求人ビジネス

求人サイトの種類と特徴

求人サイトの種類と特徴のイメージ

一括りに求人サイトと言っても様々な種類(形態)があります。自分の事業や得意分野に合った求人サイトの種類を見極めることで、求人サイトビジネスが成功すると言っても過言ではありません。

今回は求人サイトの種類とその特徴(運営する時のポイント)について解説します。

※なお、分かりやすくそれぞれの種類に応じた呼び方で説明します。
※それぞれによく採用されている課金方法やビジネスモデルについてもご紹介しますので、
先に以下の記事をご覧いただくと、用語が分かりやすいかと思います。

求人サイトで効果的なビジネスモデルとは
求人ビジネスが起業家やベンチャー企業に選ばれ、ビジネスの手法として多く取り入れられているということは、前回の記事で解説しました。 ...
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転職を目的とした求人サイト(転職サイト)

現在の職業や所属する会社から、別の職業・もしくは会社へと変わることを転職と言いますが、転職の斡旋を目的とした求人サイトはもっとも多い求人サイトの種類と言えるでしょう。

求人サイトと言わずに、転職サイトとして呼ばれることもあるぐらいで、もっともユーザーに馴染みのあるサイト形態だといえます。

有名な転職サイトでは

が人気で、検索エンジンでも上位表示されています。

18歳~65歳(もしくはそれ以上)と幅広い年代を対象としていることが多く、正社員や契約社員で中途採用を募集している企業の利用が多いです。

終身雇用が崩壊しつつある現在の日本社会では、転職を何回も繰り返す人が多いため、求職者・企業ともに利用する機会が増えています。

基本的には転職サイト上に企業の募集があって、求職者が求人情報を見て応募する仕組みですが、中には転職エージェントといって、一緒に仕事を探してくれるサービスを行っているサイトもあります。

※転職エージェントにつきましては、また別の機会に記事にしたいと思います。

転職サイトを比較したりランキング形式で紹介しているサイトもあり、「どこの転職サイトを選ぶのか?」が、良い転職先を探す条件になっているようです。

■転職サイトのビジネスモデルとは

転職サイトは会員数・アクセス数が多い傾向にあるため、掲載課金を採用しているサイトが多いです。

企業の求人情報を一定期間掲載し、掲載日数に応じて料金プランが変わる仕組みです。企業は多くの人材を募集しようとすれば多額のコストがかかりますが、会員数・アクセス数の多さでそれをカバーしています。

ただし、大手ではない中堅クラスの転職サイトの場合、採用課金を導入するサイトも増えてきました。

大手サイトの牙城はなかなか崩しづらいので、今後も転職サイトといえば、採用課金型の転職サイトが増えてくると思います。

■転職サイトを運営するポイント

全国・全職種を対象とした転職サイトをこれから作る場合、収益を上げていくのは厳しいかもしれません。よほどアイディアに特化した、求職者に魅力的な特徴がない限りは、現存する大手の転職サイトにユーザーが流れてしまいます。

ですので、地域や業種を絞り、「ここにしかない転職サイト」というように、専門サイト化することが重要になります。

逆に言えばその強みを見つけることが出来れば成功しやすいともいえます。前述したとおり、転職サイトは利用者の年齢層が幅広いので、多くの会員数・アクセス数を見込むことが出来、リピーターにも繋げられます。

利用者が増えれば企業からの求人掲載依頼も増えるので、収益を上げ続けることが可能になるでしょう。

パート・アルバイトを目的としたサイト(バイト募集サイト)

転職サイトは固定給で長時間労働をしてくれる人材を求める企業が多いのに対して、バイト募集サイトは時給で短時間(短期間)労働をしてくれる人材を求める企業が多いです。

労働基準法では「パート」や「アルバイト」の違いはなく、同じ労働者として扱われますが、人々のイメージでは「パート」は主に主婦や非正規で働く女性で、「アルバイト」は学生や短時間労働者を指すイメージがあります。

有名なバイト募集サイトでは

が人気のようです。求人サイトだけでなく、フリーペーパーや雑誌など、リアルの求人誌も手がけているサイトも多いですね。またテレビCMでもよく耳にします。

バイト募集サイトは若者をターゲットにしている事が多く、サイトのデザインは明るめで、派手な演出をする傾向にあります。

また、給与や条件面よりも「いかに楽しい職場であるか」「学校や家庭の空き時間で働ける」などの”働きやすさ”をアピールする傾向にあります。

求職者のニーズもそれに合致しており、「手軽にバイト探しが出来る」ということを重視する傾向にあります。そのため、会員登録や履歴書の作成をすることがなく、求人応募出来るサイトも多いです。(サイトを介さず、電話応募することを進めるサイトもあるぐらいです)

■バイト募集サイトのビジネスモデルとは

バイト募集サイトは転職サイトと比べて求職者の離職率が高いため、企業もあまり一人あたりの採用費にお金をかけられない傾向にあります。

大手サイトでは掲載課金を利用しているところもありますが、今は採用課金が多くなっています。採用課金であれば、何人応募があっても採用するまで費用がかかりませんし、「入社後○日までに辞めたら全額返金します」などの補償制度をとっているところもあり、企業も安心です。

ただ、1人あたりの採用コストを下げる分、利用頻度は高まります。街の飲食店などでも「アルバイト募集」の張り紙を常にしているお店を目にすることがあると思います。

バイトの場合は企業も離職率の高さは織り込み済みなため、常に募集をかけ続けるといった認識があるようです。一度バイト募集にそのサイトを使えば、リピーターとなって使い続けてくれる傾向にあります。(もちろん、全く採用できないサイトはその限りではありません)

ですので、転職サイトと比べて求人数を多く確保することができ、比例して多くの利用者を得やすいため、収益を上げやすいとも言えるでしょう。

■バイト募集サイトを運営するポイント

こちらも全国・全業種というよりは、どちらか絞ったほうが良いです。ただし、バイト募集の場合はあまり業種を絞ると数が集まりにくくなります。

上記で若者がよく利用すると書きましたが、若者は「質より量」の傾向があります。色んな業種の仕事を掲載している方が、サイトが華やかに見えて、利用機会が高まります。

そして地域や業種を絞ることよりも、「どれだけ求人情報(企業)を魅力的に見せるか?」が重要になります。

利用者の声(または先輩の声)として、過去に採用された人のインタビューやコメントを掲載するのは有効です。物販の口コミと同じく、他人の感想があることで、自分のその仕事をしてみたくなります。

また、お祝い金を利用するのも有効です。パート・アルバイトは正社員と比べて収入に不安定な部分も多くありますが、お祝い金をもらうことが出来れば、働く際の身支度金として利用できますので、求職者も安心です。

お祝い金を採用しているバイト募集サイトでは「お祝い金を貰えるから利用した」「お祝い金の金額を見ながらアルバイト先を探すのが楽しい」と言った声もあるぐらいです。

ですので、バイト募集サイトを運営する場合は、求人情報の質そのものよりも、サイトのコンテンツや特典面をアピールした作りが成功への鍵となるでしょう。

ちなみに、JOB-PLACEにはお祝い金の機能も、利用者の声を掲載できるような機能もあり、サイトを盛り上げるコンテンツが満載です。

人材派遣を目的とした求人サイト(派遣サイト)

転職サイトやバイト募集サイトは自分が働く企業に直接応募するサイトでしたが、派遣サイトは”仕事を紹介してくれる派遣先を探す”サイトになります。

求人情報を掲載している企業も人材派遣会社が多く、どんな会社に派遣するか?どんな仕事があるか?などを掲載して求職者を募集しています。

有名な派遣サイトでは

などがあります。

一昔前は「派遣は女性がやる仕事」といったイメージがありました。2007年のテレビドラマ「ハケンの品格」は話題になり、高視聴率を記録しました。

今は男女問わず、派遣社員になることがありますが、上記のサイトを見てもお分かりなように、女性をターゲットとした派遣サイトが多いようです。(労働基準法で明確に女性向きを謳えないため、サイトのデザインや記事などで暗にユーザーに伝えています)

■派遣サイトのビジネスモデルとは

基本的には派遣会社が人材を募集しているわけですが、派遣という事業形態から、募集先が直接雇用するわけではありませんので、ビジネスモデルも掲載課金になる事が多いようです。

また、実際に勤務先の企業が募集するわけではないので、募集文面や条件なども少なくなりがちで、スカウト課金やおすすめ求人などのコンテンツ課金を使用する要素も少ないです。

派遣サイト自体の利用料よりも、別の収益の上げ方を考えなくてはいけないかもしれません。

■派遣サイトを運営するポイント

派遣サイトで利益を上げるためには、派遣会社との関わりが必要になります。サイトそのものの魅力よりもコネの要素が強いかもしれません。

ただ、1986年に派遣法が施行されて以来、人材派遣の市場は急速に拡大されてきました。

一般社団法人 日本人材派遣協会の調査では、派遣は雇用者全体の2.3%だそうです。

参考:派遣の現状|一般社団法人 日本人材派遣協会

しかし、非正規雇用が占める割合は37.5%と4割近くあり、派遣の割合も増える傾向にあります。

参考:総務省統計局 労働力調査(詳細集計)平成28年(2016年)平均(速報)結果

派遣業を行う会社も増えてくると思いますので、そういう会社を相手に派遣サイトを立ち上げるのも悪くないと思います。

ただ、派遣サイトを行う場合は注意も必要です。派遣サイト自体が人材派遣に関わらないようにしなくてはいけません。

職業安定法第4条第1項という法律があり、この基準によって「職業紹介」と判断される事業を行おうとする場合、厚生労働大臣の許可を受ける必要があります。

参考:民間企業が行うインターネットによる求人情報・求職者情報提供と職業紹介との区分に関する基準について

ですので、派遣サイトを作る場合は法律面も注意しつつ、法律に抵触しない範囲で行う必要があります。

もしくは、派遣会社のための派遣サイトではなく、派遣業を行っている企業が派遣サイトを作る方が良いかもしれません。派遣先の企業を紹介することができるし、自社の宣伝にもなります。

派遣業は今後も法律が変わりそうで、色々と難しい面もありますが、多様な働き方の一環として必要なビジネスでもありますので、運営形態が成功の鍵になるかと思います。

人材マッチングサイト(マッチングサイト)

仕事を依頼したい企業とその仕事を受けたい求職者を結びつけるサービスです。

求人サイトとは少し用途が異なるかもしれませんが、仕事を依頼したい人=企業・会社であることが多く、仕事を受けたい人=個人の場合が多いため、ここでも取り上げたいと思います。

派遣サイトと似ている部分もありますが、派遣サイトは主に派遣会社が利用するサイトなのに比べ、人材マッチングサイトは人材を欲している企業自らが募集します。

そして雇用形態もSOHOやフリーランスを対象とした、業務委託である場合が多いです。特にIT・Web関係の人材募集が多く、新しい働き方の例としてメディアに取り上げられることも増えてきました。

などがあります。 Find Job!はWeb系の転職サイトですが、業務委託の仕事も平行して紹介しています。

なお、クラウドソーシングまで広げると求人とは異なってきますので、今回はご紹介を省くことにしました。

■人材マッチングサイトのビジネスモデルとは

仕事ごと、プロジェクト(案件)ごとに依頼するパターンが多いです。マッチングサイトの運営者は採用(発注先確定)時に利用料金を請求するビジネスモデルですので、採用課金に近いと思います。

採用時だけでなく、コンテンツの利用料を徴収するコンテンツ課金も組み込むことができます。前述したアサインナビでは料金プランを分けて、プラン別・会員種別ごとに利用できるコンテンツが異なるなど、ユニークなビジネスモデルを採用しています。

ただの人材紹介に収まらず、企業の需要に合わせてビジネスモデルを構築できるため、収益を拡大しやすいように思います。

■人材マッチングサイトを運営するポイント

他の求人サイトと比べて人材の質が問われます。その道の専門性に長け、プロフェッショナルな人材を多く抱えていないと、企業が利用してくれません。

ただ逆に言えば少人数でも質の高い人材が存在することで、企業の利用は促進されます。ポイントは、いかにプロフェッショナルな方が登録してくれるようなサイトにするか?でしょうか。

言うほど簡単なことではありませんが、運営者のアイディアを活かしやすい事業になりますので、やりがいはかなりあると思います。

JOB-PLACEの求人システムにはマッチング向けの機能はあまりありませんが、カスタマイズ性に優れているため、マッチングサイトのようなシステムにカスタマイズすることはできます。

ぜひ人材マッチングサイトのアイディアがありましたら、ご相談いただければと思います。当方でもいくつかマッチング向けの機能を検討しております。

人々の働き方によって求人サイトも変化する

以上、4つの求人サイトの種類と特徴をご紹介しました。求人サイトと言ってもビジネスモデルや運営者の考え方、ターゲット層によっては「こうだ」と決めつけられないと思います。

今や多種多様な働き方があり、政府も働き方改革をしようと法整備をしています。クラウドソーシングをはじめ、民間でも色んな働き方が提唱されています。

働くという事は生きるということに繋がり、人々にとっては欠かせない要素です。また、働くこと・行動することで人と人との出会いが生まれ、新たな可能性に繋がります。

求人サイトはそんな人と人との繋がりをお手伝いする、大変魅力的でやりがいのある媒体です。「人の役に立ちたい!」と思われる方に、特におすすめです。

ぜひあなたのアイディアを活かせる求人サイトを一緒に作るお手伝いをさせてください。

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