求人サイトではよく写真を使用します。求人情報や企業の紹介はもちろん、求人特集や転職に関するお役立ち情報など、多くのコンテンツで写真を使用する機会があります。
求人サイトでどんな写真が掲載されているかによって、求職者がその求人サイトで受ける印象は変わります。人は文字よりも写真から受ける印象の方が強く心に残るからです。
もちろん求人情報でも同様です。求職者がどのような写真を求めているか?写真から何を感じ取りたいのか?を意識した写真を掲載することで、求人応募してもらいやすくなるでしょう。
そこで今回は「求人サイトで効果的な写真選びのポイント」として、求人サイトでどんな写真があれば求職者の印象に残り、利用促進につながるかについて説明したいと思います。
人物の写真を掲載する
求人サイトで一番効果的だと思えるのは人物の写真です。老若男女問わず、人物の写真があることで親近感を与えることができます。特に働いている姿を想像できる写真は求人と関係するので効果的です。
求人情報で人物の写真を使用する場合、求人募集をしている企業の従業員や代表者の写真を掲載することが一般的です。これから同じ職場で働くことになりますから、どんな人がいるかわかれば安心です。
写真は募集する職種・業界に即したものが無難です。スーツや制服を来た人物が笑顔で写真に写り、仕事仲間を探している。といった雰囲気が出れば問題ないでしょう。
アルバイトや学生向けなら「仕事終わりに同僚と一緒にコミュニケーションを取っています」として、私服姿の写真があっても良いかもしれません。オフの姿を写すことで、仕事にしばられない雰囲気を演出できます。
ただし、人物の写真を撮影する時はできるだけ表情がはっきり映る写真にしてください。まれに表情が暗く感じたり、目を閉じていたりなど、きれいに写っていない写真を見かけることがあります。
そのような写真は撮影された本人も気の毒ですし、会社の印象もよくありません。容姿端麗の人物である必要はありませんが、身だしなみを整えて、清潔感を感じさせる写真になるようにしてください。
求人情報以外のコンテンツについては、写真素材集にあるモデルを使った写真でも構いません。この運営ブログもフリー素材サイトにある人物写真をよく使用しています。
どこかで見かけたような人物の写真になりますが、”参考写真”として捉えてくれます。素材集の写真は職業別・シーン別に豊富に揃っているので、特集ページなどを作る時に活用できます。
なお、フリー素材は外国人の写真が多いのですが、日本人を対象とした求人サイトの場合、写真も日本人である方が良いです。実際に自分が働いている様子を想像できるからです。
逆にグローバル企業やマルチ言語に対応した求人サイトの場合、日本人が対象であっても外国人の写真を多く掲載することで、サイトの主旨を印象づけることができます。
人物の写真を使用する際は、求人サイトのテーマや採用企業の職種(業界)にあった写真を選ぶようにしてください。
働いている様子の写真を掲載する
採用企業の従業員が実際に働いている様子を写真にします。働いている様子を写真にすることで、求職者は自分が働いている姿を想像できるようになります。
これはオフィスや室内の写真に限りません。建設現場や清掃作業など外で働く仕事であっても、働いている様子を伺える写真があることで、仕事内容がわかりやすくなります
また、接客・販売業などお客さまと接する職業の場合、サービス対応している写真があることで、仕事のやりがいや楽しさを伝えることができます。(ただし、トラブル回避のためお客さまの顔が見えない写真にしてください)
研究・開発や製造に関わる仕事も同様です。テレビや雑誌などでよく特集されていますが、開発者が真剣に取り組む姿を見て感動を覚えたり、その仕事に興味をいだきます。
企業イメージのアップにも貢献しますので、求人情報で使用する写真として積極的に取り入れていただきたいと思います。
製品や商品の写真を掲載する
働いている写真と同様に製品や商品の写真を掲載するのも効果的です。誰がその仕事をしているかわからなくても、「誰が何を作った(作っている)のか」がわかることで興味をもつことができます。
大手企業や有名メーカーの商品は利用者も多いですから、商品写真があることで「あの商品の会社か!」とすぐに認識することができます。会社名を知らなくても商品は知っているという人は多いでしょう。
そこまで認知度の高い企業でなくても構いません。会社の規模に限らず、自社の商品を紹介することで、求職者に仕事内容を伝えることができます。工業製品や固形物など物体でなくても構いません。
たとえばゲーム開発会社の場合、ゲームのパッケージ写真があるだけでも興味がわきます。どんなゲームを作ってきたかの証明になるし、自分が利用したことがあるゲームなら尚更気になるでしょう。
飲食店なら料理の写真を掲載しても良いと思います。お店で出している料理よりも休憩中にいただける「まかない料理」を紹介すると、その店で働くメリットが感じられて興味を惹くかもしれませんね。
製品や商品の写真なら企業も写真を所持していることが多いので、撮影する手間も減ります。ただし、求人情報の写真全てがそれでは宣伝みたいで良くありませんので、注意しましょう。
職場までの風景写真を掲載する
職場までの風景写真を掲載するのもよくあります。最寄り駅や近隣の施設・名所などの写真を掲載することで、職場の近くに何があるのか想像することができます。
筆者は新規のお客さまの会社に行く前に、Googleマップのストリートビューでどんな場所なのか調べます。住所や「駅から徒歩○分」だけだとわかりづらいからです。
Googleマップを求人情報に掲載している求人サイトもありますが、自分で調べると手間がかかります。自分が応募する企業なら筆者のようにストリートビューで周辺の写真を確認するでしょうが、一見の方はそこまでしません。
そこで風景写真が役立ちます。たとえば求人のアピールポイントとして「駅から近くて通勤に便利!」とするよりも、実際の駅の写真を掲載するほうがイメージしやすいです。
自分が知っている場所なら尚更イメージが定着するでしょう。あるいは緑の写真や自然の写真も効果的です。堅くなりがちな求人情報にとって柔らかく・優しい印象を伝えることができます。
風景写真は求人情報だけでなく、特集ページや地域紹介をするときにも使えます。運営者自らが対象地域に出向いて写真を撮ることで、求人サイトのコンテンツが充実します。
地域ならではの写真を掲載する
地域限定求人サイトの場合、地域ならではの写真を掲載することで、そのサイトが何を対象としているサイトなのか印象づけることができます。直接、求人や仕事に関する写真でなくても構いません。
風景写真の項目でも触れましたが、駅や公共施設、公園や自然の写真は撮りやすいし、お祭りやイベントの写真があればその地域に特化した情報になるため、サイトの主旨を印象づけることができます。
イベントに参加した企業の写真もあると良いですね。地域性を大事にしている企業は社員でイベントに参加したり、ボランティア活動をしている場合があります。そういった社会貢献の様子が伺える写真も効果的です。
求人目的ではなくたまたまその地域に関するキーワードで検索した方がサイトに訪れた時、興味を持ってもらえる写真が良いです。そうすれば後の求職活動につながるかもしれません。
地域限定求人サイトを作られたい方は、ぜひ「地域ならではの写真」を多く掲載するようにしてください。
店舗の外観の写真を掲載する
飲食店や美容室、コンビニや薬局など、店舗を構えている企業は店舗写真を掲載してください。特にフランチャイズをしているお店は”おなじみ”の店舗写真があることで仕事内容が把握しやすくなります。
個人店や治療院であっても外観の写真を掲載することで「どこの求人情報なのか?」を伝えることができます。できれば建物そのものではなく、お客さまが入店する入口付近の写真が良いでしょう。
ただし、求人情報で店舗のロゴを掲載するのはあまりよくありません。店舗紹介(会社紹介)のページなら別ですが、求人情報でロゴを掲載しても会社の宣伝になるだけで働く様子は伝わりづらいです。
飲食店なら、人物の写真(従業員の写真)、働いている様子の写真、料理の写真、店舗の外観の写真と続けば関連性があり、どんな仕事か想像しやすくなります。
著作権や肖像権に注意する
ここまでどんな写真を掲載すればよいかについて説明しました。どれも求人サイトでよく使用される写真の種類についてお話しました。ただ、写真を取り扱うには注意が必要です。
写真には著作権や肖像権が関わります。たとえば飲食店で働いている様子を伝えようと、店内の写真を撮影したところ、お客さまの顔が写った場合、肖像権の問題が発生します。
あるいは普段仕事で使っている製品であったとしても、その製品のロゴや製品名が写真に映ると著作権に関わります。パソコンを使って事務仕事をしている写真をよく見かけますが、メーカーのロゴが表示されている場合があります。
仕事風景を写した写真であり、宣伝目的ではないのでそういった「映り込み」を気にするメーカーは少ないと思いますが、不用意なトラブルを避けるためにも、できるだけ映ってないほうが良いです。
また、いくら自社の従業員を撮影した写真であったとしても、対象者には肖像権が存在します。ネットで写真を掲載すると保存される可能性があるので、それを嫌がる人も多いでしょう。
企業から人物が映った写真を提供された場合、本人に承諾を取った写真なのか?その従業員は勤務中であるか?(辞めていないか)を確認するようにしましょう。
企業が直接求人情報を登録する求人サイトの場合、契約前に注意事項として説明し、利用規約にも明記するようにしましょう。問題を認識していない企業も多いのです。
著作権や肖像権に抵触する写真を登録されると、運営者であるあなたに管理責任が問われます。不用意なトラブルを避けるためにも、写真の取り扱いには注意してください。
まとめ
写真の取り扱いは求人サイトごとに異なります。写真をふんだんに掲載し、求人情報を見栄え良くアピールしているサイトもあれば、写真をほとんど使用していないサイトもあります。
ただ、写真を用意するのは企業にとって負担です。今はスマートフォンでかんたんに高解像度の写真を撮影できるとはいえ、写真撮影の技術がなければ綺麗に撮れません。また、写真を加工したり編集する技術も必要でしょう。
写真撮影や加工作業を代行している求人サイトもありますが、いづれにしても手間で時間がかかります。求人広告にそこまでお金をかけたくないといった企業も多いでしょう。
ですので、写真を掲載しなかったり、フリー素材などで置き換える気持ちもわかります。しかし、写真は求人サイトにとって欠かせない情報のひとつです。文字だけと比べて写真があることで、圧倒的にわかりやすくなります。
それにオリジナル写真があることで求人サイト全体の独自性を演出することができます。Googleはみんなが使っているフリー素材よりもオリジナル写真を重視する傾向にあるので、SEO対策としても効果があります。
求人サイトの運営者として企業に写真を要求するのは大変かもしれません。ですが、「どんな写真がいいか?」や「写真を掲載するメリット」を正しく伝えることで、理解してくれるようになります。
企業にとって求人サイトを利用する理由は「人材が欲しいから」です。人材を雇用して業績を上げたいからです。それを実現するためにも、求職者に好まれる求人情報を作らなくてはいけません。
それを正しく企業に伝え、適切な写真を掲載してもらうことで、求人情報は魅力的なページに変わり、求人応募にもつながるでしょう。オリジナル写真が増え、オリジナル求人情報が増えることで、サイトの評価も高まります。
ぜひ写真を効果的に活用し、あなただけの求人サイトを構築してください。