サーバーとはWebサイトやシステムを動作させる時に必要となる、インターネット上に繋がれたコンピュータとお考えいただければ分かりやすいと思います。
求人サイトの構築にももちろんサーバーが必要になり、サーバーの良し悪しが後のサイト運営に響いてくるぐらい大切なものです。
特に求人サイトのような、Webシステムを使用して不特定多数が利用するサイトを運営する場合、どのようなサーバーを選ぶかが円滑なサイト運営にも関わってきます。
サーバーは後から変更しづらいので、最初にどういうサーバーを選べば良いのか?を知ってると不測の事態が起きても備えることができます。
今回はサーバー自体の詳しい仕組みや技術的な解説をするのではなく、「求人サイトの運営に最適なサーバーの選び方」としたノウハウをご紹介したいと思います。
また、オススメサーバーやサービスなどの具体的な情報は控えたいと思います。あくまで「どんなサーバーを用意すれば求人サイトの運営を行えるのか?」に焦点を当てて説明していきたいと思います。
※なお、基本的に「レンタルサーバーを借りる」という前提で話を進めたいと思います。自社サーバーをお持ちの方でも要点は同じかと思いますので、出来るだけ差異がないように説明したいと思います。
利用に制限が少ないサーバーを選ぶ
共有レンタルサーバーと呼ばれるサーバープランの場合、複数人の利用者でサーバーを共有しているため、利用に制限を加えている場合があります。
具体的には実行できないファイルがあったり、転送量(転送できるファイル容量)に制限があったり、ファイアーウォールでアクセス制限をしている場合もあります。
メールの送信もスパム行為に該当されやすいので、制限しているサーバーは多いです。しかし、メールを制限されると求職者・企業に対する連絡が行えないので、求人サイトの運用に支障をきたします。
利用に制限があると、正しく求人システムが動かない可能性があります。それは当方のJOB-PLACEでも同じです。
JOB-PLACEはWebシステムの開発で多く使用されている、PHPというプログラム言語で開発されており、MySQLなどのデータベースと呼ばるデータ保存の仕組みを導入しています。
この組み合わせや機能(ソフト)は多くのレンタルサーバーで提供されているので、有料のサーバーであればそれほど困ることはありません。(ただし、バージョンの違いで動作しない可能性はあります)
しかし、サーバーの機能ではなく、サーバーの利用そのものに制限がかかっていると、いくら求人システムを動作させることが出来ても、安定したサイト運営を行うことは出来ません。
ですので、可能な限り制限がないサーバーをお選びいただければと思います。
利用人数が少ないサーバーを選ぶ
上記と同じく共有レンタルサーバーの場合、複数人で同じサーバーを使用しているので、利用者の中に負荷のかかるプログラムを実行していたり、アクセス数が多いサイトを運営していると、あなたのサイトにも影響が出てきます。
具体的にはWebページの表示(読み込み)が遅くなったり、プログラムを使った検索やデータ表示が遅くなったりするので、まともなサイト運営を行うことは困難でしょう。
共有レンタルサーバーは格安(月額1000円円以下)で提供されている事が多いので、サーバー会社としても薄利多売をしていくしかありません。その為、1台のサーバに多くの人数を詰め込む傾向があります。
サーバー会社によってはプラン毎に何人の利用者がいるか公開しているところもありますが、あくまでサーバー会社公表の数値であるため、参考程度にとどめてください。
また、動作検証をするために「画像をダウンロードしてスピードチェック」のようなコンテンツを用意している場合もありますが、こちらもあまり意味はありません。
なぜならアクセスする時間帯によって、動作が重い(遅い)というのは変わるからです。(特に22時~0時あたりは動作が重くなりやすいです)
ですので、利用人数が少ないサーバーと言っても限られてしまいます。出来るだけ格安プランは避けるようにして、料金プランの真ん中以上を選ぶと良いでしょう。
毎月の支払いが楽に行えるサーバーを選ぶ
サーバーに制限がなく、利用人数も少ない(または自分ひとり)で利用できるサーバーもあります。しかし、必然的に初期費用や月額料金が高くなります。
また、料金が安い、VPS(仮想サーバー)という種類もあるのですが、VPSは自分で一からサーバー設定して管理まで行わなければいけないので、敷居が高いです。
※サーバー構築は当方でも行えるのですが、管理の問題があるのであまりオススメしていません。
仮に、サーバー専門の業者に依頼したり、システムエンジニアを雇用してサーバー運用をしたとします。すると人件費として数万円から数十万円のランニングコストが必要になってきます。
最初からそれだけの人件費をかけられるなら良いのですが、資金に余裕がないスタート時からいきなりそれだけのコストをかけて運用していくのはなかなか難しいと思います。
求人サイトの運営は何かとコストがかかるというのは他の記事でも説明していますが、サーバーのように毎月の料金がかかるようなものは、出来るだけ費用負担を抑えたいものです。
ですので、求人サイトの運営や集客、営業活動や広告宣伝費などで使用するコストを計算した上で、いくらサーバーに支払えるか計上した方が良いでしょう。
ちなみに共有レンタルサーバーであっても、おおよそ月額3000円程度であれば、制限が少なく、自由度の高いサーバーを借りることは出来ます。
サーバー会社によってスペックや条件は異なりますが、月額3000円を一つの目安にしていただくと、求人サイトの運営でサーバーが原因のトラブルは少なくなるように思います。(少なくともアクセスが少ない運営当初は大丈夫でしょう)
国内のサーバーを選ぶ
インターネットを使用するとはいえ、国内にあるサーバーと海外にあるサーバーでは、随分動作に違いが出ます。
やはり海外にあるサーバーの場合、読み込みスピードが遅くなり、ページの表示が遅い(重い)と感じやすくなります。
特に今はスマートフォンの利用者が多くなりました。スマートフォンはパソコンのように、光ファイバーの高速回線でもないので、大量のデータを処理しようとすると、読み込みスピードに影響します。
この時、海外サーバーだデータを送る際の処理(アップロード)が遅くなるので、なおさらスマートフォンで表示する際の時間的ロスが発生します。
今はWebページの読み込み速度もGoogleの評価に影響します。
参考:Google、ウェブページの読み込み速度をアルゴリズムに取り入れたことを発表
※古い記事ですが、Googleが提供しているアクセス解析でも以下の支障があるため、現在でもある程度は考慮されると思います。
これらの記事を参考にすると、ページの読み速度は早い方が有利だと言えます。ですので、サーバー選びの際は出来るだけ国内で運用されているサーバーを選ぶようにしましょう。
最新ではないサーバーを選ぶ
サーバー会社の中では、最新のOS・ソフトウェアが導入されていることをアピールポイントとしているところもありますが、求人サイトの運営には最新のサーバーではない方が良いです。
「最新の方がスペックも良いし、機能も豊富でパーフォーマンスも良いんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、サーバーの場合、新しいことよりも”安定して動作するか”が重要です。いくら最新のサーバーOSで、最新のソフトウェアが導入されていたとしても、安定動作しないことには意味がありません。
※この辺のイメージについてはWindowsOSを思い浮かべていただければと思います。最新バージョンが発売されても、皆さんすぐに乗り換えないと思います。
特に求人システムはプログラムを使用しますので、そのプログラムがバージョンアップすることで動かなくなる可能性があります。
最新のOS・ソフトウェアはバグや不具合が多くあるものですし、最新だから良いものだと誤解してそちらを選ぶと、後から困ることになります。
当方の求人システムでも、安定性や情報量が蓄積されているのを理由に、少し古い(3~5年前)のプログラムバージョンや、サイト制作に必要なプラグイン(拡張機能)を使用しています。
ですのでサーバーの契約時にOSが選べる時は、最新のものより1つ古いものを選ぶと良いでしょう。
サポートがしっかりしているサーバー会社を選ぶ
Webサイトを運営していると、急に予期せぬ事態に遭遇することがあります。具体的にはサイトが表示されないことです。
「表示されない」というのは色んな要因があります。サーバーにトラブルが発生した場合、ドメインに問題がある場合、サイト側に原因がある場合、自身の接続回線や端末の問題、利用者の問題など、考えられることは様々です。
原因を突き止めるためにサーバーを調べることがあるのですが、サーバーに接続できないのに、サーバー会社の公式サイトでは何もアナウンスされておらず、お問い合わせしても連絡が来ない時があります。
この時点で、「おそらくサーバーにトラブルが発生したんだろうな」と予測は出来るのですが、サーバーに接続できませんから、データのバックアップを取ることも出来ず、どうしようもありません。
また求人サイトのような不特定多数が利用するサービスの場合、サイトが表示されないことで利用者からクレームが来ます。特にお金を出して求人掲載している企業には多大な迷惑をかけてしまいます。
ですので、こういった事態を避けるためにも、迅速に状況説明をし、何らかの対応をしてくれる、サポートが充実したサーバー会社を選ぶと良いでしょう。
具体的な指標としては、
- 公式サイトに「メンテナンス情報」のページがあり、頻繁に情報更新されている。
- メンテナンスがある場合は事前にメールで通知してくれる
- ヘルプやマニュアルなど、Web上で確認できる情報がある
- お問い合わせ窓口があり、土日祝日でも対応してくれる
- 電話サポートがある(こちらは土日祝日休みの場合が多いです)
- 有料のサポートがある
- サーバーのバックアップを取っている
などになります。ぜひ、サーバー選びの際はこれらの項目にも目を通していただければと思います。
ネットのクチコミが多いサーバー会社を選ぶ
「レンタルサーバー 比較」「レンタルサーバー おすすめ」などで検索すると、様々な紹介記事がヒットします。
作者が独自に記事を書いているものから、不特定多数が掲示板などに投稿したクチコミまで豊富な情報が見つかると思います。
ネットですので、必ずしもすべて参考になるわけではありませんし、信憑性も不透明です。特に「悪い」評価ほど共感を得やすく、アウトプットされやすいので、どのサーバーが良いサーバーなのか判断が付きづらいかもしれません。
しかし、単純な良い悪いではなく、利用した上での感想を書いている人もいます。どういう利用をして、どういう時に表示が遅くなるのか、サポートの対応はどうだったかなど、詳しく記述している人もいます。
中には求人サイトとは言わなくても、会員制サイトやポータルサイトなどシステムを使用するサイトでの利用について書いている人もいるでしょう。
そのようなクチコミは、自身の場合と照らし合わせることが出来るので、より参考になります。(もちろん、あくまで主観的な意見でしょうから全て鵜呑みには出来ませんが)
また、多くのクチコミがあるということはそれだけ利用者が居るということであり、つまりは情報が豊富にあるということです。掲示板などでサーバートラブル時に意見を交わすことも出来るので助かります。
ですので、色んなクチコミを参考に、比較的評価の高いサーバー会社やプランを選ぶようにすると、間違いがないでしょう。
意外と気にしなくても良いサーバースペックの話
これまでサーバー選びやサーバー会社選びについて説明しました。しかし、サーバに詳しい人からすると、「あれ?スペックに関してはどうでも良いの?」と思ったかもしれません。
もちろん、サーバーのスペックは大事です。あまりに古いサーバーで、回線速度も遅く、Webページを開くだけで数秒かかるようなサーバーでは、円滑な求人サイトの運営を行うことは出来ません。
しかし、スペックを考え出すとキリがない部分でもあります。処理能力が高い、高スペックサーバで、高速回線を使用し、転送量の制限もない。与えられるデータ容量も豊富で、使える機能も多い。
そのようなスペックのサーバですと、必然的に料金も高くなるので、求人サイトのオープン時としてはオーバースペックになりやすいです。
※サイトの成長に合わせてサーバースペックを増強できる、クラウドサーバーもありますが、専門的な事になるので説明は省きます。
ですので、上記で挙げた基本的なポイントをまずは抑えて、サーバースペックに関しては予算内の、必要最低限で良いと思います。
サーバー選びもアドバイスさせていただきます
当方の「求人サイト構築サービス」では、お客さまのご予算や作りたい求人サイトの要件をお尋ねした上で、最適なサーバーをご提案しています。
基本的には当方に使用経験のあるサーバーをオススメしますが、お客さまの好みややりたい事に沿って提案しますので、無理強いはしません。
当方のような求人サイト構築サービスを行っている他社の場合、サーバー費用も含めた料金を提示しているところもありますが、サーバーはお客さまによって最適なものを選ぶ方が、コスト的にも運営的にも良いと思っています。
お客さまとしては支払いや管理が別れるので分かりづらいかもしれませんが、お客さま個々によって必要となる環境や条件は異なるため、このような提案をしています。
少人数で活動しているため、サーバーの保守や24時間365日の運用管理は出来ませんが、その分、お客さまの求人サイトに合った最適なサーバー選びをお手伝いをさせていただきます。
「どんなサーバーにしたら良いかわからない」「自社のサーバーで求人システムが動作するの?」と疑問を持たれた場合、ぜひお問い合わせください。