求人ビジネス

42倍儲かる!?転職エージェント系サイトの作り方

42倍儲かる!?転職エージェント系サイトの作り方のイメージ

転職の仕方は大きく分けて2つの方法があります。1つは自ら求人サイトなどで企業に応募して雇用される方法。もう1つは転職に詳しいコンサルタントに依頼して、企業や求人を紹介してもらう方法です。

転職のプロ達が転職希望者の経歴やスキルなどを元に、無料で相談に乗ってくれます。そのため、自分で探すよりも希望に合った転職先が見つかりやすくなり、キャリアアップの可能性が広がります。

このようなコンサルティングを元にした転職支援サービスを総じて「転職エージェント」と呼びます。今、この転職エージェント系サイト(以下、転職エージェント)が増えているのです。

目次[非表示]

転職エージェントが増えている理由

なぜ転職エージェントが増えているのでしょうか?それは求職者と企業側で正しく人材マッチングが行われていないからです。求職者は働き口がないと言い、企業は人がいないと言います。

しかし、有効求人倍率は毎月のように高値更新しており、各業界で人材不足が叫ばれ続けています。これは景気が上向いて人手が足りないというよりも、”人材マッチングが上手く行っていない”証拠ではないでしょうか?

ですので、通常の求人サイトよりも転職エージェントという形を取り、専任のコンサルタントが転職支援サービスを行うことで、人材マッチングを円滑に行おうとする会社が増えてきました。

ただ、サイト形態としての転職エージェントが増えているのはそれだけが理由ではありません。実は転職エージェントは通常の求人サイトと比べて遥かに「儲かる」のです。

転職エージェントのビジネスモデルとは?

転職エージェントでは成功報酬型のビジネスモデルが採用されています。求人サイトのように、求人情報を掲載していくらの場合もありますが、おおむね成功報酬が基本といっても過言ではないでしょう。

企業が転職エージェントから紹介された人材を採用したら転職エージェントに報酬を支払います。そして驚くことに、この報酬額の相場がなんと年収の30%なのです!

たとえば平均年収が420万円※1だとして、その30%だと126万円になります。これは通常の求人サイトによくある成功報酬を3万円※2とした場合、実に42倍の利益になるのです!

もちろん、人材を紹介してすぐに年収の30%を得られるのではありません。保証のため、企業が採用してから数ヶ月は勤務が継続されないと、報酬が支払われない場合が多いです。

また、事業者の規模も関係するでしょう。新規事業者の場合は実績に乏しいですから、いきなり相場である年収の30%を獲得するのは難しいかもしれません。

しかし、それでも相場は年収の30%ですから、3人紹介すれば平均年収に近い利益が得られます。これだけの高額報酬が期待できるなら、転職エージェントを目的とした事業やサイトが増えるのも納得できます。

※1 厚生労働省の資料を元に日本の年収をまとめたサイト「平均年収.JP」では、 日本の平均年収は平成27年度で420万円あると発表しています。

参考:日本の27年度平均年収・給料・年収推移や年代別年収|「平均年収.jp」

※2 成功報酬型のビジネスモデルでおなじみのジョブセンスを参考にしています。
参考:アルバイト求人広告の料金比較はこちら【ジョブセンス公式】 | ジョブセンス

転職エージェントと求人サイトの違いは?

求人サイト(転職サイト)は求職者が自ら求人情報を探して応募します。スカウト機能を使って企業からの連絡を待つ方法もありますが、基本的には自分で転職活動を行います。

一方、転職エージェントは専任のキャリアアドバイザー(キャリアコンサルタント、転職コンサルタントとも言います)が付いて、転職活動をサポートしてくれます。

このように目的が異なるため、サイトの作り方も変わってくるのですが、中には求人サイトと似た感じの転職エージェントもあります。いくつか有名なサイトをご紹介します。

ご覧のようにサイト上で求人情報が公開されており、求人応募(問い合わせ)ができるようになっています。求人検索や求人特集などもあり、通常の求人サイトと変わりないコンテンツが利用できます。

単にキャリアアドバイザーを紹介されるよりも、公開されている求人情報があることで信頼性は増し、利用しやすくなります。別で「非公開求人」もあれば希少性が増し、より利用が促進されるでしょう。

その他、登録後のやり取りはサイト上で行い、対面しなくても求人・企業の紹介や応募書類の添削などを行ってくれる転職エージェントもあります。忙しい人でもネット上で転職活動が可能になります。

ただし、筆者が調べた範囲ではまだまだ「ネットのみ」で完結するような転職エージェントは少ないようです。サイト上の機能やメールなどで紹介してもらえるものの、対面や電話が必要になる感じです。

採用企業の場合は対面を希望する会社も多いと思いますが、求職者の場合はネットだけで済ませた方が時間も取られず、今の会社にも知られずに転職活動ができるので好まれます。

今後は動画やVR(バーチャルリアリティ)、AI(人工知能)などを活用した転職エージェントも出てきそうで、この分野の可能性は広がりそうです。

転職エージェントに必要な資格とは?

転職エージェントは人材の斡旋を行うので、有料職業紹介事業の認可を受けなければいけません。この許可の期限は新規の場合3年、有効期間の更新は5年となっています。

手続きは書類を厚生労働省に提出し、個人・法人問わず申請できます。(未成年者は申請できません)詳しくは以下の参考リンクをご覧ください。

参考:職業紹介事業の業務運営要領 |厚生労働省

基本的にはこの許可さえ得ていれば転職エージェントとして求職者に求人を紹介したり、企業に有料で人材を紹介することができます。(※禁止事項もあります)

そして、キャリアコンサルタントという国家資格もあります。キャリアコンサルタントは労働者の職業選択に関する相談に応じ、助言や指導を行うことができます。

参考1:キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント |厚生労働省

参考2:国家資格 キャリアコンサルタント試験 公式ウェブサイト

その他、「キャリア・コンサルティング技能士」やキャリアカウンセラー認定試験もあるようです。詳しくは「キャリアコンサルタント 資格」などで検索してみてください。

ただ、平成27年9月11日に「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案」にてキャリアコンサルタントと名乗るためには資格が必要になりました。

参考:キャリアコンサルタントの国家資格化に関する法律が成立しました 日本マンパワー

このように、転職エージェントの事業を始めるには認可や資格が必要になります。キャリアコンサルティングを行う人材を雇用する場合も、資格の有無に関する確認が必要になるでしょう。

転職エージェントに必要なコンテンツとは?

転職エージェントで何よりも重視されるのは「信頼性」です。転職希望者が「相談したい!」と思える内容・コンテンツを用意できるかで、その利用が決まります。

特にキャリアアドバイザーの紹介は重要です。キャリアアドバイザーの経歴や実績だけでなく、サイト上から感じる雰囲気(写真やメッセージなど)が転職希望者に好まれないと利用には繋がりません。

また、「どんな企業(仕事)を紹介してもらえるか?」も重要になるでしょう。最近は非公開求人と言って、登録しないと求人情報が見られないサイトも増えましたが、それでは信憑性に欠けます。

通常の求人サイトのように取り扱う求人情報や企業を検索できるようにして、転職希望者が案件に期待できるような情報を用意することが大事だといえるでしょう。

また、転職希望者だけではなく採用企業に対しても信頼してもらえる作りになっている必要があります。いくら耳障りの良い言葉を書き綴っても担当者の目はシビアです。明確な実績やメリットがないと依頼してもらえないでしょう。

転職エージェントはオンラインだけの対応ではなく、オフラインの対応力が物を言います。綿密なスケジューリングと緻密な採用計画を提案し、なによりコミュニケーション能力が必要になるでしょう。

このように様々な要素が必要となりますが、まずは入り口となるサイト上でアピールする必要があります。可能な限り情報量を多くして、「ここは信頼できそう」という空気を感じ取ってもらうのが成功の鍵となるでしょう。

転職エージェントは個人でも可能?

転職エージェントを運営している会社や掲載されている企業は大会社が多いため、個人事業主やベンチャー企業が事業として行うのは難しいと感じるかもしれません。

しかし、そんなことはありません。転職エージェントとして必要な要素は上記で述べた通り、「信頼性」ですので、信頼性を確保することが出来れば個人でも小規模事業者でも事業として成立させることは可能です。

たとえば、あなたはこれまで誰かに仕事の紹介をお願いしたことはないでしょうか?転職活動だけでなく、アルバイトやパートの相談でも構いません。

親や親戚、知人・友人などに相談したことがあるという人もいると思います。単に仕事を紹介してもらうだけでなく、面接日の調節や履歴書の確認などひと通りのサポートをしてもらったことがある人も多いでしょう。

仕事の斡旋をしてくれた人は事業としてそれを行っているのではなく、「身内だから・知り合いだから」という善意の気持ちで行っています。あなたもそれを汲み取れるから相談できるのです。

転職エージェントの仕組みも基本的にはこれと同じです。「信頼できる人に無料で仕事の斡旋をしてもらう」のです。ですから、事業者の規模は関係ありません。

特化型転職エージェントがおすすめ!

転職エージェントには大きく分けて2つの種類があります。様々な業界の案件を扱う「総合型転職エージェント」と、特定の業界を対象とした「特化型転職エージェント」です。

特化型転職エージェントの場合、その業界・職種に特化しているため、キャリアアドバイザーも専門知識を持つ人が多く、経験も豊富です。業界特有の情報提供や面接対策もしてくれるでしょう。

特化型転職エージェントを作る場合、案件数を確保するのは難しくなりますが、専門分野だけに多くの案件を獲得していなくても利用者がいます。

特にあなた自身がなんらかの資格や経験を有する業界経験者の場合は有利です。たとえばあなたが美容師だとします。美容業界も競争が激しく、常に人材不足です。

しかし、かつての華やかなイメージと比べて重労働で下積み時代は給与も低いです。そのため、美容学校を出ても美容師にならずに他の業界で就職する人も多いと聞きます。

そういう方向けに転職エージェントがあればどうでしょうか?コンサルタントは同じ美容師であれば相談しやすいし、また美容室側も業界の苦労や求める人材が分かっているので依頼しやすいでしょう。

このように特化型転職エージェントは、専門知識を要する方がセカンドキャリアとして起業する場合にもおすすめの事業形態であるといえます。

なお、美容師・美容室に特化した転職エージェントも存在します。

ただ、ご覧のように転職サイトの1サービスとしての位置づけであり、転職エージェントに特化したサイトではありません。特化型転職エージェントはまだまだ少ないので、今後増えそうな分野ではあります。

転職活動にとらわれない職業紹介サービスも面白い!

転職エージェントといえばその名の通り、転職支援をすることが目的となるサービスですが、転職活動だけにこだわらなくても良いと思います。

というのも、転職エージェントで提供されている「転職相談」「応募書類の添削」「面接対策」「企業へのアピール」「アフターフォロー」などは、すべての職業紹介サービスで利用できるからです。

たとえアルバイト先を探す場合でも、知識のある方に相談したいという人は多いのではないでしょうか?企業側もどこの誰が応募してくるかわからないよりも、専任のコンサルタントが勧める人材の方が安心できます。

転職エージェントといえばどうしても大層なイメージを持ってしまいますが、これからは気軽に仕事探しの相談ができる、ネット上のハローワーク的なサイトも増えるのではないでしょうか。

まとめ

今回は転職エージェントというサイト形態・サービスの紹介とともに、転職エージェントが通常の求人サイト比べて利益を上げやすい理由について説明しました。

まだまだ情報が少なく、筆者も勉強不足であるため基礎的な内容となりましたが、今後はもっと内容を充実して、”求人ビジネスの別の手段”としてご紹介できればと思っています。

当方がこれまで作った求人サイトも職業紹介を目的としたサイトがいくつかありました。サイトの作りとしては通常の求人サイトと同じですが、求職者が求人応募した後に、運営会社の担当スタッフがサポートする形です。

秘密保持契約があるので詳しくご紹介できませんが、企業に人材を斡旋することで年収の数%を紹介料として貰えたり、応募だけで数万円の報酬を貰えると聞いて、打ち合わせの時に驚いたのを覚えています。

単に求人広告として求人情報を掲載するのではなく、転職支援サービスという形で人材のサポートをすることができれば、莫大な収益が期待できるでしょう。

もし、起業を考えている方で社会人としての経験が豊富だという方は、転職エージェントを始めてみてはいかがでしょうか?やることは多くて大変かもしれませんが、更なるステップアップが期待できると思います。

関連記事

今さら聞けないスタートアップの基本・起業を成功させる秘訣とはのイメージ

今さら聞けないスタートアップの基本・起業を成功させる秘訣とは

新しい起業のスタイルとして注目を集めている“スタートアップ”という言葉。ビジネス関係のニュースやメディアで...

2019年の求人業界を予測!今年求められる求人サイトの条件とはのイメージ

2019年の求人業界を予測!今年求められる求人サイトの条件とは

あけましておめでとうございます。当サイトは本日1月7日より年末年始休業を終えて業務再開となりますが、同じよ...

今がチャンス?人材不足の業界を対象とした求人サイトの可能性を考えるのイメージ

今がチャンス?人材不足の業界を対象とした求人サイトの可能性を考える

新しい求人サイトを作る時に、対象とする業界(職種)や地域をどこに設定するかはとても重要なことです。人余りで需要...

2018年から始める求人サイト構築のイメージ

2018年から始める求人サイト構築

あけましておめでとうございます。年が明けると「今年こそは何か新しいことがしたい!」という気持ちになってきますよ...

上場するスタートアップに求人ビジネスが多い理由のイメージ

上場するスタートアップに求人ビジネスが多い理由

スタートアップとは、ビジネス用語で起業したり新しいビジネスをはじめる人(組織)のことを指します。特にIT業界は...