2018年も残りわずかとなりました。今年も雇用・労働関係のニュースが多く報道され、様々な議論のテーマになりました。
当サイトは求人サイト構築サービスを行っているだけに、雇用や求人関係のニュースは常に注視しています。求人サイト構築を行う上で参考にしたり、ブログでノウハウ記事を書くときに引用してご紹介することもあります。
そこで2018年にどんなことが起きたのか振り返りつつ、求人業界のこれからと、どんな求人サイトが求められるかについても考えたいと思います。
求人倍率は依然高い水準のまま
2018年の有効求人倍率も高水準のまま推移しています。5月には1974年1月以来の高水準になったとニュースになりました。
参考:有効求人倍率1.60倍 5月、74年以来の高水準:日本経済新聞
10月には低下したとニュースになっていますが、それでも上記の高水準よりは上回っています。仕事が減ったから低下したと言うよりも、よいよい条件を求めて転職活動する人が増えたのが理由のようです。
参考:10月求人倍率8カ月ぶり低下 1.62倍、なお高水準 :日本経済新聞
日本は少子高齢化で働き手がどんどん減っています。しかし、仕事やサービスの種類は増えており、多様化されています。求人倍率に多少の増減はあったとしても、今後も人度不足の流れは変わらないでしょう。
なお、記事でも指摘されていますが、現在は求人があっても条件が合わないようです。求職者と企業のマッチングが上手くできていません。それ故に失業状態となっている人たちが3%もいるそうです。
条件のミスマッチを解消するためには、求人サイトの多様化も必要になるのではないでしょうか。全国・全職種を対象とする求人サイトよりも、条件を限定した専門的な求人サイトが求められるように感じます。
求人業界の売上高は絶好調
人材業界に関するニュースを発信しているHRogが発表した「売上高から見た人材業界地図(2018年度版)」では、人材紹介や求人関連ビジネスを行っている各社の売上高・営業利益が掲載されていますが、いずれも好調な様子が伺えます。
参考:【特集】売上高から見た人材業界地図(2018年度版); HRog
リクルートやパソナなど、誰もが知っている大手の会社から、マイナビやエン・ジャパンなど求人サイトでお馴染みの会社まで、さまざまな会社の売上高・営業利益が掲載されていますが、どこも好調なようです。
売上が好調なのは人手不足による需要増が影響だと分析されています。人手が足りないと求人広告を出したり求人サイトを利用する人が多くなるわけですから、当然求人業界の利益も潤うことでしょう。
ただ、需要が多くなっている一方で、人材確保が難しくなっているとも指摘されています。有効求人倍率の項目でも取り上げましたが、今後はどうマッチングさせるかが重要になってきそうです。
主に有名企業や大手サイトの情報になるため、中小・零細企業(サイト)の場合はどうなのか?という疑問もありますが、業界全体が好調であれば小規模であっても恩恵を受けられるのではないでしょうか。
2018年も複数の企業が上場しました
利益が上がっていることを証明するかのように、2018年も求人ビジネスを行っている会社が株式市場に上場しました。いくつかご紹介したいと思います。
・介護や福祉関係の人材紹介を行っている「株式会社ツクイスタッフ」
・製造やITなどの人材派遣を行っている「CRGホールディングス株式会社」
・グローバルな人材派遣を行っている「ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス株式会社」
など、複数社が上場を達成しています。求人業界が好調な限り、今後も上場する企業は増えるでしょう。上場を目指すスタートアップにとっても、求人業界は魅力的な市場であると言えそうです。
就活ルール廃止で求人サイトも変わる!?
雇用関係のニュースと言えば、「就活ルールが廃止になる」事が大きいのではないでしょうか。経団連は2021年春に入社する学生から、いわゆる“就活ルール”を廃止することを決めました。
現在の就活は実質大学3年生の3月にスタートし、リクルートや大手会社が実施する就職説明会が行われ、6月から面接などの正式な選考活動がはじまります。法律で決まっているわけではありませんが、暗黙のルールとして存在します。
それが廃止されることにより、自由な就活が行われるようになります。学年や時期にとらわれず、いつでも就活できるようになります。場合によっては、1年生の内から内定をもらう人もいるでしょう。
早く内定がもらえることで、学業や学生生活に専念できるという考えもありますし、逆に最初から就活目的で学生になり、学業がおろそかになるのではないか?という意見もあります。
実際のところは2021年以降にはじまってみないとわからないと思いますが、筆者としては大賛成です。というのも、優秀な人材はどんどん社会に出るべきだと思うし、企業も早期に人材を確保したいと思うからです。
むしろ、ルールを用いて一斉に就職活動する時期を定めていたのがおかしいと感じていました。就職や労働は人生を左右する大きな出来事ですから、もっと自由であるべきだと思っています。
今回の就活ルール廃止により、求人サイトのサービス内容や作り方も変わってくるのではないでしょうか。「大学一年生から内定を出してくれる会社特集!」とか「いつでも入社OKの会社特集!」のようなコンテンツも生まれるかもしれませんね。
外国人労働者の労働問題が深刻に
以前にも取り上げられていましたが、2018年は特によく話題になったのではないでしょうか。外国人労働者に対する受け入れ体制の問題や、過酷労働の問題などがよくニュースで取り上げられました。
少子高齢化で人手不足の日本では、外国人労働者の支えが必要です。しかし、過酷な条件で働かせてしまうことになると、いずれ日本を去っていくことになるでしょうし、労働力として定着しません。その結果、経済も衰退するでしょう。
このことは政治レベルで問題視されていますが、まだまだ法整備が追いついていない現状です。外国人労働者が安心して働ける国になるためにも、早期に解決して欲しい問題と言えるでしょう。
また、求人サイトも外国人向けのコンテンツや仕様変更が必要になるかもしれませんね。現在の求人サイトはほとんど“国内にいる日本人向け”の表示になっており、外国人が使いづらいサイトばかりです。
以前、JOB-PLACEを導入していただいたお客さまに、日本・英語の切り替えができる翻訳カスタマイズを行いました。外国人が好むプロフィール(履歴書)を生成できるようなデザイン変更も行い、外国人向けの求人サイトを納品しました。
求人サイトではありませんが、コミュニティサイトで外国人向けの設計にしたサイトを構築したこともあります。英語や中国語で投稿しても表示される仕様で、様々な国の方が利用するサイトでした。
そういった経験を活かし、外国人労働者が好む求人サイトを構築することで、労働問題を少しでも改善できればと思います。
まとめ
求人業界としては概ね好調ではあるものの、雇用・労働関係のニュースで取り上げられるのは、悪い方のニュースが多かった印象です。来年は良い方のニュースが増えるよう期待したいですね。
また、当サイトとしては多くのお客さまに興味を持っていただき、お問い合わせいただいたり、実際に発注していただくこともあり、手応えを感じた一年となりました。ありがとうございます。
ただ、一方で条件が合わずにお断りするケースも多かったです。カスタマイズ内容や導入していただく環境に制限がありますので、少しでもイレギュラーな要望があればお断りしていました。
別にお客さまが無理難題をおっしゃっているわけではありません。普通のWeb制作会社やクリエイターなら受けているご要望ばかりです。しかしながら、限られた人材でサービス提供していますので、難しくなりそうな時はお断りしているのが現状です。
ただし、このままではあまりにもお客さまに対して失礼です。改善しなくていけません。来年以降はサービス内容を見直し、より多くの求人サイトを提供できるよう、努めて行きたいと思います。
JOB-PLACEは2019年以降も求人業界や雇用ニュースを注視しつつ、よりよいサービスを提供していく所存です。求人サイト構築をご検討の方はぜひご相談ください。