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求人サイトで決済の自動化を行う前に考えたい3つのこと

求人サイトで決済の自動化を行う前に考えたい3つのことのイメージ

先日、経済産業省がキャッシュレス決済(現金を使わない決済)に関する提言をしたとのことで話題になりました。

参考1:キャッシュレス「後進国」に焦り:日本経済新聞

参考2:「将来は買い物の80%をキャッシュレスで」経産省が提言

昨年から日本でキャッシュレス化が進んでいないというニュースがたびたび話題になっています。キャッシュレス決済を行うことで時間短縮になり、人手不足対策にはなりますが、日本人の現金思考が強いので、あまり浸透していません。

ネットショッピングやレンタルサーバーの契約など、インターネットのサービスはほぼキャッシュレスです。クレジットカードや電子マネーを使って決済を行うのが一般的であり、多くの人が当たり前だと認識しています。

一方で、求人サイトの利用はどうでしょうか?求人サイトに求人広告を掲載する場合、銀行振込で行うのが一般的です。Web上からクレジットカード決済できるサイトもありますが、大手求人サイトでは請求書を送って銀行振込してもらうところが多いです。

銀行振込なので現金払いとは違いますし、言葉の意味としては「キャッシュレス」ではあります。しかし、商取引上での手間が発生するという意味では、完全なキャッシュレス化はできていないのではないでしょうか。

ただ、求人サイトに銀行振込が多いのは理由があります。掲載する求人情報を確認したり、採用状況を確認するなど、運営者側でのチェックが多いからです。完全に自動化するのは難しい側面があります。

当サイトのお客さまからも手間や負担を避けるために決済の自動化について相談されることがあります。しかし、ビジネスモデルによってはデフォルトのJOB-PLACEでは実現することが難しく、カスタマイズも必要になることから、断念いただくケースが多いです。

そういった理由からお客さまに提案する時は銀行振込を推奨しています。振り込みの手間はかかりますが、銀行口座を持っていない企業はないし、ITが苦手な企業・担当者も利用できるので、一番無難な決済方法になるからです。

とはいえ、時代の流れに合わせて検討する余地はあると思っています。求人サイトではありませんが、クレジットカード決済を導入した経験もありますので、技術面はクリアしています。必要であれば導入できる用意はあります。

そこで今回は「求人サイトで決済の自動化を行う前に考えたい3つのこと」をテーマに、何をどうすれば求人サイトの決済を自動化し、キャッシュレスにできるかについてお話したいと思います。

目次

ビジネスモデルを決める

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まず第一に「どんなビジネスモデルにするか?」が重要になります。掲載課金なのか・成果課金なのか、先払いなのか・後払いなのかによっても支払い形態が異なります。

ビジネスモデルによって決済のタイミングに違いが出てきます。それによって求人サイトの作り方も変わってきますので、ビジネスモデルに対して明確な仕様を決める必要があります。

求人サイトでよく利用されるビジネスモデルについて、以下の記事にて詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。

求人サイトで効果的なビジネスモデルとは
求人ビジネスが起業家やベンチャー企業に選ばれ、ビジネスの手法として多く取り入れられているということは、前回の記事で解説しました。 ...
求人サイトで効果的なビジネスモデルとはのサムネイル

ビジネスの仕組みだけでなく、金額(求人情報の掲載料金や、サイト利用料金など)によっても自動化のしやすさは変わります。

たとえば掲載料金が10万円以上になると、クレジットカード決済しづらいのではないでしょうか?大手の求人サイトが銀行振込にしているのも、掲載料金が高くて自動化には向かないという理由もあると思います。

逆にアルバイト系の求人サイトや日雇いなど短期労働を目的とした求人サイトの場合、金額も小額になることが多いので、クレジットカード決済向きだと言えます。

このように求人サイトのビジネスモデルによって向き・不向きがありますので、決済の自動化を検討する前に、まずはビジネスモデルを確定させることからはじめてください。

手数料やデメリットも考える

手数料やデメリットのイメージ

キャッシュレス化は良いことばかりではありません。キャッシュレス化を導入するための機材・システムを利用するために、サービス提供元に手数料を支払う必要があります。

銀行振込ならビジネスの通例上、振込手数料はお客さま負担になることが多いのですが、クレジットカード決済や電子マネーでの支払いの場合、手数料は事業者負担になります。

Webサイトで決済代行を導入する場合、「決済代行サービス」を利用するのですが、代行会社に支払う手数料は、1件に付き数%必要になります。

たとえばWeb企業大手のGMOが運営する「イプシロン」でクレジットカード決済を導入した場合、1件につき決済手数料が4~5%発生します。

参考:料金案内 -クレジットカード決済代行イプシロン-|決済代行ならGMOイプシロン株式会社

求人情報の掲載料金が3万円の場合、約900円の手数料が発生します。月額最低手数料は2500円かかるので、利用者がいなくても必要になります。

当方のWebシステムに導入したことがある「PAY.jp」というサービスでは、手数料が3%になります。(ベーシックプランの場合)

決済代行サービスを行っている各社でそれぞれ手数料は異なりますが、おおむね数%の手数料が必要になるので、利益が減少することになります。

その他、自動決済ならではの悩みやトラブルもあります。代行会社から実際にお金が入金されるまでのロスや、返金対応、自動決済処理でのセキュリティ懸念などもあります。運営者にも専門知識が必要になるでしょう。

そういった手数料の負担、学習コストの負担もデメリットとして考える必要はあります。

利用者はどのくらいいるかを考える

利用者のイメージ

最後に「自動決済を行う利用者がどのくらいいるのか?」を考える必要があります。冒頭で説明したように、日本はキャッシュレス化が進んでいませんので、人々の中ではまだまだ現金思考が根強いです。特に企業の場合、よりその思考が強いのではないでしょうか。

クレジットカードや電子マネーでの決済よりも、請求書を送ってもらい、銀行振込したいという企業が多いように思います。経理上の問題もあるでしょうし、決裁権を持つ方が決まっているので、安易に支払いできないというのもあるでしょう。

なにより求人サイトをオープンしたばかりだと、会員も企業も少ない状態です。自ら営業して掲載企業を探すことになると思うので、自動決済には不向きです。企業と直接やりとりをして親近感を得てもらった方がいいかもしれません。

そしてある程度利用者が増え、自社のスタッフでは手一杯になった時に自動決済を導入しても遅くはないです。Webシステムならば後から機能を追加することができます。

もしあなたが全くの新規求人サイトを構築しようと思われる場合、最初から自動決済を導入しないほうが懸命です。少し様子を見たほうが良いでしょう。

逆に求人サイトのリニューアルであったり、最初から一定数の顧客企業が見込める場合、自動決済を導入しても良いかと思います。ビジネスモデルについてもある程度ノウハウがあると思うので、自動決済の必要性について見えてくるのではないでしょうか。

まとめ

当方では2010年からWebシステムを販売するサイト「R-STUDIO」を運営しているのですが、まれにクレジットカード決済を望まれるお客さまがいます。しかし、総合的に判断して導入するのは難しいと思っています。

というのも購入後に機能について質問があったり、お客さまご自身でうまく扱えないことがあるからです。「思っていたのと違っていた」と言われることも良くあります。すると、自動決済でお支払いをしていただいていた場合、返金処理など困ることが増えます。

求人サイトでも似た現象が発生する可能性があります。求人情報を掲載した後に「思っていたのと違っていた」と言われる可能性もあるでしょう。採用後に「すぐに辞められた」としてトラブルになることがあるかもしれません。

銀行振込のやりとりであれば単純にお金の返金をすればいいだけですが、クレジットカードなどの決済代行を使う場合はややこしくなります。かえって運営負担が増えてしまうかもしれません。

商品の支払いなど、物の売買であれば自動決済やキャッシュレスもかんたんですが、サービスの提供や人と人とのやりとりが必要になる場合、自動化はなかなか難しい面もあります。

しかしながら、決済を自動化している求人サイト・Webサービスもたくさんあります。なにより世間的にキャッシュレス化の流れになっているのなら、求人サイトでも率先して行うべきなのかもしれません。

もし、求人サイトの構築にあたって決済の自動化をご検討されている方は、今回ご紹介した点を改めて考えていただき、その上で必要か否かをお考えください。当方にご依頼いただく場合は、決済の種類や代行会社を含め、いくつか提案させていただきます。