納得した上で、求人サイトの構築を依頼する業者を決めていただければと思いますし、当方が選んでいただけるように最良の提案ができればと思っています。
制作費を抑えるために絶対にやってはいけないこと
ここまで求人サイトの制作費を抑えるためにやった方が良いことや考え方をご紹介しました。
Web制作会社やフリーランスとの交渉でやった方が良いこととは逆に、”やってはいけないこと”というのがあります。それは「値切る」ということです。
Web制作は大部分が人件費でまかなわれています。インターネットの回線費やプロバイダ・サーバ代などの通信費、パソコンやソフトウェアなどの経費も必要とはなりますが、制作料金の大部分が人件費になります。
その為、制作料金の値引きを要求されても値引きしにくいのです。制作会社の場合は社員に対する給料を下げることになるし、フリーランスの場合は自身の生活費を削ることになります。
十数分で出来るようなプログラム変更やページ追加ならオマケとして料金内に含めることもできますが、提示した見積もり金額や制作料金そのものを値引きするのは困難なのです。
仮に、安易に値引きできるという業者は注意が必要です。元々の見積もりに対して上乗せして提示していたり、制作物に不具合やミスがあっても対応しないなど、サポートが悪くなる可能性が高いからです。
お客さまのなかには「パソコンを使うから簡単にできるんだろ?」とおっしゃる方がたまにいますが、簡単にできそうに見えて実際にはそうではない(手間がかかる)ということはよくあります。
また、例え簡単にできることだととしても、プロとしてお客さまに技術を提供するわけですから、簡単にできるようになるための相応のコストがかかっています。
ですので、「制作費を減らしたい。出来るだけ安く求人サイトを作って欲しい!」と思われるなら、絶対に値引き交渉はしないでください。
それでも予算が足りない場合は
「値切らずに自分の希望を精一杯伝えて、それでも予算が足りない場合はどうしたら良いの?」と思う方がいるかもしれません。その場合、厳しいようですが、「諦める」という判断を下すしか無いように思います。
ギリギリの予算で無理してビジネスをはじめても決して上手く行きません。特に求人サイトは作るまでではなく、”作った後が肝心”なのです。
企業に対する営業活動や求職者を集めるための集客・マーケティングが必要になり、そちらにもお金が必要になってきます。
ですので、相見積もりを取って予算や条件が一致する業者が見つからない場合は、一旦、求人サイトの発注は諦めて、しばらく様子を見ることをオススメします。
その間に、資金を貯めたり、求人サイト運営に関する知識を学んだりしてください。この運営ブログでも可能な限り、求人サイトの運営に関する情報提供をしていく予定です。
お金も知識もあると心にも余裕が出てきます。その時に本当に「求人サイトでやるべきこと」や「どの業者に発注すれば良いのか?」というのが見えてくるようになります。
ぜひ、制作費という金額面だけにとらわれずに、慎重に行動してください。それが結果として制作費を劇的に抑え、あなたの求人ビジネスを成功する近道になります。