少子高齢化で人材不足が深刻化している日本では、今後も様々な求人サイトが生まれてくると思います。「求人サイトで起業しよう!」「新事業は求人ビジネスにしよう!」とお考えの方も増えているように思います。
※求人サイトで起業する方法については以下の記事をご参考ください。
起業とは別に副業に関する関心も高まっています。以下の記事によると会社員の間で副業への関心が高まっているそうで、副業を解禁する企業も多く、政府も働き方改革の一環として副業を容認する方針になっているようです。
参考:広がる会社員の副業 社長がOKでも「直属上司」が厄介なワケ (NIKKEI STYLE) - Yahoo!ニュース
記事にあるように、時間的制約や上司の理解など人間関係の問題もあるでしょうが、副業が行えることで収入の増加を図ることができ、自分らしい働き方が出来るようになります。
それでは求人サイト運営や求人ビジネスを副業で行うことは出来るのでしょうか?今回は「副業で始める求人ビジネスの方法」として説明したいと思います。
求人サイトを副業に出来るのか?
まず最初に浮かぶ疑問として「求人サイトの運営って副業で出来るの?」と思われるのではないでしょうか。
求人サイトはブログ運営と違い、書きっぱなしで良いわけではありません。求職者や採用企業など、様々なユーザーが利用しますので、サポート対応が必要になります。
また、求人サイト自体は飽和状態でたくさんありますから、ただ作って終わりの求人サイトでは誰も利用してくれません。ユーザーに注目されるような、需要のある求人サイトでなくてはいけません。
そのためには情報の新鮮さが必要です。定期的に更新して情報を追加する必要があります。それも求人情報だけでなく、そのサイトオリジナルの情報コンテンツが必要になります。
このように作業することが多いので、本業として求人サイトを作るイメージはあっても、副業でするイメージを持つ方はほぼいないと思います。ですが、筆者は「やり方によっては副業にも出来る」と思っています。
求人サイトを副業にするための考え方
それではどうすれば求人サイトを副業に出来るのか?について説明したいと思います。
会員制を止めてサポート機会を減らす
ほとんどの求人サイトは会員制にしています。求職者は自ら会員登録をし、企業が掲載している求人に応募します。サイト内でメッセージ交換や採用決定まで行えるので、求職者も転職活動をしやすくなります。
求職者だけでなく、企業も会員登録をすることで採用活動が行いやすくなります。運営者も情報の蓄積やユーザーの囲い込みが出来ますから、会員機能は今や求人サイトに必須機能であると言っても過言ではないでしょう。
しかし、多くの人が利用するということはそれだけサポートの機会が増えるということです。サイトの使い方に関する質問や企業に対するクレームなど、運営者になにかしらの連絡があると思います。
その時に、「普段は働きに出ているからサポートできない」では迅速性に欠けます。運営者がすぐに確認できないことでトラブルが大きくなったり、あるいは商機を逃すかもしれません。
そこで、会員機能を外して会員登録しなくても利用できる求人サイトにします。求人サイトの主役はあくまで求人情報ですから、その情報を正しくユーザーに届ける(公開する)ことができれば、会員登録しなくても利用できます。
会員機能を外すことで、使い方に関する質問やイタズラ登録なども減るでしょう。求人応募の際に履歴書を作成する手間は発生するでしょうが、応募項目を減らしたり、電話応募のみにすることで負担は軽減されます。
やりとりはリアルでしてもらう
仕事探しがネット中心になったとは言え、今でも紙媒体の求人誌はあります。駅構内でフリーペーパーの求人誌(タウンワークなど)を見る機会もよくあるのではないでしょうか。
その他、新聞の折込チラシや自宅のポストに届くポスティング・チラシ、店舗に貼られている求人案内など、リアル(現実世界)で展開される求人活動も活発に行われています。
大手求人サイトでも電話応募が出来るようにしているサイトもありますし、「リアルでやりとりすること」が嫌われているわけではありません。求人情報が求職者にとって興味があれば、利用してもらえます。
ですので、求人サイトでもやりとりをリアル(企業に直接連絡)でしてもらうように案内します。そうすることで運営者が作業する事も減りますので、副業でも十分行えるようになります。
なお、「会員制にしない」「電話応募にする」というのは以下の記事でも触れていますので、こちらもご参考ください。
上記の記事では「パソコンが苦手だから」という人のために、「サイト運営に慣れるまでは規模を縮小して運営しましょう」というような説明をしていました。
副業も同じ考え方で良いのですが、あくまで「最初は」という気持ちでいていただければと思います。副業が上手く行って本業にした時は、やはり会員制にして、ネット中心にした方が良いです。
会員制にする方がリピーターの囲い込みにもなりますので、より多くの利用者と収益を期待することができます。
どんな人は求人サイトを副業に出来るのか?
求人サイトの運営を副業にする場合、立場によって向き不向きがあります。ブログ運営などは比較的どなたでも出来ますが、求人サイトはやるべきことが多いため、人によって難しい場合があります。
そこでどんな立場の人は求人サイトを副業にしても大丈夫(トラブルが少なく運営できる)かについてご説明したいと思います。
フリーランスで活動している人
会社組織に縛られないフリーランスという働き方をされている方は、時間の都合もつきやすいです。本業の仕事をしながら求人サイト運営をするのも困難ではないでしょう。
特にWeb制作を行っているWebデザイナー・プログラマの方はWebに関する知識も豊富ですから、求人サイトの運営も容易いと思います。自身でプログラミング出来なくでも、既存の求人システムは扱えるといった方も多いでしょう。
そして仕事の依頼をしてくれるクライアントは法人会社であることが多いです。人手不足で人材を必要としている場合も多いので、求人の掲載依頼をしてくれるかもしれません。
もしくは自身の求人サイトに求人掲載することもサービスの一環として提供してもいいでしょう。企業にとっては嬉しい特典ですので、競合他社より案件を獲得できるようになるかもしれません。
このようにフリーランスで活動している方にとって、求人サイトの運営というのは本業にも良い影響を与える副業であるといえます。
専業主夫・主婦
専業主夫・主婦の方も求人サイト運営には向いています。普段は家事など家のことをしていますので、フリーランスの方よりは時間の都合が付きづらいかもしれません。
しかし、空き時間はあるでしょうし、在宅している時間も多いでしょうから、PCを操作する時間も作りやすいように思います。(子供の有無にもよるかと思います)
特に主婦の方の場合、町内会やPTAなどのネットワークをお持ちの方もいますので、顔が利く場合があると思います。商店街や学校の行事で使用するお店から求人情報をもらえるかもしれません。
外に働きに出て短時間のアルバイトをするよりも、内職代わりに求人サイトを運営すると負担も少なくなるように思います。
定年退職された人
定年退職された方もフルタイムで働いていたときと比べて時間にゆとりがあると思います。求人サイトの運営に対する時間を捻出できるのではないでしょうか。
定年退職された方には社会経験が豊富だという強みがあります。勤務していた業界に対する専門知識もありますから、求人サイトにノウハウを反映する事もできるのではないでしょうか?
求人情報についても取引先や知り合いの会社が豊富にあると思いますので、集めやすいように感じます。最初は自分が勤めていた会社から求人掲載してもらっても良いでしょう。
なにより求人サイトの運営には定年がありません。「定年退職して急にやることがなくなって呆けてしまった」といった社会問題もありますから、健康のためにも新しいことを始めるのも良いと思います。
このような人は副業にしづらい
逆に求人サイトを副業にしづらい立場の人もいると思います。そのことについても説明したいと思います。
フルタイムで働いている人
朝9時から夜18時など、フルタイムで働いている方は時間の都合がつきづらいです。残業や休日出勤の可能性もありますし、そうなると求職者や企業の問い合わせに迅速対応できません。
副業OKの会社なら、勤務中でもメールを出すことが出来るかもしれませんが、多くの会社はそのような行為を認めていないと思います。(副業は勤務時間外だとOKという会社がほとんどだと思います)
また、仕事でクタクタになって家に帰ってからサイト運営をするのも大変です。「今日は疲れたからパソコンを見ないし、サポート対応できない」というわけには行かないのです。
このように、フルタイムで働いている方は時間的な面で都合がつきづらいので、求人サイト運営を副業で行うのは難しいと思います。
※ただし、週末起業という言葉もある通り、土日の休みが確定している職場なら十分可能だと思います。
幼児の子育てをしている人
専業主夫・主婦の方であっても、幼児の子育てをしている方は難しいと思います。幼児はいつ何が起きるか分かりませんから、目が離せません。空き時間を作るのも大変になるでしょう。
仮に親御さんにサポートしていただいければ始めることもできるかもしれません。サポートがなくても保育園に預けることもできるでしょう。実際に幼児がいても共働きしている夫婦は大勢います。
ですが、求人情報の確認や添削(文章の直し)などをしていると時間がかかりますし、ユーザー対応などで時間も取られます。家族に負担をかける可能性が高いので、なかなか勧められないと思います。
お金に余裕がない人
副業は「本業では収入が足りないから(生活費の足しにしたい)」方が多いと思います。本業で足りない収入を副業で補い、生活を潤したり、未来への貯蓄にしたり、借金の返済をしたりします。
しかし、求人サイトの構築・運営は何かとお金が必要になります。以下の記事で説明しているようにお金をかけない方法もありますが、ある程度の余裕は必要です。
また、求人サイトに限りませんが、Webビジネスというのはすぐには結果が出ません。何週間~数ヶ月は様子を見ながら運営していくことになると思います。当面は赤字覚悟で運営できる資金が必要になります。
ですので、求人サイトを構築するだけの資金がなかったり、広告宣伝費に使えるお金がない場合は難しいと思います。
まとめ
求人サイト運営・求人ビジネスを副業にする場合、条件によるという説明をしました。大手求人サイトと同じようなスタイルで求人サイトを運営するのは難しいですが、やり方次第では十分可能だといえます。
なにより、求人サイト運営は主にネットを活用しますから、家にいながら仕事をすることができます。ノートパソコンやモバイル端末で管理することもできるので、外に居ても対応することはできます。
そして、アフィリエイト目的のブログ運営と比べて「単価が大きい」のが特長です。ビジネスモデルは様々ありますが、1件につき1万円~の収入を期待できます。
※ビジネスモデルについては以下の記事を参考にしてください。
例えば掲載料金を1万円にして月に5件の求人掲載依頼があれば月5万円の収入です。1度掲載して採用に繋がればリピーターになってくれるでしょうし、そうすれば会員数や企業数が少なくても安定収入につながります。
これはWebビジネス・サービスにとっては破格の条件です。Webサービスで月1万円を得られるようなビジネスはなかなかありません。(あっても高機能なサービスが必要になり、高いスキルやサポート体制が必要になります)
そして将来の起業を考えている方にとって、副業から本業にしやすいビジネスであるといえます。副業での制約(時間・規模・サポート等)を拡大するだけで良いので、本業にしやすいのです。
冒頭でもご紹介しましたが、今は副業への関心が高まっており、政府も働き方改革の一環として副業を容認しています。
本業に支障が無いように注意するべきことはありますが、副業としての求人サイト運営にはメリットも多いです。求人ビジネスを副業にするのも面白いのではないでしょうか。