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アンケート結果から分析する求職者に好かれる求人サイトの条件

アンケート結果から分析する求職者に好かれる求人サイトの条件のイメージ

先日、求職者に対して行った「求人サイトの利用調査アンケート」に関する記事を公開しました。

求人サイトを利用したことがある求職者に聞きました
求人サイトを利用して職探しをしたことがある求職者10人にアンケートを行いました。回答数は多くありませんが、一人ひとりとやり取りし、詳しい感想...
求人サイトを利用したことがある求職者に聞きましたのサムネイル

回答数は10人と少ないのですが、一人ひとりとやり取りをして詳しく感想をいただいたので、情報量としてはかなりのボリュームになっているのではないでしょうか?

「これから求人サイトを作りたい!」と考えている方にとっては有意義なデータだと思います。ただ、個々の感想を掲載するだけでは「結局どんな求人サイトを構築すれば良いのか?」という部分がわかりづらいかもしれません。

そこでアンケート結果を分析し、「求職者はどういった求人サイトを求めているのか?どんな求人サイトを構築すれば良いのか?」について、考えていきたいと思います。

アンケート結果の内容が長くて読みづらかった方は、こちらの分析を参考にしていただければ幸いです。

目次[非表示]

求人情報が正確である

アンケート結果では「求人情報に書かれていた内容と実際の労働条件が異なっていた」という感想が目立ちました。これは度々社会問題として、ニュースにもなっています。

求人情報や募集内容が正確であるのは求人サイトとして何よりも必要な絶対条件です。しかし、求人情報は人間が用意するものですから、どうしても邪な思惑が入ります。

企業も他社より良い人材を獲得したいので、過剰な表現をしたり、実際の労働条件より過大に見せる可能性があります。それが結果として虚偽の情報になってしまうのです。

これを避けるためには、企業に対して十分な説明と確認をする必要があります。単に「求人登録フォームだけ用意するから、後は勝手に登録してね」では、虚偽の情報を防ぐことは出来ません。

企業も悪意があって入力するのではなく、「知らなかった」あるいは「間違った」可能性もあります。特に給与の数字入力は間違いやすい部分です。入念に確認する必要があるでしょう。

また、仮に虚偽の情報を入力されたとしても、後から修正したり削除する事ができるかも大事になります。そのようなサポート対応ができればトラブルを未然に防ぐことができます。

求人情報が正確であればあるほど企業の評価が高まります。結果として求人サイトの信頼性にもつながるため、求人情報の正確性には十分注意するようにしてください。

地域や職種が特化されている

検索エンジン(主にGoogle)で「地域 職種」を入力して上位表示される求人情報を見て、その求人サイトを利用するという人が多いです。これは現代ではスタンダードな仕事探しの方法ではないでしょうか。

たとえば「大阪 事務 求人」や「東京 コンビニ バイト」などで検索すると、いくつかの求人サイトがヒットします。しかし、ほとんど大手の総合型求人サイトです。

総合型の求人サイトの場合、全国・全職種を対象としているので求人情報が多いです。検索エンジンにもよくヒットしますので、必然的に利用者も増えます。アンケート結果でも全員大手の求人サイトを利用していました。

しかし、一方で「大手であるか、求人数が多いかは絶対条件ではない」という意見もありました。これは考えたら当然で、自分が働きたい地域・職種以外の情報は必要ないのです。

大阪の中央区に住んでいる美容師が、東京の看護の求人を調べようとはしないでしょうし、大阪でも中央区から遠い高槻市や泉佐野市の店舗(企業)を選ぼうともしないでしょう。

地域特化型、職種・業界特化型の求人サイトは多くありますが、その両方に精通している求人サイトはあまりありません。求人を獲得するのが大変だという理由が主ではあるでしょうが、求職者には優しくありません。

大阪に住んでいる美容師には「大阪の美容業界に特化した求人サイト」であれば、その地域の情報も得ることができるので便利です。そして検索エンジンにも「専門的なサイト」として評価されます。

大阪の美容室だけでも約1万5,000件あります。1/100でも掲載依頼してくれたら150件、職種の違いや雇用形態の違いなど入れるともっと多くの求人数を獲得することができるでしょう。

収益の方法や掲載料金を考える必要はあると思いますが、地域や職種が特化された求人サイトの方が好まれる可能性があり、小規模求人サイトでも利用してくれると思います。

求人数が多い

一方で求人数が多いというのも選択理由に挙げられます。求人サイトそのものの目的や利便性よりも「求人数が多いほど可能性が広がるので良い」と考えている方も多いです。

これは求人サイトに限らず、ポータルサイトと言われる情報蓄積型のサイトで該当します。登録数や会員数が多いサイトのほうが価値が高いとみなされます。リアルでも、個人店より大型店が利用されていますよね。

ですので、求人サイトの運営者は求人数を増やす努力をしなくてはいけません。求人掲載を依頼してくれる企業にとって魅力的なサービスを提供する必要があるでしょう。

ただ「何を持って求人数が多い」と捉えるかは人それぞれです。例えば上記では大阪の美容室が約1万5,000件あると記載しましたが、美容業界に特化した大手求人サイト「リジョブ」では、588件の登録数でした(2017/09/01調べ)

参考:大阪府 美容師・美容室の求人・転職|リジョブ

もちろん、588件でもかなり多いのですが、リジョブに登録されている求人数は26,966件なので、それと比べると少なく見えます。逆に言うと特化型の求人サイトであれば、数百件の求人数でも「多い」とみなされるかもしれません。

これに「店長クラス」とか「年収○万円以上」などの条件を加えると、数十件の求人数でも十分「多い」と思われるかもしれません。要は見せ方を工夫することで、数字の大きさよりも印象を変えることができるのです。

余計な機能がない

スカウト機能やお祝い金など「求人サイトならでは」の機能を要望として挙げる方もいましたが、おおむね「求人検索できて応募できれば良い」と言った意見が多かったように思います。

今や求人サイトにも様々な機能・コンテンツを実装し、他のサイトと差別化を図ろうとしていますが、実際のところ求職者はそこまで求めていないというのがわかります。

求人検索にしても、駅や沿線の検索、GPS検索、人気エリア・職種の検索など様々な検索方法がありますが、そこまで無くても良いかもしれません。基本の「地域・職種・雇用形態」の検索ができていれば十分という考えもあるでしょう。

なにより、検索方法が多ければ迷いが生じます。Googleも様々な検索方法がありますが、基本はキーワード検索です。これがトップページに様々な検索フォームを用意していたら、きっと利用者は減るのではないでしょうか?

運営者としては色んな検索方法ができた方が見栄えがよく、サービスが豊富なイメージがでると思いますが、ユーザーはWebに慣れている方ばかりとは限りません。可能な限り、シンプルな方が良いのです。

求人サイトのメインコンテンツは求人情報です。求人情報に適切にアクセスさせることを一番に考え、あまり最初から余計な機能を追加しないほうが良いかもしれません。

運営者が信用できる

「どこの会社が運営しているのか?」という声も目立ちました。大手の求人サイトを利用している方が多いのも、結局のところは「大手だから安心」という認識があるからでしょう。

ただ、昨今の情報流出事件やネット炎上トラブルにあるように、「大手だから安心」という神話は崩れかけています。いくら大手であっても組織に悪意を持った人間がいれば、一瞬で信用は無くなります。

特にネットは悪い情報が広まりやすいです。先月、某求人ビジネスを行っている企業が批判記事を削除申請したところ、一斉にそれがSNS等で広まりました。

一度ユーザーに「信用できない」と判断されれば、良い部分があっても否定されてしまいます。たとえ検索エンジンで上位表示したり求人数が多かったとしても、利用者は遠のいていくでしょう。

ですので、可能な限り誠実なサイト運営を心がけ、ユーザーの信頼を獲得する努力をしなければいけません。

ただ、これは難しいことではありません。求人情報の正確性を保ち、問い合わせがあったユーザーには丁寧なサポートを心がけ、しっかりと更新作業を行っていけば、自然と評価されるようになっていくでしょう。

くれぐれも「求人サイトを作って放置」とか「契約した後は企業におまかせ」ではなく、運営者自身がユーザーと一緒に良い求人サイトを作る、という概念を持って運営していただければと思います。

ユーザーの立場に立った運営者がいる求人サイトは、たとえ小規模でも信用され、利用者が増えていくのではないでしょうか。

まとめ

アンケートはココナラというビジネスマッチングサイトで募集したのですが、合計で27件の提案をいただけました。この場を借りてお礼申し上げます。

ただ、記事にする上で必要分は10件であったのと、予算の関係もあってすべて購入できませんでした。せっかくご提案いただいた方にはお断りすることになり、申し訳ない限りです。

アンケートは求職者の好みや傾向を知ることで開発に活かせるのはもちろん、求人サイトを構築したいと思っている方や興味がある方に対しても考えるきっかけになると思います。

今回は利用目的や動機、感想についてのアンケートでしたが、次回はもっと専門的なアンケートが実施できればと思います。美容師や看護師など専門職の方に聞くチャンスが無かったので、そういうアンケートも必要ですね。

求職者に好かれる求人サイトはどんなものか考えた時、実際に聞くまでわからない部分が多くありました。これまではどうしても制作者視点で見ており、決めつけていた部分があったと思います。

アンケートを実施する前は「情報量が多いサイトが好まれるのではないか?」「高機能なコンテンツを用意した方が良いのでは?」と思っていたのですが、必ずしもそうではありませんでした。

求人サイトのデザインや機能・コンテンツよりも、利用するユーザーの感情に目を向けることが何よりも重要になります。これはある種、求人サイトが完成されたサイト形態だからではないでしょうか。

求人ビジネスとしてはこれからも様々なサービスの構築や提案方法が生まれてくると思いますが、求人サイトに求められる根本は一貫して「正しい求人情報を届けること」だと思います。

このような概念を専門用語でUX(ユーザー・エクスペリエンス)といい、「ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験」を指します。この点を忘れないようにして、求人サイトの構築やシステム開発を行っていきたいと思います。

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