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ビットコインは求人サイトでも使えるのかを考察する

ビットコインは求人サイトでも使えるのかを考察するのイメージ

世界的な仮想通貨として人気が高いビットコイン。ビットコインの取引価格もかつてないほど値上がりしており、日本だけでなく世界的にも大変注目されています。

そして12月12日にWeb企業大手の「GMOインターネット」が2018年3月から社員が申請すれば給与の一部をビットコインで支払うと報道され、Yahoo!トップを飾るなど大きな話題になりました。

参考:GMOインターネット、給与の一部をビットコインで受け取り可能に (ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース

このニュースにはWeb業界で働くものとして大変驚きがありましたし、そこまで仮想通貨やビットコインに対する信用が進んでいるとは思いもしませんでした。

そして、もしかしたらGMOのようにビットコインを給与や報酬の代替として扱う企業がでてくるかもしれません。そうなると求人業界や求人サイトも大きく変わるのではないでしょうか?

これまで「円」だったものが「BTC(ビットコインの単位)」に変わるのです。完全な代替はないにしても、なにかしら変更が求められるかもしれません。求人サイトを作る側としては憂慮します。

そこで今回は「求人サイトでビットコインを使うなら」をテーマにし、どんな使い方ができるか?それに対して求人サイトはどうするべきか?について考えてみたいと思います。

なお、ジャンル違いになりますので、仮想通貨やビットコインの仕組みそのものについてはご紹介いたしません。「ビットコイン 仕組み」などで検索していただければ幸いです。

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給与の取り扱いや検索の仕組みが変わる

GMOのように「給与の支払い方法を社員が選択できる」とする企業が増えるなら、求人検索や求人応募の際に求職者が選択できるようになっていないと困ります。

なぜなら銀行口座のように自分専用の口座(ビットコインアドレス)を持っていないといけないのです。入社した後に開設することはできるでしょうが、そこまで手厚いサポートをしていない会社もあるでしょう。

銀行口座で例えると、会社が銀行口座の作り方をサポートしてくれる、というのはありませんからね。事前に用意しておくのが社会人として常識になっています。

ですので、ビットコインのことがよくわかってないのに求人情報だけ見て応募して、あとで面接時に恥をかいたり、入社後にトラブルにならないためにも、求人サイト側で対応する必要がでてきます。

ただし、求人システムの仕組みでいえばそれほど難しいことではありません。給与の単位に円以外を追加するだけです。(あくまでJOB-PLACEの場合に限ります)

問題は給与と併用する場合です。「給与は月給20万円。特別報酬でビットコインを3BTC付与」のようになると、求人システムも複雑になります。そして法律的な問題も関わるでしょう。

求職者と企業の間でトラブルが起きないようにするためにも、求人サイト側で給与に関する表示や検索の仕組みを変えることは必要になるでしょう。

お祝い金をビットコインで支払う

一方、お祝い金という景品・特典のようなものをビットコインで支払うのは面白いと思います。ビットコインは株のように価値が上がることもありますので、お祝い金として欲しい人がいてもおかしくありません。

ちなみにお祝い金については以下の記事にて詳しく説明しています。こちらもご参考ください。

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すでにお祝い金をビットコインで支払っている求人サイトはないかと思い、「お祝い金 ビットコイン」「お祝い金 ビットコイン 贈呈」などで検索してみたのですが、見当たりませんでした。

もし仮にお祝い金をビットコインで支払うような求人サイトがでてきたら、話題性は抜群だと思います。特にIT・Web系の求人サイトならビットコインに精通している人もいるでしょうから、導入しやすいのではないでしょうか。

ただし、価値が変動するということはお祝い金の支払時期によって上がったり・下がったりする可能性があるわけです。それをユーザーに理解してもらえないと、トラブルになる可能性があります。

とはいえ、試みとしては面白いと思うので、お祝い金をビットコインで支払う求人サイトが今後出てくるように思います。

求人掲載料金をビットコインで支払う

現段階ではビットコインに対する信用は低いので、企業間取引や全ての決済をビットコインで行うのはかなりリスクが高いといえます。求人や広告業界を見ても、ビットコインで取引しているところはほぼありません。

しかし、これから先多くの人が使うようになって、個人だけでなく企業の中でも信用が置ける通貨として認識してもらえるようになれば、ビットコインを使った企業間取引も増えるでしょう。

すると「ビットコインで求人掲載料金を支払いたい」という企業が出てきてもおかしくはありません。ビットコインは国をまたいで取引できるので、外資系企業を取り込むチャンスにもなるでしょう。

企業と個人間での商取引については、すでに多くの企業でビットコインを使った支払いや決済に対応しています。家電量販店大手のビックカメラは全店でビットコインが使えると発表しています。

参考:ビックカメラ全店でbitcoin使えます!|ビックカメラ

その他、飲食店やサービス業でもビットコインが使える店舗が増えてきています。この流れを見ると、将来的には企業間取引でも使用されるようになるのではないでしょうか。

すでにビットコインで決済できるWebサービスもありますので、求人サイトのサービスもビットコインで支払うような時代が来るかもしれません。

まとめ

冒頭でご紹介した「給与をビットコインで支払う」ということに衝撃を受けたので記事にしてみましたが、調べれば調べるほど意外(!?)とビットコインは使われていないように感じました。

ビットコインや仮想通貨は貨幣価値そのものを大きく変えるものとして大変注目されていますが、まだまだ信用面で不安材料が多く、証券や銀行口座のようになるのは時間がかかりそうです。

筆者も「ビットコインの存在だけは知っている」といった程度です。価値が高騰しているのはネットニュースなどで耳にしていましたが、だからといって自分がはじめようとは思いませんでした。

スタッフや周りの人間も同じような認識ですし、お客さまからもビットコインについて質問されることはありません。ですので、知らないまま今まで活動してきました。

しかしながら今回のニュースを見て「雇用の仕組みが大幅に変わるかもしれない」と考えさせられました。そして雇用の仕組みが変わることは、雇用の入り口である求人サイトも変革を求められます。

もちろん、求人サイト構築サービスを行っている者としても変わらなくてはいけません。時代に即した機能やサービスを提供し、ニーズに応えられるようになる必要があるでしょう。

とはいえ、「ビットコインを求人サイトでどう使うのか?」ということを一晩考えてもあまり良いアイディアが浮かびませんでした。まだまだ勉強が足りないことを痛感させられます。

ビットコインについては今後も注視していきながら「求人サイトで使う場合はどうするか?」を考えたいと思います。

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